韓国アニメの「テコンV」の知名度は相変わらず高い。
きのうも中央日報にこんな記事(2019年09月13日)があった。
<テコンドー>「テコンV」イ・デフン、秋夕連休に黄金のパルチャギ挑戦
「テコン」は韓国の国技・テコンドーのことで、主人公のキム・フンはテコンドーの世界チャンピオンという設定だ。
「V」は勝利(ビクトリー)のことか?
このイ・デフン選手は韓国テコンドー界の英雄で、東京オリンピックでの活躍が期待されている。
それで「テコンV」呼ばれているらしい。
テコンVはテコンドーの技を使って悪者を倒すヒーローもので、1976年に韓国で製作された。
韓国アニメを代表する作品というのは知っていたけど、もう40年以上も前のものだ。
でも、いまでもこうして新聞記事の見出しで使われているのを見ると、韓国社会でのこのアニメの影響の大きさや人気の高さがうかがえる。
韓国アニメ界での位置づけではいえば「鉄腕アトム」だと思う。
テコンV
このロボットは韓国国民でもある。
2006年に韓国政府は「第1号大韓民国ロボット登録証」を発行して、「テコンV」を公式に国民と認めた。
でも、何事にも限度がある。
韓国の「茂朱郡」(シンアングン)という地方都市が山の頂上に、高さ33メートルの超巨大テコンVの像を設置するという計画が持ち上がって、賛否が分かれている。
でも、「賛」はほぼ関係者だろう。
茂朱郡は72億ウォン(約6億5000万円)の税金を投じて壮大なギャンブルをするつもりだ。
中央日報の記事(2019年09月10日)
茂朱郡はテコンVがニューヨークの自由の女神像のように中に入って景観を鑑賞する展望台の役割し、周囲にはテコンドーと関連したバーチャルリアリティ(VR)体験施設、スカイウォークなども造成する計画だ。
韓国自治体、山の頂上に72億ウォン投じてテコンV設置?…住民「発想が奇抜すぎる」
役所の発想に住民がついていけない。
でも茂朱郡は、この像が完成すれば「テコンドーの聖地の茂朱を広く知らせ、観光客を誘致するのに役に立つだろう」と強気だ。
これは次のろうそく革命を引き起こすかも。
でも、無敵のテコンVにも弱点があって、「これは日本のマジンガーZのパクリだろ」という不名誉な指摘がいつもつきまとっているのだ。
韓国内でのテコンVの評価は「韓国ロボットアニメを動かした始発点」であり、それと同時に「日本アニメの盗作という点で反省すべき過去の象徴」でもあるという、複雑な心境をもたせる作品である。
内容もマジンガーZとよく似ているし、敵ロボットのキャラクターデザインも、ガンダムやイデオンに出てきたキャラを思われる。
日本ではパクリの「うわさ」とか「疑惑」とか、隣国の国民感情と名誉に配慮してオブラートにやさしく言うことが多い。
でも韓国人は直接的で遠慮がない。
テコンVをマジンガーZの「パクリ」と断定する人はとても多いのだ。
2016年にスマートフォンの限定モデル「テコンVスペシャルエディション」が発売されたものの、すぐに大爆死。
そのとき韓国のネットにあったコメントは、テコンVに対するいまの韓国人の見方をよくあらわしている。
「盗作なのに人気が出るわけがないだろ」
「偽マジンガーのキャラを誰が喜んで使うんだよ?」
「こんなの買う人いるの?」
「偽iPhoneと偽マジンガーのコラボですか?」
「韓国はとにかくコンテンツ不足。今どきテコンVとは…」
上のコメントはレコードチャイナの記事(2016年12月9日)から。
日本のキャラのパクリだから?韓国で発売の限定版スマホ、売れ残り値下げ=韓国ネット「偽iPhoneと偽ロボのコラボ?」「盗作が売れるわけない」
こんなことがあったにもかかわらず、高さ33メートルの巨大テコンVを設置するという。
「歴史を忘れた民族に未来はない」といつも日本に言う人たちとは思えない所業だ。
テコンVが国民から「盗作」「偽マジンガー」と言われているのは、若いイ・デフン選手も十分知っているはず。
こう呼ばれることを、内心ではかなり嫌がっていると思う。
こちらの記事もどうぞ。
今まではテコンVをマジンガーZとグレートマジンガーの劣化版と思っていましたが、YouTubeで見てみたらすごいですね
色んな人が解説してますけど、私個人が感じた元ネタ
テコンV及びスーパーテコンVの顔→マシーンブラスター
アクション、構図→マッハgogogo
主人公→空手バカ一代
スーパーテコンVヒロイン→炎ジュン
スーパーテコンV敵→クリスタルボーイ
混ぜこぜですね、リスペクトとは言えません
特にマシーンブラスターは、テコンV製作とマシーンブラスター製作の時期がかぶってます
日本人は結構笑って好意的に見てますが、クリエイター側はたまったもんじゃないでしょう(長くてすみません)
特にマシーンブラスターは、
スペインにはれっきとしたマジンガーZの像がありますよね。
普通の公園にポツンとたってたけど地元の人に大切にされてるみたいです。
世界ふしぎ発見!で見ました♪
計画者の中の偉い人にチョーテコンヲタクがいるんですよきっと!
で、そういう時は市民感情を無視するんだな(笑)
日本の規制問題で経済が打撃受けて大変なことになるって言ってたような?
そんな時にこれ作るんだ~。 経済打撃はないってことなのかな?
ただカッコ悪い。
そうなんですか!
そこまでくわしく確認していなかったです。
あの時代は日本文化の流入が禁止されていた時代で、日本のコピーは当たり前でした。
でもテコンVについては、韓国人のほうがハッキリと「あれはマジンガーのパクリ」と言うと思います。
時代背景や韓国人の価値観・考え方がわかっていますし、遠慮しませんから。
>スペインにはれっきとしたマジンガーZの像がありますよね。
これは初耳でした!
ネットで見たら、両手を挙げてむなしく元気に立ってますね。
この自治体の場合、もう引くに引けないところにきているのだと思います。
「経済が大変ないまだからこそ、これで観光客誘致をする必要がある」というウルトラ都合のいい主張するのでは?
日本のパクリと韓国内から指摘されても、構わないのが韓国の特徴なんでしょう
中国も随分パクリましたが、今は世界基準を理解してますよね
日本でいえば、速度超過とか不法投棄とかのレベルまで知的財産権を守らなきゃいけないという市民意識はある、あくまで意識は…
韓国が経済で世界に打って出ようとするなら、知的財産権は中国以上に認識しないとね
やっぱり小中華、韓国が中華の正当な後継者意識、世界の中心、世界のトップ、という精神世界が邪魔してるのでは?
いま、ハリウッドのアニメーションはコンピューター化がどんどん進んでいて、今では3次元映像とほとんど区別できなくなりつつあります。「立体アニメ」の方向ですね。いわば「動く彫刻」みたいな感じ。コンピューターで作るならば、2次元でも、3次元でも、作業としてはあまり変わらないのです。
これに対し、日本のアニメはあくまで「2次元画像としての美しさ」にこだわります。(ただ、「スカイ・クロラ」や「攻殻機動隊(オープニング画像)」のように、特殊な場面で3次元的映像が部分的に利用されることはありますが。)
現代の日本のアニメの隆盛は、「鳥獣戯画」など古来からの落書きや日本画の伝統から、昭和時代の漫画とTVアニメを通じて引き継がれてきた結果だと思います。そこでは一貫して「絵としての表現」が大切に扱われてきました。絵には、写真や精密画と違って、絵ならではの独自の表現手法の価値があります。これからも日本のアニメはその独自の方向を追求していってほしいです。米国から伝統的2次元アニメが消えつつある今、今後おそらく、日本製アニメに匹敵するものは他国に当分は出てこないでしょう。
むかしは中国との関係が深すぎたせいか、韓国はいまは中国と距離を置こうとしていると思いますよ。
習近平国家主席がトランプ大統領に「韓国は中国の一部だった」と言ったのを知ってかなり怒ってましたし。
それに最近は韓国企業が日本のマネをすると、韓国の消費者がそれを非難することもあります。
韓国人が韓国人を批判するときは遠慮がないから、これが一番です。
なるほど
そのまま、世論も変化してくださることを祈ります
アニメ「シロバゴ」で、2次元画像を得意とするアニメーターと3次元画像を得意とする人の葛藤を描いていました。
いま日本のアニメも分岐点にいると思います。
一方を排除することなく、両立させていくと思いますけどね。
韓国人は韓国人に対して、けっこう毒舌でストレートにものを言うと感じます。
ある意味、日本人以上に厳しい面もありますから、「パクリ」をしてもすぐにバレてたたかれるから、次第に減っていくと思いますよ。
テコンVについての考え方なのですが、ああいった「ロボットアニメ」という分野を考えついたのは、日本の漫画界・アニメ界の先駆者たちの業績であることは間違いない訳です。それが世界的に受け入れられるような傑作であったからこそ、同じものを生み出せなかった韓国のTV業界は真似たのです。まあ、文明の進み方というか、芸術家たちのものの考え方日本よりも少し「遅れて(?)」いたのだから、真似ても、やむを得ない点が多々あります。
そのことを自分達で自覚して、オリジナルに敬意を払いつつ、つつましやかに自国内で楽しむならば日本人も文句は言いませんよ。真似したことが後ろめたいものだから、変な言い訳をして「自分はオリジナルだ!」と大声で嘘を主張する。
先人の成したことには頭を下げるべし。儒教世界では礼儀でしょ。
テコンVをつくった人はもう引っ込みがつかなくなっていると思いますよ。
でも国民は冷静というか厳しくて、「あれはマジンガーのパクリ」と考えている人が多いです。
このへんの意識も前より変わっていると思います。