江戸時代には、宮本武蔵とならぶ剣豪「院水 士元」(いんすい しげん)がいた。
というのは大嘘で、「飲水思源」(いんすいしげん)というのは中国の有名なことわざ。
「水を飲む者は、その源に思いをいたせ」という意味で、「井戸の水を飲むときには、井戸を掘ってくれた人の苦労を考えよう」ってこと。
自分がいま快適に生活できるのを当たり前と思ってはいけない。
豊かさの理由を知らない人は心が貧しいのだ。
「飲水思源」は元は北周の詩人、庾信(ゆしん:513年 – 581年)の作品で使われた。
日本では、1972年に日中国交正常化のために中国を訪れた田中角栄首相と会った周恩来首相がこの言葉を使って有名になった。
秋田県の田沢湖にある飲水思源の像
さて、ここから話は隣国だ。
地理的には九州のすぐ上、でも心理的には銀河系レベルで遠いと言われる韓国では、勝手に日本を敵視して勝負を挑むということがよくある。
そのひとつが「韓日の自尊心対決」だ。
たとえば日本製品の不買運動が続けられている韓国で、ユニクロがキャンペーンを行ったら行列ができてしまった。
これは「自尊心対決」での敗北を意味するから、「最小限の自尊心だけは守ってほしい」と全国紙が報じるのが韓国という国。
くわしいことはこの記事を。
でも、こんな朝鮮日報の紙面を見ると、日韓では自尊心の意味や使い方が違うのだなとつくづく思う。
韓国はことし4月、世界ではじめて第5世代(5G)移動通信を商用化することに成功した。
これを大々的に報じていたけど、じつは一部の重要部品はすべて日本製だったことが判明。
朝鮮日報の記事(2019/11/19)
特にレーザーダイオードとミリ波スマートフォン用アンテナは日本が蓄積してきた半導体微細工程、超小型精密加工技術などが必須であり、韓日の技術格差が大きいと分析されている。
世界初の韓国5G、重要部品の一部は全て日本製
4月に「世界初!」という韓国メディアの報道をいくつも見たけど、日本に依存しているとはどれも一言も触れていなかったのでは?
これはとても重要なことで、中央日報もコラムに書いている。
日本はいま韓国に対して輸出管理を強化している。
それで半導体製造に必要な素材が手に入りにくくなったため、韓国は中国やベルギーから素材を輸入している。
だから韓国は大丈夫。みたいな報道を見た人もいると思うけど、その製品もじつは日本製で、韓国の半導体業界では「知っている人は皆知っている」という。
中央日報のコラム (2019.11.20)
日本企業は2011年東日本大震災の時に危険回避次元で工場の多くを海外に分散させた。その恩恵をいま韓国半導体業界が受けているといっても過言ではない。
日本との「材部装」交易は継続していくべき
「どうせすべての材部装を国産化することはできない」から、日本との貿易は続けていかなければいけないとコラムには書いてある。
日本の恩恵を受けながら、「最小限の自尊心だけは守ってほしい」と呼びかける。
日本に依存しながら日本を非難する。
「日本のものは買わないし、日本には行かない」という今回のボイコットジャパンによって、そのことが見えてきた。
日本製品の不買運動を報じるテレビカメラが日本製だったとか、「日本の代わりに別の国に行く」という韓国国民が持つパスポートは”日本製”だったとか、そんなあきれることがよくある。
Record Chinaの記事(2019年10月24日)
韓国のパスポートはすべて日本産使用、国産は「不合格」で使えず=韓国ネット驚き「こんなの初耳」「なんとかして国産化を」
韓国は日本製品なしでは世界一になることができなかったし、国民も外国へ行くことができないことが明らかになった。
これがノージャパンのひとつの成果だ。
それが分かったところで、次は「飲水思源」という言葉を知ってほしい。
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