日本が貿易手続き上の優遇を認める「ホワイト国」から韓国を除外すると決めたとき(閣議決定)、全韓国が激怒した。
といっても日本は韓国に差別的な対応をするのではない。
タイや中国と同じ扱いをするだけのこと。
のちに韓国も日本をホワイト国から除外したからお互いさまだ。
でも、「特権を奪われた」と解釈した韓国側の怒りはすさまじい。
ムン大統領は「利己的な迷惑行為」、「二度と日本に負けない。勝利の歴史を作る」と日本に“宣戦布告”して国民に抗戦を訴えた。
くわしいことは聯合ニュースの記事をどうぞ。(2019/8/2)
文大統領「もう日本に負けない」 国民に奮起促す
他の政治家もマスコミも「日本による経済報復」「経済侵略だ」と国民の反日感情をあおりまくるから、日本製品の不買運動や日本には行かないという「ノージャパン運動」は枯野に火が点けられたような勢いで全国に広がった
韓国の報道では「これは市民の自発的な行動」というのが多いけれど、その見方は都合がよすぎる。
政治やメディアが国民の抗日精神をあおった結果であることは間違いない。
これは読売新聞の社説(2019/09/22)
韓国政府が対日強硬策をアピールし、メディアやネットを通じて反日感情が煽られる。日本旅行の自粛や日本製品の不買運動が韓国で拡大しているのは残念な事態だ。
韓国人客の減少 反日感情の広がりを懸念する
韓国ではいままでに何度も不買運動が起きたけど、結局は長続きしない。
でも今回はちがう。
3か月たったいまでも反日の炎は燃え続いていた。意外とがんばっている。
でも長引くにつれて、火を点けた韓国側が困る場面も増えてきた。
中央日報の記事(2019年09月25日)
「MAMA」、日本不買運動にも開催地手放せない背景
MAMAというのは「Mnet Asian Music Awards」のことで、韓国が主催するアジア版レコード大賞のようなもの。(と思っている)
当然、トップクラスの多くのK-POPスターを招いて行われるイベントだ。
それをことし日本のナゴヤドームで開催することになった理由は簡単だ。
日本が世界第2位の音楽市場だから。
これは数か月前から決まっていたことだけど、7月から予期せぬ事態がぼっ発して、主催企業側は国民の反応に頭をかかえている。
過去の侵略に対する謝罪を受けるために全国民が日本不買運動に参加する雰囲気をCJ ENMが大型イベント「MAMA」の開催で台無しにしたという指摘が出る理由だ。更には出演歌手や俳優もボイコットすべきだという意見まである。あるネットユーザーは「国民が尽力した不買運動を一度に壊れてしまうこと」とし
「MAMA」、日本不買運動にも開催地手放せない背景
日本での開催は韓流文化にとって大きなプラスになるから、韓国の企業や政治家、メディアにも直線・間接的なメリットが生まれる。
でも、日本ボイコットをする目的について8月に世論調査を行った結果、この原因となった日本の“輸出規制”の撤回より(19.4%)、日本の過去の侵略謝罪と賠償(27.1%)と答えた人のほうが多かった。
韓国の政治家やメディアは輸出規制の撤回を目的に反日感情をあおったのだろうけど、国民の目的はそれを超えている。
ここまでの事態は誤算で、いまごろ鎮火方法で悩んでいるだろう。
主催者側は「政治問題とは切り離して民間の文化交流は続けるべきだというのが大半の意見だ」と言うけど、日本の自治体による文化・スポーツ交流をことごとく拒否したのは韓国側だった。
日本不買運動にも「開催地手放せない背景」というのはつまり、もうけを手放せないということだ。
でもその気持ちは誰にでもわかる。
韓国の人たちは自分にすごく正直だから、第三者から見たら「自己中」、「都合がいい」と映るかもしれない。
韓国政府も反日と経済支援の両立をねらう「ツートラック戦略」を日本に対して前からやっているのだから、民間が「人気も利益も手放せない」というのは当然のこと。
*きょうの聯合ニュースの記事でもナム・グァンピョ駐日大使がこう言っている。(2019.10.04)
「日本とのさまざまな実質分野での協力は未来志向の両国関係発展のため、(政治と経済を切り離して考える)『ツートラック』を堅持してきた」
「韓日関係は極めて厳しい状況」 緊密な協議重ねる方針=駐日韓国大使
自分発の「極めて厳しい状況」に苦しむ様子はいまの韓国を象徴しているようだ。
政治家やメディアが国民の反日感情をあおるにしても、前はもっとうまくコントロールしながらやっていたけど、最近はそれができなくなっていると思う。
今回の事態を見ていると、うまく火消しができなくて自分たちが困っている。
「ノージャパン」のキャッチコピーを途中から「ノーアベ」に変えたけど、やっていることは相変わらず日本不買運動だ。
中国政府だったらこのへんはきっともっと上手にやる。
8月に上映が予定されていた映画「ドラえもん のび太の月面探査記」の公開が無期限延期になって、韓国の子どもたちも悲しんでいる。
関係者も辛そうだ。
訪日ラボの記事(2019年10月03日)
韓国での日本製品の不買運動や訪日旅行のキャンセルなど高まる反日感情のなかで、日本映画を公開するのは適切でないという判断を下したというもので、社会の空気や国民の感情を考慮したことが説明されています。
デモ飛び火で「ドラえもん」上映、無期限延期へ:「日本隠し」されながら愛されたキャラクターたち
ドラえもんを上映してもしなくても、安倍政権にはまったく関係ない。
みんなが国民感情というモンスターを怖がっているだけ。
MAMAに出演するよう要請されるK-POPスターも、「国民が尽力した不買運動を一度に壊れてしまう」という民意にはさまれて気が重いはず。
韓国のノージャパン運動は長引くほどその目的が分からなくなっていくし、これで苦しむ韓国人も増えている。
いまの韓国国民の反日感情は、火を点けた人たちの想像を超えるほど大きく深くなっているのだろう。
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韓国の考え方は都合が良すぎます。
その態度はまさにかの国で言われる「他人がすれば不倫、自分がすればロマンス」。
しかし、それで身を滅ぼすのは当事者のヴロンスキーとアンナ・カレーニナ。
日本がリョーヴィン、キティの様に幸せを掴み取れると良いのですが。
たしかに都合がよすぎます。
もうそれは通じない、といま日本は毅然とした態度でいるべきですね。