【インドの不思議】原因は常識的だけど、結果がミラクル

 

インドは不思議な国で、常識的な原因からミラクルな結果がうまれる。
きっかけは日本の常識から考えても理解できるけど、「なんでそれがそうなった?」という謎展開がよくあるのだ。

たとえば、「女性は入るべからず」という女人禁制はいろいろな社会である。
日本をみると、世界遺産で「神宿る島」と呼ばれる沖ノ鳥島は女性の立ち入りが禁止されている。

興味のある人はこの記事をプリーズ。

沖ノ島と富士山にみる日本の女人禁制。理由は神道に?守るか変えるか。

 

日本にもこんな考え方があるから、海外で女人禁制の宗教施設があってもおかしいとは思わない。
禁止されると、逆にその“禁”を破りたくなる人が出てきても不思議ではない。
その結果、女人禁制のお寺に女性が立ち入って、それがきっかけとなって、反対派が抗議する事態が起きることも想像できる。

でもインドの場合は規模が違い過ぎる。
インド南部のケララ州には女人禁制のヒンドゥー教寺院があって、そこに2人の女性が入ったら、社会はこうなった。

ナショナルジオグラフィックの記事(2019.01.10)

1月に入って100人以上が負傷し、1人が死亡、5800人近くが逮捕された。すでに米国や英国が、ケーララ州への渡航注意令を発している。

「女人禁制」の寺で参拝めぐり暴動、5800人逮捕

 

インドの出来事は、“途中まで”は理解できる。

女性禁止のお寺がある→わかる。
そこに女性が入って騒ぎが起きた→わかる。
その結果、1人が死亡し、100人以上が負傷して5800人が逮捕→なぜそうなった?

このヒンドゥー寺院の女人禁制については、2018年にインドの最高裁判所が違憲であると判断している。
だから女性の行為は合法で、「宗教(信仰) vs 法律」という構図になる。
ちなみに抗議する人の中には女性もいるから、「男性 vs 女性」という単純な話ではない。

 

インドの出来事はこんな感じで、原因は理解できるけど、そこから生まれる結果がワケわかめということがよくある。

2015年にはカンニング事件が発生。
これは日本でもあるから分かるけど、その結果、1800人以上が逮捕されてこのうち約40人が「突発的な死」をとげたというのが分からない。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

不思議の国インド。カンニングで40人死亡・MRIの磁力が死因に。

またあるインド人が、「ゴミや汚水で水質汚染が深刻なガンジスをキレイにしたい」と思った。
その気持ちは十分理解できるけど、その結果、裁判所がガンジス川に「人間の地位」を認めたという展開がボクにはミラクル。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

神聖で汚いガンジス川①インドの裁判所、川に’人権’を認める。動画付き

 

インドを旅すると人生観が変わる、なんて昔は言われていた。
いまでもそう言われていると思う。
たしかにあの国はスペシャルで、価値観や考え方が日本とは違いすぎる。
だから日常や普通が不思議に見えることもある。

でも、「女人禁制」をめぐって暴動が起きて5800人が逮捕されたという結果にも、それなりの事情はあるのだ。
インドのことはインド人に聞け。
日本に住むインド人にこの騒動について聞いたから、次回そのことを書いていきますよ。

 

おまけ

インドのヴァラナシ
最後にでてくる川がガンジス川。

 

 

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外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

インド 目次 ①

インド 目次 ②

インド 目次 ③

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。