最近はあまり飲まなくなったけど、小学生のころは給食ででてくると小躍りしたヤクルト。
このたび韓国のヤクルトが新製品を販売するそうで、全国紙の朝鮮日報が記事(2020/03/10)で伝えている。
「それは飲んでみたい!」と思ったけど、「キムチから分離した韓国独自の乳酸菌」ということなので微妙。
ワサビコーラのある国の人間が言うのもなんだけど、キムチとヤクルトの組み合わせはあまり食欲(飲欲?)がわきません。
まあそれはいいけど、上の朝鮮日報は短い記事の中で韓国の独自性を強くアピールしていて、他にも「1969年の創業以来初めて、独自開発した乳酸菌」と書いてある。
逆に言えばいままで50年以上、独自開発した乳酸菌はなかったということだ。
だから今回の韓国独自の乳酸菌は初の”快挙”となる。
その思いは記事を読めば伝わってくる。
韓国ヤクルトは外国から持ち込んだ乳酸菌を土台に1971年に最初の製品を発売した。「韓国にも韓国だけの菌がなくてはならない」とする創業者、尹徳炳(ユン・ドクピョン)会長の要求で、同社は95年に韓国で初めて乳酸菌の国産化を達成した。当時韓国ヤクルトの社員らは「乳酸菌独立万歳」を叫んだという。
韓国ヤクルト、国産乳酸菌を初めて外部に販売
上の文章と韓国にくわしいジャーナリスト・黒田勝弘氏の文章を読み比べてほしい。
「ヤクルト」は一九七〇年代初めに日米合弁会社として韓国で生産を始めた。韓国では初めての乳酸菌飲料の市販だったが、ヤクルトのヤクが「薬(韓国語でもヤク)」に通じ、さらに国籍不明(?)のネーミングだったことも功を奏し、たちまち韓国社会に定着した。最も成功した日韓合弁企業の一つといわれるが、ヤクルトを‘日本商品’と知っている韓国人は少ない。
「‘日本離れ’できない韓国 ( 文春新書) 黒田勝弘」
*「ヤクルト」という名称は、ヨーグルトという意味のエスペラント語「ヤフルト」をもとにつくった造語。
ヤクルトの歴史は1930年(昭和5年)に、京都帝国大学医学部の医学博士が乳酸菌の一種の強化・培養に成功したことからはじまる。
ヤクルトは完全な日本企業で、「外国から持ち込んだ乳酸菌」というのはもちろん日本の乳酸菌のこと。
「韓国にも韓国だけの菌がなくてはならない」と創業者は言ったらしいけど、韓国ヤクルトは「最も成功した日韓合弁企業」なのだから”創業者”というと、まるでこの人ひとりがはじめたような誤解をしてしまいそうだ。
95年に韓国ヤクルトの社員が叫んだ「乳酸菌独立万歳」は、日本からの独立と考えて間違いない。
そして2020年のいま、「1969年の創業以来初めて、独自開発した乳酸菌」が登場して、日本からの”完全独立”が達成されたというところか。
韓国紙がほめたたえるのはいいけど、「韓国独自」を強調する記事の中に「日本」はまったくで出てこないし、「外国から持ち込んだ」で済ませているのは残念。
これが韓国のメディアや政治家がよくやる”日本隠し”だ。
黒田氏が「ヤクルトを‘日本商品’と知っている韓国人は少ない」と書いていたから、知人の韓国人にこれを聞いたら、「え?ヤクルトは日本の会社だったのですか」と目を丸くする。
韓国では、「よく使うけど実は日本企業の製品」というモノがたくさんあって、きょねん日本製品の不買運動をしたときに「これも日本製だったの!」と驚く韓国人が多くてアキレタ。
「隠れキリシタン」がバレたような不思議な騒ぎが起きていた。
真実を知ると戸惑うというのは、政治家やメディア、韓国企業による長年の「日本隠し」のたまものだ。
「日本のお世話になりつつ、国民には気づかせない」という態度は2年前の平昌五輪のときにもあった。
韓国紙の中央日報は「平昌五輪も開催国の技術水準と文化水準を思う存分発揮する機会だ」と語るのだけど、冬季五輪で特に注目されるフィギュアスケートとアイスホッケーが行われるリンクの製氷作業を日本企業にお願いしたことは一切報じない。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
今回、キムチから分離してつくった乳酸菌というのは、きっと日本ではマネできない発想だ。
でも不自然なほど「韓国独自」を強調すると、いままでの「依存」が気になる。
これまでは独自じゃなかったことに気づいてしまうではないか。
朝鮮日報の記事を読むと、「日本」という言葉はどうしても使いたくないのだなとしか思えない。
そういえばヤクルトは、韓国政府に指定された(根拠不明の)“戦犯企業”じゃないのだろうか?
韓国には、「日本のお世話になっているからこそ、国民や消費者には伝えない」という二重基準の「日本隠し」から早く卒業してほしいもんだ。
でも、「乳酸菌独立万歳」という言葉はちょっと好き。
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日本が開発した乳酸菌R-1はインフルエンザや風邪予防に効果的と言われています。
実際に受験生にだけ飲ませていた人から効果あったと思うと聞いています。
キムチって唐辛子と乳酸菌とニンニクが入っていてとても身体にいいイメージがあります。
最近韓国ではキムチあまりたべないのでしょうか? えらい蔓延してますよね。
ということは~キムチ乳酸菌はお肌にいいのかなぁ。 韓国芸能人お肌がきれいですもんね。
それにしても日本ではいろんな乳酸菌が開発されていますが韓国はそういう開発はあまりしないんですね。
50年かかってやっと?って感じです。
「乳酸菌独立万歳」ですか!どわはははは。まあ、韓国人が「日本隠し」をやめられるようにもしもなったら、ノーベル賞を受賞する人も現れるでしょう。つまり事実から目をそらさずに現象を追求すること、その姿勢があって初めて理数系の学問は成果を達成できるのですから。
それにしても、「ヤクルト」がエスペラント語に基づく造語であるとは初めて知りました。ただなぁ・・・。今となってはその「エスペラント語」そのものが、一体どこの言葉であるのか? 特に若い人には説明がないと理解できないでしょうね。
世界においてかつてエスペラント語が目指していた役割は、インターネットの普及によって、現代では完全に英語が取って変わろうとしているように感じます。今後の記事に期待です。
キムチから乳酸菌という発想はさすが韓国です。
でもこれは日本にはやってこないでしょうね。
独自性や独立という言葉があると、「じゃあいままでは?」という発想になってお寒い現実が見えてきます。
この発想と言葉は韓国ならではですよ。他じゃマネできない。
エスペラント語はもう聞きませんね。
世界共通語という考え方はいいですけど、民族性は大事ですから普及しないのでしょう。
>民族性は大事ですから(エスペラント語は)普及しないのでしょう。
そうじゃないと思いますよ。結局、言語・文化が世界に普及していくのは、文明・経済の力に裏付けられてのことなんです。大英帝国が世界にアングロ・サクソン文化を広め、それを受け継いだ米国は近代文明と軍事力・経済力によってその傾向をさらに推し進め、最近ではインターネットによって、英語文化を世界中に拡大(と言うかある意味では「強制」)しているのです。
私が子供だった数十年前に比べて、今では圧倒的に、英語教育の必要性が叫ばれるようになってきました。また、今や理数系の研究者・技術者で英語をある程度まで使いこなせないような人材は、しょせん「日本ローカル」の二流の人材であるとみなされてしまう傾向にあります。あのCM「英語は地球語」が流れていた時代よりもはるかに現在はそうなりつつあるのです。昔と違って、今ではフランス人でも英語を必要に応じて使います(特にNETの上では)。カナダのケベック人も同様です。また現在のEU共通語は、実質的に英語です(当事国が近々脱退するというのに!)。日本のTVニュースで英語のコメントがそのまま流れる機会も増えました。
ノーベル賞受賞者でありながら英語が不得手であることを授賞式で公言した益川教授のような人は、おそらく、今後の日本では現れることはないでしょう。
そして英語の普及に伴ってエスペラント語は不要なものとされていく。残念ですが、地球の未来は、旧ソ連のSF作家イワン・エフレーモフが描いた理想のようではなく、「スター・トレック」やアシモフ「銀河帝国」のように英語を話す人々で占められるようになりそうですね。
民族性を持ち出したのは、旧ソ連のことが頭にあったからです。
冷戦時代、ソビエト連邦にいる人間は共産党を支持する国民だけ、といった意味で「ソ連に民族問題はない」という言説がありました。
でもソ連が崩壊すると、いくつもの国が独立しました。
ソ連の支配でも民族性は消えません。エスペラント語が普及しなかったのも、これと関係があるように思いました。