読者を喜ばすテクニック、韓国メディアは日本をこう使う

 

お隣の韓国は1948年の建国以来、日本が気になって仕方ない。

日本についてのニュースには国民の大きな関心が集まるから、ハンギョレ新聞を見ると、国際社会は日本とそれ以外に分けられている。

 

 

中央日報でも日本に関するニュースのために、独立した項目が作られている。

 

朝鮮日報の場合は、日本との関係がアメリカや中国の上にきている。

 

ハンギョレ、中央日報、朝鮮日報は韓国の代表的な全国紙で、これらを読むと韓国国民の価値観や考え方、興味のありようが見えてくる。
すると、韓国の読者がこんな見出しに食いつくことは簡単に想像できるのだ。

中央日報(2020.04.09)

「日本もう滅茶苦茶、安倍氏の宣言は手遅れ」…「東京崩壊」警告も

*これは新型コロナウイルの感染拡大を受けて、安倍首相が緊急事態宣言をだしたことについての記事。

 

読者の読みたい文を提供するのも新聞の役割のひとつだから、韓国紙の報道では、一見関係ないことでも日本を強引に登場させることがよくある。

例えば、1400年前の仏像の修復が終わったことを伝える600文字ほどの短い記事の中で、なぜか古代の韓国(百済)が日本に文化的影響をあたえたとか、16世紀の朝鮮出兵で日本軍の将軍がひどいことをしたといった文章を挿入してくる。

くわしいことはこの記事を。

韓国の報道:日本を持ち出して、優越感や被害者感情を刺激する

 

内容の根拠はあいまいで、事実かどうかはギャンブルだけど、日本への優越感や国民の被害者感情を刺激するような文章を書くのは韓国メディアのよくやること、常とう手段だ。
新聞も一種のサービス業だから、消費者が欲しいものを提供しないとライバル紙との競争に勝てないのだろう。

それでも韓国で起きた大規模なネット性犯罪、性搾取事件に日本をからめて報道するのはやめてほしかった。
これは名誉毀損だ。

2018年から2020年まで、無料通信アプリを使った組織的で異常な性犯罪が行われていたことが明らかとなって、韓国社会は上へ下への大騒ぎとなった。
いわゆる「n番部屋事」とよばれるもので、その内容は文字だけでも閲覧注意レベル。

アメリカ誌ニューズウィークはこう伝えた。(2020年3月24日)

「ナイフで皮膚に奴隷と刻ませる」「膣内に虫やはさみを挿入する」「男性公衆トイレで強姦/自慰」「床をなめる」など常軌を逸した酷い行為を強要されていた。

韓国激震 常軌を逸した極悪わいせつ動画SNS「N番ルーム」事件の闇

この事件の詳細と韓国社会の反応につていはこの記事を。

【n番部屋事件】韓国を激震・激怒させた大規模ネット性犯罪

 

「韓国の人権意識は遅れている」
「男尊女卑、女性蔑視といった韓国社会の価値観が問題だ」
「個人情報の管理が甘すぎる」

韓国各紙がこの問題の背景や原因をさぐる中、とんちんかんな報道をしたのが朝鮮日報。
この事件には1ミリも関係ない日本を結びつけて、こんな見出しを付けて読者に読ませた。(2020/03/25)

成人コンテンツ王国・日本のネットユーザー「n番部屋事件は他人事ではない」

 

マジか!これは日本の問題でもあるのか!
と驚いて記事を読んだけど、その根拠になっているのは「n番部屋で起きていることが日本でも同じように起きている」という誰かのツイート。
匿名のツイッター情報なんて信頼性はゼロも同然で、これを基にしていいならどんな文章でも書けてしまう。これは、全国紙が「日本のネットユーザー」を根拠に記事していい内容じゃない。
正体不明なら何でもありだから、こうツイートしたのは記者本人の可能性すらある。見えない世界なら自作自演もしごく簡単。

それに日本を「成人コンテンツ王国」と侮辱的に呼んだのは一体だれなのかと思って見てみたら、これは韓国紙の記者が付けたものだった。全国メディアでこの表現はひどい。

日本の成人コンテンツに問題があるとしても、「n番部屋事」とは完全に切り離して議論する必要がある。
こんな異常な性犯罪と結びつけるなんて、日本に対してどれだけ強い悪意があるのか。

そもそも「日本でも同じように起きている」なんてツイッター情報を裏付ける事実は現在の日本で確認されていない。
日本の問題は日本、韓国の問題は韓国が解決することで他国を巻き込むな。(新型コロナも日本はいいから、自国に集中してくれ)
でも全国紙がそうするということは、それだけの「需要」が韓国にあるということだ。

 

おまけに書くと、きょうの朝鮮日報にこんな記事があった。(2020/04/08)

固定電話の比率次第で全く異なる結果…韓国の世論調査には科学がない

韓国の世論調査では、固定電話と携帯電話の比率を変えることで、結果が全くといっていいほど変わってくる。
自分の望む結論が先にあって、プロセスに手を加えて何とかそこに到達させる。
韓国社会にはこういう客観性を無視した強引なところがあるから、それがこうして問題になる。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

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日本はどんな国? 在日外国人から見たいろんな日本 「目次」

外国人(アメリカ人とヨーロッパ人)との会話がで盛り上がる話題

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。