最近、「一緒に叫んでください。旭日旗は憎悪の旗だ」と韓国政府が公式ツイッターやフェイスブックに投稿して国民の反日感情をあおった。
これに対して、茂木外相が日本の立場と相いれず極めて残念と韓国政府に抗議する。
韓国の激しさに対して、日本がやさしすぎて不安になる。
でもこれで終わりにならないのがあの国で、日本が反論・抗議するとそれに食いつく人がでてくる。
それが反日活動家で大学教授もしているソ・ギョンドク氏。
さっそく自身のインスタグラムにこんな投稿をした。
これには「日本国民がまだ野蛮な軍国主義の奴隷根性を持っていることを示している。」というコメントが寄せられていた。
政府がこういうヘイトを誘発するから困る。
*投稿が削除されるかもしれないから、文だけ載せときます。
「旭日旗はドイツのハーケンクロイツのような戦争犯罪に使用されたことを知りませんか。日本の外務省として恥ずかしくもないんですか?この動画を見て歴史を勉強してください!」
これは国民感情に合っていて読者受けするから、当然マスコミも飛びつく。
聯合ニュースの記事(2019.12.13)
韓国教授「歴史を学んで」 旭日旗の解釈巡り日本外相に
世界では、特に欧米でハーケンクロイツは人種差別のシンボルと見なされている。
「日本の旭日旗とナチス=ドイツのハーケンクロイツは同じ意味」という説は韓国で広く信じられているから、「だから絶対に使ってはいけない」という認識は社会の常識だ。
ユダヤ人の絶滅を目的として、ナチスは600万人を虐殺した(ホロコースト)。
でも日本はそんな蛮行をしていない。
南京事件とホロコーストは規模も動機もまったく違っていて本質的に別もの。
それに戦争犯罪を犯した人間はすでに裁かれてこの世にはいない。
旭日旗が戦争犯罪に使用されたというのは意味がよく分からない。
ただ韓国はよく「歴史を勉強してください!」と言うので、このまえ旭日旗についてドイツ人に意見をきいてみた。
これからそのことを書こうと思う。
まず、「ハーケンクロイツ」というドイツ語は「ハーケン」と「クロイツ」からできている。
クロイツは十字の意味(英語ではクロス)というのは知っていたけど、ハーケンとは「フック」の意味とそのときにはじめて知った。
フック船長のフックで、トイレの個室にある荷物かけもこのフック。
十字の先がフック型になっているから、ドイツ語でハーケンクロイツと呼ばれているという。
だから日本語だと「鉤(かぎ)十字」になるのか。
これがナチスの象徴になったのは、ヒトラー率いるナチス党がハーケンクロイツを党のシンボルとして取り入れたから。
ナチスがこのシンボルを採用した経緯は、ドイツの考古学者、ハインリヒ・シュリーマンがトロイの遺跡の中で卐を発見し、卐を古代のインド・ヨーロッパ語族に共通の宗教的シンボルと見なしたためである。
このデザイン「スワスティカ」(swastika)自体は以前からヨーロッパにあったけど、これを党や国家の象徴にしたのは少なくともドイツではナチスが初めて。
そしてナチスと同時に消えたから、ハーケンクロイツはこの政権やその時代を象徴する旗や紋章となった。
これに対して旭日旗のデザインは江戸時代から大漁旗や出産、節句の祝いなどいろいろな生活場面で使われている。
これは日本文化のひとつだ。
くわしい説明は外務省のホームページをどうぞ。
旭日旗はずっとむかしから使われてきたことを話すと、そのドイツ人は「じゃあ、ハーケンクロイツとは違いますね」と太鼓判をポンっと押す。
*ちなみに彼は旭日旗のことも、韓国がこれをハーケンクロイツと同一視していることも知らなかった。
いろいろ話をしていると、旭日旗はドイツならハーケンクロイツではなくて「鉄十字」であることが判明。
鉄十字はナチス以前からあるドイツの軍事的シンボルで、すぐれた功績をあげた軍人がこのデザインの勲章を授与される。
人種差別のハーケンクロイツとは正反対で鉄十字は名誉のシンボルだ。
現在のドイツ連邦共和国においても鉄十字章は正式な勲章として佩用が認められている。
上はナチス前の鉄十字勲章で、ヒトラーが政権をとってからはハーケンクロイツのデザインが取り入れられた。
鉄十字に問題はないから、ハーケンクロイツを外せばOK。
アニメ「ストライクウィッチーズ」や「アズールレーン」にも鉄十字のデザインがでてくる。
ということで、「旭日旗はナチスのハーケンクロイツだ」という無知や誤解と出会ったら、「それはドイツなら鉄十字ですよ」と正しい知識を伝えてあげよう。
ソ・ギョンドク氏さん、歴史を勉強したらこんなことが分かりました。
こちらの記事もどうぞ。
ハーケンクロイツ自体は万字と起源が同じスヴァスティカと言う名前で幸運を示すシンボルマークとして
ヨーロッパで使われたました。
なのでナチがデザインしたと取れる文脈は正確ではありません。
https://en.wikipedia.org/wiki/Swastika
NSDAP以前も民族主義団体で使われていた様ですが。
確かに「初めて」の範囲があいまいでしたので、訂正しました。
ご指摘ありがとうございます。