日本の“放射線汚染”:韓国政府の悪意+反日報道=無知な国民

 

このまえソウルにいる韓国人の友人とスカイプで話をしているときに、来年の東京オリンピックが話題にでた。

ことしの日本の夏の暑さはクレイジーの一言。
成田か羽田空港から日本に入ったアメリカ人は、「日本の夏は暑いし湿度が高いから気をつけて!」というカードをもらっている。

 

 

「来年の夏もきっと猛暑になるから、それがオリンピックにどんな影響をあたえるか心配だよ」という話をすると、「日本は本当にオリンピックをするんですか?」と韓国人が言う。
は?
オリンピックの競技をどこでどうやってするかという議論はあるけど、いまになってオリンピックを開催するかどうかという話はありえない。

「何言ってんだこいつ?」と内心思いつつ、なんでそう思うかきいたら、韓国では日本の放射線汚染が大きな問題になっているから本当にやるかどうか確信がもてなかったという。

ちなみに彼は大学で日本について学んでいたから、日本語ができるし理解も深い。
日本製品の不買運動があっても日本旅行をするような、下手したら国内で「親日(=売国奴、裏切り者)」と批判されかねないような日本寄りの韓国人だ。

普通の韓国人より日本を知っているはずの彼が、こんなことを言うから驚いた。
同僚と日本へ出張に行ったときは、ホテルの朝食はとらずに韓国から持ってきた食べ物を食べていた。
昼と夜はレストランで食事をしたけど、お米が放射能に汚染されていないか気になったという。

国内の報道によると韓国だけでなくて、世界各国が日本の放射能汚染を不安視しているというから、日本がオリンピックをやめるかもしれないとわりと本気で思っていたらしい。

 

でもそれは、韓国だけに存在する不思議世界で現実とは関係ない。
韓国政府が世界で放射能汚染の恐怖をあおって、マスコミがそれを助長する報道をしているから、国民もこんな認識になるんだろう。

たとえば韓国の海洋水産部はことし10月、ロンドンで開かれた国際協約総会で福島原発“汚染水”の海洋放出の危険性を世界に訴えた。

ハンギョレ新聞(2019-10-11)

韓国政府のこのような動きは、日本が無責任な態度を示してきた福島汚染水の放出と関連し、国際社会の関心と懸念を引き出したという点で意味がある。

海洋水産部、福島汚染水の危険性を国際社会で本格的に公論化

 

海洋放出というのは汚染水を安全に処理した「処理水」のことだから、「汚染水」という表現はあまりにも一方的でひどい。
でも、韓国側は何度も「汚染水」と言って恐怖感をアピールした。
「汚染水を浄化した処理水であり、事実に基づかない主張だ」と日本側は否定したけど、世界の目にはどう映ったか。
韓国メディアは、「国際社会も我が国の主張に共感し、日本に厳しい目を向けた」という都合のいい報道をしたのだろう。
それなら友人の見方にストレートにつながる。

 

そんな彼に放射線量ならソウルと福島市がほぼ同じで、東京に比べればソウルは3倍以上も高いという事実を伝えると、少し絶句したのち、「ええええええええええええって!」と声を上げる。
異世界をリアルワールドと信じていた人の反応がこれ。
「うそですよね?」と言う彼には、在韓日本大使館が発表している日本と韓国の空間線量率を伝えた。

たとえば12月27日の放射線量はこんな感じ。(単位:μSv/h))

福島市:0.130
いわき市:0.061
東 京:0.037
ソウル:0.119

これを見ても信じられない彼は、韓国の国内機関が発表しているソウルの放射線量を調べ始める。
するとソウルの数値は日本大使館の発表とほぼ同じだったから、これを正しいと認めざるをえなくなる。
「なんで東京はこんなに低いのですか?」ときかれたけど、それはこっちも分からん。
放射線量でソウルが福島市とほぼ同じで、東京の3倍以上だったという事実は韓国人にはあまりに衝撃的だった。
*これはもちろんソウルも福島も安全ということ。

「こんなことは初めて聞きました。これを知ってる韓国人はほとんどいませんし、これを言ったら「ウソにきまってるだろ。おまえは親日か」ってまわりから怒られますよ」と話す。

 

韓国政府は日本の「無責任な態度」や国際社会に放射能の恐怖をあおって、韓国のマスコミもそれに沿った報道を山ほどしていて、こんな基本的な事実を国民に伝えていないのだ。

そんなことを日本政府も知っているのだろう。
このまえ文大統領と会談した安倍首相は、「福島第1原発から排出されている水に含まれる放射性物質の量は韓国の原発の排水の100分の1以下だ」と指摘した。
いまだに福島県の水産物などの輸入を禁止している韓国に、安倍首相は科学的な議論を行うよう求める。
このとき文大統領は反論しなかったという。

くわしいことは産経新聞の記事をどうぞ。(2019.12.28)

首相、文大統領に福島の放射性物質は韓国の「100分の1以下」輸入規制念頭にクギ

ちなみに日本はいま、汚染水を浄化して基準値を下回る処理水にして海に排出している。

 

日本の食べ物に世界が不安になるような放射線汚染はないし、猛暑の不安はあるけどオリンピックは間違いなく開催される。
でも韓国では、政府が安全な処理水を“汚染水”と悪意で言い換えて世界にアピールして、マスコミがそのまま報道するから、国民の頭が反日に染められてしまう。
だから客観的なデータを知ると驚がくする。

韓国人には科学的な事実がよく効くのだ。
問題はそれを素直に聞くかどうか。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

6 件のコメント

  • ソウルと東京で空間放射線量(特定の地面とか対象物とかにでなく、空中に向けて放射線量を測定したときの値)に違いがあるのは、それぞれの都市が乗っかっている岩盤に違いがあるからです。韓国(朝鮮半島)はユーラシア大陸から張り出した花崗岩でできた比較的安定した岩盤の上に乗っているのですが、この花崗岩が、放射性物質を(日本の一般的な地盤に比べて)割合に高く含有しているため、どうしても環境の自然放射線量が高くなってしまうのです。
    ソウルは東京のだいたい3倍くらい、南米ボリビアのラパス周辺(だったか?もしかするとブラジルのどこかだったかも?)だと10倍くらいの数値です。
    それと、韓国での自然放射線の特徴として、地下から湧出する「ラドンガス」が、その岩盤の影響を受けてやはり放射線量として日本よりもかなり高い値を示します。ラドンガスの放射線については、ヨーロッパや北米大陸でも同様に注意がなされています。日本であまり問題にならないのは、おそらく、岩盤からの放射線量が元々少ないのと、日本の民家では(’米国のように)地下室をあまり作らないこと、石造の住宅が少ないことなどが関係しているのだろうと思われます。

  • それともう一つ。
    >安倍首相は文大統領に「福島第1原発から排出されている水に含まれる放射性物質の量は韓国の原発の排水の100分の1以下だ」と指摘した。
    のは、原発から排出される水に含まれる放射性トリチウム水のことですね。通常の水がH2O(水素原子2個+酸素原子1個)であるのに対し、トリチウム水は、HTO(水素原子1個+トリチウム原子1個+酸素原子1個)です。このトリチウム(三重水素)は水素の同位体で、通常の水素原子HがP(陽子、+)とe(電子、ー)で構成されているのに対し、トリチウムは、Hの原子核PにさらにN(中性子)が2個くっついた形です。
    日本の原発では建物周囲の地下に「サブドレン」と呼ばれる地下排水溝が設けてあって、その各所に配した井戸から排水をいったん汲み上げ、その水の中から放射性トリチウム水を除去処理して放射能を低減してから環境へ放出しています。
    韓国の原発については仕組みをよく知りませんが、おそらく、この「サブドレンからの汲み上げ・浄化処理システム」が備わってないんじゃないですか?

  • 食料持ってきたんだ! じゃあ宮城県で行われる試合に行く選手には地元の韓国レストランを使うって言ってたけどそのレストランには韓国政府から韓国食材が送られるってことなのか? 大変そうですね。
    韓国ががんばって不安をあおったのにIOCはそれより日本の暑さの心配です。
    IOCも当然放射線量の調査済みでなんでしょう。
    韓国政府は嘘っぱち言ってるんだから選手に被爆して来いっていってるようなものだと思うけど。
    選手には被爆の心配はないと言っているのでしょうか。
    で、国民は何で声をあげないの? 「選手団の命を守れ!」って。
    ほんとに支離滅裂な国ですね(笑)

  • すごいですね。
    私には専門外すぎてよくわかりません。
    ただ東京が低いのではなくて、海外の他の国でも同じぐらいのレベルですね。
    ソウルも安全値ではありますけど、高いほうです。

  • これも専門外なのでわかりません。
    ただ韓国で流れるニュースと国民の見方は日本とぜんぜん違うのは、今回の友人の話からよくわかりました。よ

  • ボクも食べ物持参には驚きました。
    まあ向こうはソウルのほうが東京より3倍“危ない”ということに驚いてましたけど。
    オリンピック参加選手にも韓国から食べ物を持ってくるというニュースを見たとき、ただの嫌がらせと思いましたが、
    国民は本気で心配している気がします。
    放射能で騒いでいるのは韓国だけなのに。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。