「日本人は白人に弱いですよね」
そんな話をこれまで外国人から何度か聞いたことがある。
例えば黒人のアメリカ人女性は白人の女性や男性と一緒にいるとき、日本人の反応や食いつきがどうも違うと言う。
「食いつき」というのは、連絡先を聞いてその後にメッセージを送ったりすることで、日本人は黒人の自分にはそれが積極的ではない。
と、本人が感じただけのことで、実際のところ「白さ」が理由かは分からない。
他にも外国人が自転車に乗っていると、肌の色によって、警察官から職務質問を受ける割合がちがうという話を聞いたこともある。
同じタイ人でも、中国系で肌が白いタイ人の場合は警官に呼び止められる回数が少ないけど、褐色(浅黒い)タイ人はよく警官から「ちょっと君、」と言われて自転車の所有者をチェックされるという。
これを聞いたときにはこの2人とインドネシア人がいて、みんな「日本人は肌の色で外国人への反応がちがう」と口をそろえて言っていた。
肌の色と職質に因果関係があるのか?
ボクには謎だけど、日本での生活経験から彼らはそんな実感を持っていた。
でも彼らはこれを差別とは思っていない。
というのは、タイやインドネシアには日本以上の「美白崇拝」があって、肌が白い人はもてるし、白い肌にあこがれる人は多いから。
だから(良いことではないけど)、肌の色によって対応がちがうのは仕方がない、というとらえ方をしていた。
中国系やマレー系などいろいろな民族が住んでいるマレーシア
肌の色や背景がちがっていても、協力し合うことが成功のカギ
果たして日本人は白人に弱いのか?
個人的には、「そんなことはない。ただの都市伝説だ」と真っ向から否定できる自信がない。
たしかにそういう傾向があるような気はするし、最近あまり聞かなくなったけど「白人コンプレックス」という言葉もある。
少し前まで、化粧品のモデルは美白で金髪、長身の白人女性がよく使われていた。
くわしいことはここをクリック。
「白人コンプレックス」という感性が日本に存在する歴史的要因は、明治政府が推し進めた欧化主義、第二次世界大戦の敗戦とアメリカの占領軍(GHQ)による思想教育やアメリカ人との交流が市民レベルで増えたことによる風俗の変化などが主な要因として挙げられている。
欧米の白人の見た目やライフスタイルなどにあこがれる「白人コンプレックス」は東南アジアにもある。
10年ぐらい前のことだけど、タイ、インドネシア、ミャンマーを旅行しているとき、「美」に関する商品のテレビCMでは欧米の白人がよく登場していた。
日本の場合、劣等感(コンプレックス)から欧米への完全降伏となって、西洋の基準を絶対視して日本を「遅れている」と批判する日本人も少し前はたくさんいた。
その反動から和へ回帰する人が増えたせいか、ここ数年は日本のらしさや良さを伝えるテレビ番組が多くなった。
さらに欧米人に堂々と言い返す頼もしい日本人の話も聞く。
次回、そんな日本人を5人紹介しようと思う。
こちらの記事もどうぞ。
コメントを残す