【秩序正しい日本人】アメリカ人が考えるその理由とは?

 

約12万の人が沿道に集まって祝福した天皇陛下のご即位に伴うパレード。
この様子は中国の人たちの目にどう映ったか?

産経新聞の記事(2019/11/11)によると、中国共産党の機関紙・人民日報系の環球時報は日本国民の秩序正しさに注目した。

「現場は黒山の人だかりだったが整然として乱れがなかった。たとえ何も見えないとしても、人々は静かに警察の指示を聞いて前に向かってゆっくりと移動していた」

「黒山の人だかりも乱れなし」 中国メディアもご即位パレード報道

 

中国で12万人が集まるイベントをしたら、どれほどのカオスや修羅場になることか。
中国人は個人としては強いけど、協調性がないからまとまらない。そんな意味で、中国人の日本語ガイドから「中国人は1人なら竜、3人集まると豚になる」と聞いた。
日本人はその逆で集団になると強い。

中国人の団結力のなさは相変わらずか、むしろ劣化しているらしく、2年前の中国メディアには「虫けら」と書いてあった。

中国人と日本人の違い:1人なら竜。3人だと豚や”虫けら”に。

 

たくさんの人が集まっても混乱は生まれず、秩序を守って行動する日本人はとても印象的という外国人はよくいる。
サッカースタジアムで熱狂的に応援していて、試合が終わると、列に並んで静かに退場する観客を見て驚くイギリス人もいた。
規律正しいとか統制がとれているという意味で、外国人は日本人に「discipline」(訓練、自制心、しつけ)という表現を使う。
それで、その理由をきかれることもしばしば。

「日本人が秩序を守って規律正しく行動する理由はなにか?」

日本人のボクにはそれが普通で、比較対象となる外国人の乱れっぷりが分からないからうまく答えられないけど、そんなときは、日本の小中学校で英語を教えていたアメリカ人の説を紹介している。
そのアメリカ人が勤務していた学校では、一か月ぐらい前から運動会の練習が始まった。
数百人の児童や生徒が一列に並んで行進する光景は彼女にとってもはや軍隊。
それに事前の計画がしっかりされていて、ひとつの種目が終わると先生たちがすぐに道具を片づけて次の種目の準備を始める。
その間に子供たちは退場と入場をおこなう。

そんな日本の当たり前が彼女には衝撃的で、「運動会はとても組織化されていた。あれが日本人の強さなのね!」と感心していた。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

アメリカ人が見た日本の運動会「何これ軍隊?」「日本人の強さを知った」

この学校だけじゃなくて、全国の小中学校も同じように組織的・効率的に運動会をおこなっているはずだ。
こういう教育をすべての日本人が受けていることが、「現場は黒山の人だかりだったが整然として乱れがなかった。」という中国人の驚きにつながったのだろう。

 

さて下の人物はエルヴィンという。
調査兵団団長とは別のエルヴィンで、明治政府に招かれ、東大で医学を教えていたドイツ人のエルヴィン・フォン・ベルツ。

 

ベルツは花見を楽しむ日本人の様子が印象的だったようで手記にこう記す。

入り乱れて行きかうすべてが、何という静粛で整然としていることだろう。乱暴な行為もなければ、酔漢の怒鳴り声もしない — 行儀の良さが骨の髄までしみこんでいる国民だ

「逝きし日の面影 渡辺

日本人が規律や秩序を守る「discipline」なのは、もともとの国民性に学校教育が加わった結果だろう。
そもそも国民性に合わない教育はおこなわれない。

 

 

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2 件のコメント

  • 日本人の集団秩序を守る性向は、水田農耕民族としての活動によって培われたものではないでしょうか。
    昔から、広大な水田で稲を育てるのは土地の持ち主だけではなかなか難しく、村人全員の共同作業によってきました。田植え、稲刈り、灌漑作業、開墾作業。いずれも大切な共同作業であり、有能な指揮者が全員を効率よく統率することで初めて達成可能なことです。
    日本人は、昔から多くの人々が助け合って、年配者の知恵を伝承(教育)して活用して、指導者の元で皆が呼吸を合せ労働をこなして、多くの災害にも耐えて生き残ってきたのだと思います。それは他民族の「宗教」にも相当するような社会のあり方では。

  • それもあると思います。
    農業国としての歴史は無視できません。
    江戸時代には村八分や五人組という掟や制度もありましたし。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。