本当にバカバカしくて少しほほえましい、そんな日本人らしいイベントがこのほど大阪でおこなわれた。
共同通信の記事(2019/12/10)
未消化有休の無念を“供養” 体験談に僧侶が読経
労働者の権利である有給休暇を使うことができなくて悔しい思いをした、その無念の気持ちをお坊さんが読経することで“成仏”させるという試み。
ことしから年5日の有休取得が義務化されたから、その意識向上を図るために広告企画制作会社がこんな供養を発案したという。
つまり信仰心は1ミリも関係ない。
社員のアイデアを面白がった上司が通した商業イベントだろう。
これにネットの反応は?
・ヒマだな
・有給を休日に使わされた。これって違法だよな?
・いや、坊主に頼む前に労基署へ通報しろよw
・有給!?なにそれ美味しいの?@自営
・役目果たせず無念のうちに消えた有給の供養
供養しないと休日出勤に化けて出てくる
・ブラック企業にお願いします
家族を家庭に帰してください
記事の見出しを見たときは、未消化のまま消えた無念の有給休暇を供養するのかと思ったら、対象は社員の無念だったでござる。
どっちでもどうでもいいけど、こんな奇妙なことをするのは世界でもきっと日本だけ。
欧米では日本人の発想はとてもユニークという評判があることを、ことしの夏に日本を旅行したリトアニア人(東ヨーロッパ人)から聞いた。
その人は旅行を仕事にしていて、来日する前に日本について欧米人が関心のあることをチェックしていたら、日本人の感性や発想は変わっていてそれはCMに集約されていることを知る。
ヨーロッパのどの国か忘れたけど、世界中のCMを集めて映画館で2~3時間上映する機会があって、それがけっこう人気があるらしい。
そのリトアニア人は自身のブログに「奇妙な広告」とタイトルをつけてこう書いている。
Weird ads
Japanese commercials are really strange, funny and in some cases make no sense at all. Every time I go to the city I love watching them though. If you don’t believe me watch this Sakeru Gum commercial.
日本のCMは本当に不思議で面白くて、ときどきまったくナンセンス。
この人はいろんな都市でCMを見ることが大好きだった。
私の話を信じない人はこれを見て、と「さけるグミ」のCMを紹介する。
このCMは何かの賞をとっていて、ヨーロッパでわりと有名らしい。
といっても、CM好きのヨーロッパ人の間でのことだろうけど。
これがそのリトアニア人で、うなぎパイ工場の見学ではCMをずっと見ていた。
未消化有休の無念をお坊さんが読経して“供養”するというイベントをしかけたのも広告会社だから、発想は基本的にCMと同じ。
欧米人がこの映像を見たら、その反応はみんな「really strange」と驚いたあとに、「funny」か「make no sense at all」の2つに分かれると思う。
お坊さんがお経を読んで使い終えたメガネを“供養”しているのを見て、あるカナダ人が「日本人のすることはわけがわからない!」と言っていたぐらいだから、未消化有休の無念をなぐさめるという発想は理解不能かもしれない。
日本のCMを紹介するユーチューブ・チャンネルがあって、2018年のベスト版を集めた動画があるから見てみよう。
欧米人の発想やセンスではこういうのが面白いらしい。
これは2017年のもの。
毎年ベスト版を作るということは、日本のCMってかなり人気なんじゃないか?
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何だったか、世界のベストCM賞でサントリーのCMが何度も最優秀賞を受賞しているとか。
受賞の理由は、美しい風景映像と「製品のアピールをしない」ことだそうです。それって、CMなのか?
まあでも、米国のTV-CMとか見ているとあまりに製品の売り込みが直接過ぎて、見る側は辟易してしまいますがね。ただしTVのCMは英語表現・英会話の教材としてとても有効です。何しろ受け手が理解してくれなきゃ本来の機能を果たせないのですから、英会話の表現手法として合目的的な、つまり売り込みの姿勢としてわかりやすい表現にならざるを得ないのは、むしろ当然だと言えます。
東南アジアや中国や韓国などで、ホテルのテレビでCMを見たことがあります。
直接的な表現で分かりやすいですけど、ひねりはないなあという印象を持ちました。
日本のCMとはその点が違います。
ただ、たしかに語学を学ぶには向いていないかもですね。