いま開催されているラグビーW杯の期間中、約220万人の外国人が日本を訪れるといわれる。
日本人の親切や気配りに感動したという話は前回に書いた。
今回はその反対、来日外国人が日本で感じた不満や不安なんかを紹介しようと思う。
前回に続いて、FNNプライムニュース(2019/9/24)から外国人の声を拾っていくよ。
ラグビーW杯で来日外国人が日本を称賛! 日本の「おもてなし」と残る課題とは?
ニュージーランド人の男性は、「日本はきれいだけど、ゴミ箱が少ない」と言う。
ボクもこれと同じ話をイギリス人、タイ人、リトアニア人、台湾人などいろいろな外国人から聞いたことがある。
街を歩いていてゴミを捨てようとしたけど、ゴミ箱が見当たらない。
街がきれいすぎるから、自分がそれを汚す最初のひとりになりたくない。それで結局、ゴミ箱が見つかるまで持ち歩くことになる。
「日本人はゴミをどうしているんだ?どうやって捨てるんだ?」と真顔で聞かれたことは一度や二度ではない。
アメリカやヨーロッパでは街中にゴミ箱があるのが普通だから、ゴミを手にして前後左右を見渡すことはないらしい。
テロを警戒して、都市の中心部ではゴミ箱が少ないところもある。
ポーランドの街にあるゴミ箱
オーストリア人の男性は、「スタジアムのトイレがものすごい行列だとみんなで話していた」と言う。
ラグビーW杯に合わせて日本にきたイギリス人にこれを聞いてみた。
彼が試合を見たスタジアムでは、男性は問題ないけど女性トイレには長い行列ができていた。
そのイギリス人の話では、ラグビー観戦をする人たちはビールをよく飲む。
特にイギリスのラグビー・ファンはすさまじいほど飲むらしい。
それでトイレが近くなるから、「すごい行列」ができたのだろうという。
だから、ラグビーW杯でなかったら事情は違うと思う。
ニュージーランド人男性はこう言う。
「電車を乗り換えないといけないけど、少し複雑だね」
数年前に東京へ行ったとき、ボクもこれを思った。
目的地によっては別の会社の路線に乗り換えないといけない。一度駅の外に出て、別の駅を探すのはけっこう面倒くさい。
カードがなければ、そのたびにチケットを購入する必要がある。
だからこのニュージーランド人の不満はよくわかる。むしろ、「少し」というところにホスト国への敬意を感じる。
別のニュージーランド人男性はこんな不安を感じた。
「スタジアムではカバンとかチェックしていたけど、もっとセキュリティーが必要だね。アメリカなどでは、もっとセキュリティーが万全だった」
これについては話を聞いたことがないからよく分からん。
来日外国人が口をそろえて言う不満は、納得のこれ。
アメリカ人女性「とても暑いわ。夏は湿気がすごい!」
そりゃそうだ。
日本人だって、今年の暑さにはどうしていいか分からなかったのだから。
友人のアメリカ人は成田空港でこんなカードをもらった。
「日本の夏は、暑くて湿度が高い!気分が悪くなったら、助けを呼べ!」と強調している。
このアメリカ人は外を歩いただけで死の気配を感じたようだ。
「Welcome back to Japan! Oh by the way, you might just die from the heat…. kthnxbai!」
だから「とても暑いわ。夏は湿気がすごい!」というのは日本人でも納得。
でも待ってほしい。
ラグビーW杯が開催されたのは9月だぞ。
それでこんなことを言われたら、来年の東京オリンピックはどうなるのか。
これは例外だと思うけど、試合会場を間違えたという気の毒なアイルランド人もいた。
本当の会場は「横浜国際総合競技場(International Stadium Yokohama)」だけど、「横浜スタジアム(Yokohama Stadium)」に行ってしまったという。まあドンマイ。
来日外国人のこんな不満に日本のネットの反応は?
・東京生まれの人間でもふだん使わない駅だと迷うから気にするな
・どこにいったって不満なんて大小あるんだよ
・「おもてなし」と言われているが 施設の「ホスピタリティ」性はかなり低いからな
・オリンピック始まったらクレームこんなもんじゃすまないぞ
・誇らしいな
・湿度がおもてなし
・会場のセキュリティチェックはザルだと思った
日本を知らない外国人でも行動しやすい社会は、日本人にとっても分かりやすい。
日本人は昔から外国人の声に弱い。いわゆる「外圧」だ。
役所を動かすには、外国人の声のほうがたぶん効果的。
外国人へのおもてなしは、日本人にもメリットがあるはず。
来年のオリンピックまでには最善の準備をしてほしい。
暑さだけは一緒にガマンしてもらうしかない。
こちらの記事もどうぞ。
コメントを残す