「約束したけど守らない」という人の相手をするのは大変だ。
時間かけて何度も話し合って合意にたどり着いても、行動に移してくれなかったら意味がない。
こちらはもう履行したから「今度はそちらの番です。しっかり約束を守ってくださいね」と言っても相手はまったく動かず、それどころか開き直って逆ギレする。
ムン政権の韓国がまさにそんな状態で、日本が約束の遂行を求めると、「こちらを屈服させるつもりか?」と怒りだす。
日韓最大の外交問題だった慰安婦問題は2015年12月の日韓合意で解決した。
といってもこれは日本と韓国の間でのことで、韓国国内での問題は韓国が解決する必要がある。
日本は韓国側の要求を受け入れて、10億円をわたして安倍首相が心からのお詫びの気持ちを表明した。
慰安婦合意で約束したことを日本はすべて実行した。
今度は韓国の番で、ソウルの日本大使館前にある慰安婦像を撤去しないといけないのだけど、1年たっても韓国政府は何もしない。
それで2017年に安倍首相がテレビ番組でこう言った。
「一昨年末の慰安婦合意は、最終的かつ不可逆的な合意だと互いに確認した。日本は誠実に自分の義務を実行し10億円の拠出を既に行った。次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」
まったくその通りで、もらうものをもらって約束を守らないというのはおかしい。
日本と同じように韓国も義務を実行するべきだ。
安倍首相はつづけてこうも言う。
「政権が代わろうとも実行することが国の信用の問題だ」
これもその通り。
慰安婦合意は国と国が結んだものだから、政権が代わっても約束を守る義務は消えない。
「その契約は前の担当者がしたものです。私たちは知りません」と平気で合意をひっくり返す会社はつぶれてしまえ。
でも、安倍首相が合意の履行を求めたところ、韓国側が怒り出した。
ムン政権の立場に近いハンギョレ新聞はこう書く。(2017.01.09)
安倍首相がこうした立場を固守するならば、次期韓国政権は、12・28合意を破棄した後に日本と全面的な“外交戦争”を行うか、日本の要求に屈服して平和碑(少女像)を撤去するかという両極端以外に折衝的な選択肢を見つけられないことになる。
[ニュース分析]「屈服か、外交戦争か」二者択一を強要する日本
日本との約束を守ることが韓国では「屈服」になってしまう。
ムン政権もこれに近い考え方をして開き直っているから、いまだに合意を履行しなくても白昼堂々と表を歩けるのだろう。
慰安婦合意を結んだパククネ前政権だったら、こんなゆがんだ理解はしなかったと希望をもって思う。
「政権が代わっても実行してほしい」と求める安倍首相にハンギョレ新聞は、「合意の当事者である朴槿恵(パク・クネ)政権を越えて韓国の次期政府にまで合意履行を慫慂した」と書く。
慫慂(しょうよう)するというのは相手の行動を促すことで、国として約束したことはその後の政権も守らないといけないのは世界の当たり前。
でも常識を求めると、「屈服を要求された!これでは全面的な“外交戦争”しかない」とこの世のものとは思えない発想をする国もあるのだ。
これでは被害者と加害者が入れ替わっている。
「約束したけど守らない」という人の相手をするのは本当に大変だ。
慰安婦合意につづいて、韓国ムン政権は1965年の請求権協定も裏切るようだ。
中央日報の記事(2020.02.06)
韓国外交長官「日本企業の資産の現金化、政府の介入は不可能」
徴用工訴訟で韓国最高裁は上の合意をひっくり返して日本企業へ賠償を命じた。
国家間の合意を一方の国が国内法で否定するのは国際法違反で、韓国は世界の法秩序を否定したことになる。
この判決によって差し押さえれている日本企業の資産が、今春にも現金化される可能性が高まっている。
そんなことになったら、日韓関係は“崩壊”といっていいほどに終わってしまう。
だから少しでも両国関係を大事に考えるなら、現金化だけは避けないといけないのだけど、ムン政権はその責任を放棄して「政府が(現金化)時点を遅らせたり先延ばししたりすることもできない」とまたも開き直った。
そして、「現金化が進行すれば、それ以前と以後の交渉戦略と対応は明確に変わらなければいけない」と言う。
この言葉の意味は時事通信の記事(2020/02/06)を見ればわかる。
原告側は今年上半期中にもこれら企業の資産を裁判所が売却する見通しを示している。康氏は韓国政府の従来の立場を繰り返した形だが、資産売却が迫る中、日本側の譲歩を促す狙いもありそうだ。
資産売却「政府介入できず」=元徴用工訴訟で韓国外相
タイムリミットが近づいても、韓国政府は合意を守る気はない。
日本にゆずらせて問題解決を図ろうとするのだ。
もうすぐ選挙があるから、政府としては日本に弱腰の態度を国民に見せるわけにはいかない。
そんな事情の他にも、「日本は約束を守った。今度は韓国の番だ」と求めると、「『屈服か、外交戦争か』二者択一を強要する日本」と自分を被害者にする甘えが政権内にあるのだろう。
この甘えはジョーカーと同じで、これを主張すればどんな状況でも開き直って相手を加害者として攻撃するできる。
ねじ曲がった解釈の根底にはゆがんだ見方がある。
日本の輸出管理強化を「韓国への経済侵略だ」と曲解して非難した背景にもこれがあるはず。
とはいえ光もある。
すべての韓国人がこんな考え方をしているわけではなくて、行きすぎた被害者感情や独善的な反日史観から卒業して、対等で正しい韓日関係の構築を訴える韓国人もいるのは事実だ。
くわしいことは「反日種族主義」を読んでほしい。
こちらの記事もどうぞ。
お久しぶりです。
「反日種族主義」は読みましたが、タイトルにも反日が明記されるので、日韓の外交問題を論じた本と捉えがちです。
副題が韓国では、韓国政治の危機(だっはず)ように、韓国人の反日情緒の欺瞞とダブルスタンダードを指摘する内容です。
個人的には、韓国人の国民観を表現した種族の定義(檀君を始祖とした血縁主義)と、彼等が領土を身体の一部と捉える感覚の説明は、韓国人の情緒を理解するのにもってこいかと。
日本人には存在しない感覚なのですが、他国の方々ってどのように感じてるのかは気になる所です。
光はないですよ。
韓国の反日教に異議を唱えれば社会的に抹殺されるだけです。
少し前、韓国の高校生が反日の強要を暴露してどうなったかを見ればわかります。反日種族主義を書いた著者たちも韓国での扱いはひどいものです。
> すべての韓国人がこんな考え方をしているわけではなくて、行きすぎた被害者感情や独善的な反日史観から卒業して、対等で正しい韓日関係の構築を訴える韓国人もいるのは事実だ。
ブログ主のその言明もほとんどウソだと思いますね。
すべての韓国人がこんな考え方をしているわけではないけれども、多数派の韓国人はこういう考え方をしているというのが実態だ。行きすぎた被害者感情や独善的な反日史観から卒業して、対等で正しい韓日関係の構築を訴える韓国人もいるにはいるが、決定的に少数派であるというのが事実だ。
不必要な忖度はやめましょう。間違った態度を取る国民には、その間違いをしっかり指摘して、行動を正させる必要があると思います。そのような考え方の元にこそ真の友好関係を築く糸口があると考えます。
〇第二十六条(「合意は守られなければならない」) 効力を有するすべての条約は、当事国を拘束し、当事国は、これらの条約を誠実に履行しなければならない。
〇第二十七条(国内法と条約の遵守) 当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない。
以上、条約法に関するウィーン条約より
お久しぶりですね。
やっぱり韓国人が書いた歴史認識や韓国論は説得力があります。
ただ残念ながら、日韓以外の外国人はほとんど興味がないとおもいます。
主観は人によってちがいます。
消えてはいませんが光は見えます。
反日史観に抵抗する人はたしかにいるので支援したいところです。