【いまの日韓関係】甘えを許さない日本 vs 怒りと不満の韓国

 

いま韓国はとても怒っている。
停滞する韓日関係の改善ついて、さいきん日本の外務省関係者と食事をした韓国政界の有力者はこう言う。

「とても腹が立ち、あきれて食べていた物を彼の顔に浴びせてしまうところだった」

目の前の相手に食べ物を投げつける寸前だった!
ドラマだと彼氏から浮気を告白された女性にありそう。
そんな韓国人の怒りを知る前に、日韓関係の現状を確認しておこう。

 

いまの両国関係は、ひかえめに言って戦後最悪。
ただその責任は原因を作った側、韓国にあるのは明らかだ。

日本からばく大な経済支援金を受け取って解決を確認したはずの元徴用工問題を、いまになって蒸し返して、日本からまたお金を取ろうとうする。
2018年に韓国最高裁が日韓請求権をひっくり返して、日本企業に賠償を命じた判決がそれ。
国家間の合意を一方の国が国内法で否定するのは国際法違反で、法を守らない国との話し合いは不可能だ。
話をして合意にこぎつけても、いつかまた破られるかもしれないから。

さらに韓国政府がこの違反状態を放置してきたことで、日韓関係に毒がまわってしまい、いまは息も絶え絶えという状態だ。
だから関係を改善させる方法は韓国が合意を守る、その一択しかない。
例えば韓国の政府と企業でお金を出し合って、原告側にわたすのもいい。
とにかく韓国の国内問題は韓国の力で解決しないといけない。

 

そんな韓日関係の改善について、韓国政界の有力者が外務省関係者にたずねたところ、こう言われたという。

「韓国と日本がともに何をどのようにするのかを日本に問わず、韓国側が方法を見つけこいというのが日本政府の立場」

「見つけこい」なんて言ったとは思えないけど、この件については、お金を受け取って約束を破った韓国が悪い。
だから一緒に解決策を考えるというのは筋違いで、それは韓国ムン政権の仕事だ。

 

また、昨年おこなわれたシンポジウムで日本政府関係者が言った言葉に、韓国の中堅ジャーナリストが不満を感じたという。

政府関係者は請求権協定や当時の交渉記録を確認した結果、元徴用工問題に関して「いかなる主張も展開できないということはあまりに明白だ」と言う。
これはそういう約束だったから、日本も新しい主張はできない。
くわしいことは外務大臣談話をどうぞ。

国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており,いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており,これまでの日韓関係の基礎となってきました。

大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について

 

また最高裁の判決に対して韓国政府が「三権分立」をくり返してまともに対応しないことについて、関係者は「あくまでもそれは国内事情でお家事情だ」と言う。
これは韓国の国内問題というのは明白だから、この言葉はそれを指摘したまで。

そして、「(徴用問題解決に向けた)行動は韓国政府が韓国国内ですること。国際法違反状況を是正する解決策を持ってくることを毎日毎日祈っている」と言った。

突き放した言い方だけど、問題は起こした側に韓解決する責任がある。
日韓請求権には、「請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており,いかなる主張もすることはできない」と明記されているのだから、いまになってこれが問題になることがそもそもおかしい。

ただ韓国側はこれに不満で、「法的な問題を超えて問題解決に向け乗り出すのが外交官ではないのか」という。
韓国なら国民情緒にしたがって法を超えられるけど、日本はそうじゃない。
法を超えるにも法的根拠が必要で、そもそもそれを超えて日本が韓国に尽くす義理はない。
これは甘えかふぬけ。

冷たいようだが、

 

これら日本政府関係者の意見は安倍政権とまったく同じということで、韓国紙の中央日報は、官僚は安倍首相を忖度するだけの「ホモ・ソンタクス」という。(2020.02.03)
*「ホモ・サピエンス」と「忖度」の造語

国民から「ホモ・ソンタクス」という批判があふれても官僚らは目をしっかりと閉じ盲目的な忠誠を誓うのは首相官邸が握る人事権が恐ろしいためだ。

安倍首相に取り入ろうとする日本の官僚ら…彼らは「ホモ・ソンタクス」

 

日本国民から「ホモ・ソンタクス」という批判があふれてる?

その日本がどこの世界線にあるのか知らないけど、現実にある日本では最近、こんな世論調査の結果が出た。

日本経済新聞の記事(2019/12/22)

日韓関係に関しては「日本が譲歩するぐらいなら関係改善を急ぐ必要はない」が70%、「関係改善のためには日本が譲歩することもやむを得ない」は20%だった。

内閣支持率横ばいの50% 日経世論調査

 

韓国に妥協するべきではない、というのがほとんどの日本国民の意思で、70%は政権支持率を超えている。
これから考えたら、「韓国側が解決策を示して、国際法違反を是正するべき。日本はそれを待っている」という官僚の態度は政権への忖度ではなくて、国民の声を代弁したものだ。

 

自分たちの責任を日本に押し付けようとするのだから、「とても腹が立ち、あきれて食べていた物を彼の顔に浴びせてしまうところだった」という怒りはむしろ日本ものだった。

「日本の官僚はアベのホモ・ソンタクスだ」なんて全国紙がバカにしたところで、韓日関係は何も動かない。
もうすぐ日本企業の財産が現金化されると言われているのに、韓国側はいまでも、日本が思い通りに動かないことに怒って不満を言うだけ。
法を超えて助けろと言うのはやめて、韓国は知恵をしぼって汗をかくときだ。

 

 

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2 件のコメント

  • 別に、韓国側が関係改善する意思がないなら、日本も特に求めることはないのでは。
    冷え切った関係でも構わないと思います。日本の企業に不法な判決を押し付けて金を奪うというなら、それ相応の報復措置を取るだけのこと。
    困るのは、韓国市場で利益を得ている企業とか、韓国からの観光客で潤っていた観光地なのでしょうが、あきらめてもらうしかないですね。そのような「カントリー・リスク」は最初から覚悟しておくべきだった。
    現在のように利害が対立することも多いということが明らかにした状態こそ、真の友好関係に踏み出す第一歩じゃないですか。何でも笑って許して誤魔化すのが「大人の対応」だからいいってもんじゃない。
    韓国は日本に甘えるな、タカルな、喧嘩を売るな。歴史認識などと言う自国の問題は自国で解決せよ。
    国際法に従って問題を解決するのが外交官の役割だ。

  • 価値観や考え方が違うからこそ、公平に法律に基づいて解決しないといけません。
    でも、日本が韓国に譲歩するべきという声も多いのはたしかです。
    朝日・毎日・東京新聞などはよくそう書いています。
    こういう意見を支持する勢力が日本にもあります。
    日本の国内問題はこのへんですね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。