近い将来、日本人のソウル・フード「お好み焼き」はグローバル・フードになるかも。
そのための一歩として、まずは東南アジアに住むイスラーム教徒の心をつかむことに成功したようだ。
毎日新聞の記事(2019年12月9日)
広島お好み焼き、世界制覇へ一歩 オタフクソースがイスラム教徒に受けた理由
豚肉とアルコールの摂取が禁止されているイスラーム教では、信者が安心して口入れられる食べ物をハラル(フード)という。
ハラルとはアラビア語で「許可された」という意味で、イスラーム教のルールにしたがって作られた食べ物には下のようなハラル認証があたえられるのだ。
浜松のスーパーにあったハラルフードのコーナー
下の文はたぶんインドネシア語
イスラーム教徒の多いマレーシアで勝負するために、オタフクソースは創意工夫を重ねてアルコールや肉エキスを使わないお好み焼き用ソースを作り、マレーシア政府からハラル認証を受けた「完全イスラーム教徒用」のソースを完成させた。
では次の段階だ。
これをどうやってマレーシアの人たちに広めていくか?
オタフクソースは日本の伝統を利用してPRにうって出た。
17年夏に開かれた現地日本人会主催の盆踊り大会で、オタフクソースが「ハラル」と掲げたお好み焼き店を出すと評判を呼び、ソースは飲食店で現地料理の揚げ物にも使われるようになった。
広島お好み焼き、世界制覇へ一歩 オタフクソースがイスラム教徒に受けた理由
こうした努力によってマレーシアで成功をおさめあと、インドネシアやブルネイにもソースが輸出されていて大きな利益を上げている。
記事ではオタフクソースの国際事業本部長が、「需要に供給が追いつかない状態です」とうれしい悲鳴をあげてらっしゃる。
いまは二つ目の工場をつくる計画が進行中とか。
このニュースに日本のネットの反応は?
・商売はこうやって海外で展開してるところが生き残れる
・豚肉の入っていない広島焼きなんて
・広島人だが正直飽きてる
東京?のホットケーキみたいなヤツ食べたい
・昔はオタフクソースは東京でも大阪でも売ってないんですよって言いながら一升瓶を抱えて新幹線乗ってたからな
・東京じゃブルドッグソースがいちばん売れてるんだが
・広島お好み焼きのうまさの9割はおたふくソース
ボクにとって広島といえば原爆ドームとお好み焼きだ。
むかし旅行で行ったとき、広島人のお好み焼き愛にはおどろいた。
誕生日には「バースデーお好み焼き」にキャンドルを立てて祝うと聞いたし、ビルに入っている店すべてがお好み焼き店という「お好み焼き共和国」もあった。
「お好み焼き共和国」についてはここをクリック。
もちろんお好みソースは、地元オタフクソースを使用してます。
そして、ビールは広島名物キリンビールです!
いままでにアメリカ人、イギリス人、タイ人、インドネシア人、インド人、トリニダード・トバゴ人をお好み焼き店に連れて行ったことがある。
その経験では、欧米人にもアジア人にもお好み焼きの受けはかなりいい。
以下、その理由を3つ挙げよう。
1、宗教の壁を超えられる
美味しい/不味いという以前に、食べられないものは話にならない。
お好み焼きはバリエーションが豊富だから、牛肉がダメなヒンドゥー教徒なら豚玉、イスラーム教徒なら牛玉をチョイスできる。
シーフードならベジタリアンやヴィーガン以外ならOKだ。
2、ふつうにうまい
日本料理には薄味のものが多いせいか、豚骨ラーメンやお好み焼きのような濃い味を好む外国人はけっこういる。
日本に比べれば、海外の料理はソースや香辛料を使った強い味付けの食べ物が多いと思う。
3、セルフで調理
いろんな外国人から話を聞くと、「お好み焼きを自分で作れるのがいい」という人がたくさんいる。
海外にもそういうレストランはあるのだろうけど、それは一般的ではないから、ボクが連れて行った外国人のほとんどは初めて経験したと目を輝かせた。
数年前、知り合いのアメリカ人の両親が日本へ来たとき、ボクがその2人を浜松城やお寺に案内して、そのあと4人で夕食を食べることになった。
どこの店がいいかきいたらそのアメリカ人は、「お好み焼きの食べ放題がいい。ウチの親はきっとあの味が気に入るし、自分で選んだメニューを自分で作る経験もきっと新しいから」と言う。
それで両親を食べ放題の店へ連れて行ったら、予感的中で「ファンタスティック!」とよろこんで写真を撮っていた。
ああいう様子を見ていると、世界制覇は夢じゃないと思う。
タイ人の彼にとっても初めての経験で、ドキドキしながらお好み焼きを裏返す。
最近はバンコクにもお好み焼き店があるけど、店が調理するものばかり。
これが彼の作ったお好み焼き。
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日本料理は薄味が多い?凄い濃いと思いますけど?
味付けが少ないってことなら分かりますし、砂糖を使うのと油が少ないのも特徴ですかね。
日本:食材+甘味(砂糖+酒+みりん) +メイン味付(塩 or 酢 or 醤油 or 味噌)
+汁物なら出汁(魚の出汁)
海外:食材+甘味・渋味(酒)+香り(ハーブ)+油(バター・チーズ・オリーブオイル)+辛味(香辛料)+塩見(塩)+酸味(酢 or 野菜ソース)
+汁物なら出汁(野菜の出汁 or 魚介の出汁 or 獣骨の出汁)
日本は単純な味付けが多くて、海外は複雑な味付けのものが多い。素材の味を活かすとよく言いますが、日本料理はそこに美学を見出していたので、単純な味付けが多いんですよ。
ただし昔ながらの技法のものの話で、最近は海外から色々取り入れている日本食は複雑なものが多くなっています。
そーですね、世界制覇を目論む(?)お好み焼きのライバルは、もしかすると、ピザじゃないですか?
あのお好み焼きソースをピザにかけることを今後も誰も思いつかないよう、希望、します。
日本料理は「素材の味を活かす」ことに重点を置いています。
だから外側から味をつけるというより、内側から味を引き出すという発想です。
一般的にもよくつかわれている出汁より薄味のスープは海外では少ないでしょう。
結果、ソースなんかで味をつけるより薄い味になるのですが、これを濃いか薄いかは個人の舌によって違うでしょう。
そんな日本食の特徴をいかして、フランス人シェフのポールボキューズはヌーベルキュイジーヌという新しいフランス料理を作りました。
チーズとお好み焼きソースの相性は、、、すごい味になりそうです。
ピザは強敵で倒せそうにないから、共存してほしいです。そこまで世界に広がったらすごいことですが。
お好み焼きが全世界に広まって人気になったら「チヂミこそお好み焼きのルーツ!」って韓国が出てきそうですね(*^^*)
いやいやいや、いくら何でもその可能性は十分にあります。
ちなみにチヂミは日本語だそうです。
韓国人がそう言っていました。