アメリカ人が衝撃、青森にある「キリストが住んでいた村」

 

日本に15年ぐらい住んでいて、「もう日本で驚くこともなくなった」というアメリカ人をビックリさせることがあって、最近彼からこんなメールがきた。

「Did you know there’s a town in Aomori that believes Jesus Christ lived in Japan?!!」
知ってたか?青森県にイエス=キリストが住んでいたと言われる村がある?!!

それは前から知ってた。
新郷村(しんごうむら)のことで、知る人ぞ知るミステリースポットというか観光地だ。

 

歴史上、キリスト教の創始者であるイエス=キリストは約2000年前、エルサレムにあるゴルゴダの丘で処刑された。
4世紀にローマ帝国皇帝コンスタンティヌス1世が建てた聖墳墓教会がいまもエルサレムにある。

 

聖墳墓教会
こっちがガチのお墓

 

…という説は実は間違いだった。
ゴルゴダの丘で処刑されたのはキリストの弟イスキリで、キリスト本人は日本まで逃げてきて青森の新郷村にたどり着いたあと、106歳で亡くなるまでここで生活していたのだ。
…という説が1930年代にできた。

くわしいことは新郷村のホームページで確認されたし。

新郷村にはいくつかのミステリーがあります。戸来(へらい)はヘブライからくるという説。父親をアヤまたはダダ、母親をアパまたはガガということ。子供を初めて野外に出すとき額に墨で十字を書くこと。

キリストの墓

 

この村には「キリストのお墓」があって、村の名所になっている。
いまはもう村おこしのひとつで、これを目玉に観光客を誘致して、キリストにちなんだみやげ物を販売しているとか。
ここの「キリストラーメン」はわりと有名らしい。

 

キリストの墓
十字架が建てられていてそれっぽいけど、実は村民のお墓らしい。

 

東洋の島国で勝手にこんなことをやったら、本家は激おこじゃないか?
と思いきや、2004年の第41回キリスト祭にイスラエル駐日大使が参加して、記念にエルサレム・ストーンを贈っているから、この伝説をわりと楽しんじゃってるようだ。
ローマ法王が来たら新郷村に来たら、町おこしが伝説になるのだけど。

 

エルサレム・ストーン

 

キリスト祭は毎年6月の第一日曜日に行われていて、村の神社の神職が祝詞を唱えたあと、参加者が玉ぐしをささげるという日本ならではのデタラメ。

これがその様子

 

神道の儀式がとどこおりなく終わると、紫の着物を着た女性が「ナニャドヤラ」という盆踊りをしてキリストの霊を慰める。

ちなみに歌詞はこんなもの

ナニャド ナサレテ ナニャドヤラ
ナニャドヤレ ナサレデ ノーオ ナニャドヤレ
ナニャドヤラヨー ナニャド ナサレテ サーエ ナニャド ヤラヨー
ナニャド ナサレテ ナニャドヤラ ナニャド

ナニャドヤラは青森県南部に伝わる盆踊りで、語源は不明だけどキリスト伝説にからめてヘブライ語に由来するという説もある。
日本が今日も平和でよかった。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。