旧約聖書に由来する「エクソダス」という言葉は世界中で有名で、小説のタイトルやヘヴィメタルのバンド名に採用されたり、日本では宇多田ヒカルさんのアルバムタイトルでも使われている。
アニメ好きなら『SHIROBAKO』の「えくそだすっ!」が頭に浮かぶはずだ。
エクソダスとは旧約聖書にある3000年以上まえの出来事で、エジプトで奴隷状態にされていたイスラエル人を神の命令によってモーゼが脱出させたというもの。
山を越え砂漠を越え、40年間も放浪して、モーゼに導かれたイスラエル人たちはついに約束の地「カナン」にたどり着いたといわれる。
聖書に書かれたこのエジプト脱走がエクソダスで、そこからたくさんの外国人が国外へ脱出することを指す言葉にもなった。
モーゼ
お隣の韓国でもいま壮絶なエクソダスが始まっている。
最低賃金を大きく引き上げたことから、韓国には不法就労の外国人が急増して、2018年の9月には違法滞在者の数は34万4589人と一年前の25万1041人に比べて10万人近く増えた。
韓国側はこれを問題視して取り締まりに力を入れていたけど、もうその心配や労力は必要なさそうだ。
中央日報の記事(2020.03.05)
先週の不法滞在外国人の自主出国申告が5000件に達することが明らかになった。前月比4~5倍に達する数値だ。
新型肺炎で「韓国離れたい」という不法滞在者、1週間で5306人
いま韓国は新型コロナウイルスの感染拡大が世界で最も深刻な国と言っていい状態で、感染症危機警報が「深刻」段階に引き上げられたころから、不法滞在の外国人による韓国脱出が相次いでいる。
もともと金が目的で韓国への愛着なんてかけらもない、損得で動く人たちだからこれは当然の流れだ。
果たしてこのエクソダスを見て、韓国人が感じるのは喜びか末期か。
日本ではこんな脱出劇は聞いたことないから、感染拡大はまだ抑えられているのだろう。
この話には続きがある。
出国したいけど、いまの韓国ではそれもむずかしくなっている。
済州島では数百人の中国人不法滞在者が中国総領事館に押し寄せて、「中国行きの航空便を再び運航してほしい」と叫ぶ騒動になった。
朝鮮日報の記事(2020/03/07)
これら不法滞在者たちは「自主出国申告までしたが、フライトがないため中国に戻れない」と対策を講じるよう訴えた。
不法滞在の中国人約200人「出国航空便を出せ」
違法に働いて、困ったときには何とかしろと騒ぎ出す。
それが不法滞在者というバカども。
A final chance to evacuate from the COVID19 red zone. People rush to catch the last trains leaving Lombardy after government declared the quarantine and lockdown of 16 million people in Northern Italy. The mandatory quarantine will last until early April. pic.twitter.com/9m5Sf7nuhH
— Max Howroute (@howroute) March 8, 2020
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なイタリアで北部の封鎖が決定。
その前に脱出しようと列車に駆け込む人々。
これもひとつのエクソダス。
おまけ
歴史上、有名なエクソダス(脱出)に、ベトナム戦争末期(1975年)におこなわれた米軍によるフリークエント・ウィンド作戦がある。
北ベトナムによって首都サイゴンが落とされる直前、命の危険があったアメリカ市民や南ベトナム市民など数千人を脱出させた。
脱出にあたって、アメリカ海軍の航空母艦が、艦上にあまりに多数の南ベトナムのヘリを収容したため、新たな機体を着艦させる余地を空けるため、多数のヘリを南シナ海に投棄せざるをえなかった。
米軍の空母に収容される南ベトナム市民
海へ落とされる米軍ヘリコプター
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>違法に働いて、困ったときには何とかしろと騒ぎ出す。それが不法滞在者というバカども。
確かに、正論ではその通りなのですが。国境が海で囲まれ、実質的に単一民族で構成された、民族・文化の分布が国家の範囲と完全に一致している日本人だからこそ、そのように確信・断言できるのだということを忘れない方がいいと思います。日本はたまたま運が良かっただけ。
地続きの広大な大陸に多くの民族が複雑に分布し、その分布の境界が必ずしも国境とは一致せず、その国の指導的立場にある民族が必ずしも国内の主流は民族とは一致しない、民族間の対立も単なる感情的なものから武力行使を伴うものまで日常茶飯事、そんな複雑な事情を抱えた国の方が世界には圧倒的に多いのです。そういう複雑な民族関係を有する国の不法滞在者、不法移民、あるいは経済難民などの問題について、その背景事情を実感し、問題の実情を正確に把握することは、おそらく、日本人にはできないことでしょう。