日本人は知っている。韓国「漢江の奇跡」の不都合な真実

 

以前、20代の韓国人女性と話をしていたとき、「韓国が誇りや自慢にできること」という話題になり、ボクが「キムチ?」と聞いたら、「それはない!」とすぐに否定された。
キムチは世界的に有名で、キムチを漬ける「キムジャン文化」は世界遺産に登録されている。だから、それほどおかしくないと思ったのだけど、「キムチは好きですけど、誇りとは違います」と彼女はそれを認めない。
「たくあんは日本の誇り」という意見には日本人でも賛否が分かれると思うが、外国人から韓国を「キムチの国」と思われるのは屈辱的らしい。

このときは空気がおかしくなってしまったが、「漢江の軌跡」だったら、その韓国人も納得したと思う。漢江の軌跡とは、1960年代にはじまった韓国の急激な経済成長のこと。
元ネタはドイツの経済成長「ライン川の奇跡」だ。
国内総生産(GDP)はアフリカの最貧国以下だった韓国が、いまでは3万ドル(約330万円)近くになり、世界第12位の経済大国へと変わった。

きょねん朝鮮日報がそのことについて、社説で誇らしげにこう書いていた。(2018/08/16)

いずれも分断と戦争の廃墟を乗り越えて成し遂げた成果だ。何の基盤もなかった発展途上国、被支配国がここまで発展したケースは世界の歴史をみても前例がなく、まさに奇跡と呼ぶにふさわしい。

世界がうらやみ驚嘆する奇跡の大韓民国70年史、だれが消そうとしているのか

 

韓国民にとって「漢江の奇跡」が自慢のタネ。
ことしも韓国教育課程学会の会長を務める大学教授が、「海外では漢江の奇跡をうらやんでいるが、韓国の教科書ではなぜこれを隠そうとするのか理解できない」と述べている。
そんな「漢江の奇跡」が教科書から消えたから、韓国で大騒ぎとなった。

 

しかし、日本人の立場から言わせてもらうと、漢江の奇跡について「日本の協力」が最初から消されていたことが残念至極。
1965年に日韓が国交を回復し、その際に請求権協定を結んだ。
韓国はこのとき日本から受け取った巨額の経済支援金を経済発展に使ったことで、アフリカの最貧国以下から、世界第12位の経済大国へと生まれ変わったのだ。

国交を回復した後に約25年に渡る円借款などを国内投資資金の元手にして、日本からの資金・技術援助を利用することで社会インフラを構築して経済発展を遂げた。

漢江の奇跡

十分な準備がなければ奇跡なんて起こせない。

 

しかし、韓国の歴史ではこの事実が隠されてきたから、奇跡の理由を知らない人がたくさんいる。「漢江の奇跡」を韓国人だけの奇跡と思っている人が本当に多い。
主役はもちろん韓国の人たちだけど、それをアシストしたのは日本。「世界がうらやみ驚嘆する」漢江の奇跡は韓日のコラボレーションとも言える。
韓国でその歴史を知る人は少ないが、日本人はよく知っている。
だから、「世界がうらやみ驚嘆する奇跡の大韓民国70年史、だれが消そうとしているのか」という記事には、日本のネットユーザーからこんなコメントが寄せられた。

・奇跡の陰には日本の姿が!
・日本がどれだけ資金や技術を提供したかは
絶対に言えないんですよね?
・確かに日本という神の国が70年も援助してきたってことには世界がうらやんで驚愕してると思うよ
しかもその国を敵視してるとか完全に驚愕だわ
・今順調に自国の経済を潰しているのは文在寅だけどな
・日韓基本条約とか日本からの援助とか技術移転はもう忘れられたよな

今の韓国で強調されるのは、中央日報が伝えるこんなことだ。(2019.11.14)

「日本から賠償受けずに謝罪・懺悔を要求しよう」

それを主張する前に韓国政府は真実を伝え、国民は日本から何を受けたか知ってほしい。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

2 件のコメント

  • 漢江の奇跡は韓国版高度経済成長で、今では日本と韓国は同じくらい裕福な国ですが、1950〜60年代は今の北朝鮮並みに貧しかったのです。

    更に、北朝鮮・平壌地下鉄はソウル地下鉄1号線より1年早く開業しました。(前者は1973年、後者は1974年)
    当時は、ソ連や東欧などの経済支援がありましたが、1970年代から韓国が北朝鮮を一気に追い抜き
    、1988年ソウルオリンピックの時は韓国と北朝鮮の格差は4倍、今では30〜40倍に広がっています。

    韓国の面積は北海道より少し大きい程度ですが、GDPは一時期はロシアを抜いた程の経済大国です。(ロシアは旧ソ連の名残が根強い…)

    また、中国・広東省のGDPは韓国と同程度で、韓国にも”広州”があります。(韓国は民主化運動の舞台になった”光州”が有名ですね)

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。