コロナのせいで、ゴールデンウイークがそのまま蟄居(ちっきょ:家に閉じこもって外出しないこと)になってしまい、特に県をまたいで出かけるのは絶対的NGということで、いま全国の都道府県ではこんなアピールをしている。
こう言っているのに他県から静岡へ遊びに来る人間がいて、それに怒った人が他県ナンバーの車をコインで傷つける事件も発生した。
でもまあこれがいまの日本の姿で、よそ者への嫌がらせ行為は全国で発生している。
徳島県で特にこれがひどいらしく、他県ナンバーの車を見ると煽ったり投石する人が続出したことから、身を守るためのこんなステッカーまで登場した。
ちなみに1枚300円。
アスペックという会社のホームページ「県内在住者告知ステッカー」から
いまは緊急事態とはいえ、県外の人間が「襲われる」という日が日本にやって来るとは。
さてそんなステッカーを見て、頭に浮かんだ外国人がいる。
むかしタイで会った20代の白人男性で、その人は大きなバッグパックにこんなデザインを縫い込んでいた。
メープル(カエデ)はカナダの象徴。
むかし食べ物がなくて苦しんでいだヨーロッパ移民が、カエデの樹液をすすることを先住民から教えてもらって飢えをしのいだという。
バックパックで自国の国旗をアピールする旅行者を見たのは初めてで、「なんて愛国的な!」と思ったけど、どうやらそれはカン違いで、「もちろんカナダは好きだけど、アメリカ人に間違われたくないんだ」と言う。
以前タイで会った日本人女性とは正反対だ。
その日本人はアメリカでの留学経験があって、男尊女卑の風潮や自分の考えをハッキリ言わない日本人の「後進性」を批判していて、その場にいた日本人から「あなたはアメリカ人みたい」と言われるのを聞いて喜んでいたけど、このカナダ人はそう言われると不快に思うらしい。
理由を聞くと、アメリカの「好戦的で野蛮なところ」が大嫌いで、その例として2003年のイラク戦争を挙げる。
そのカナダ人の意見では、カナダは異なる価値観を認めて、どんな人間とも平和共存することを重要視しているけどアメリカは違う。
自分たちの価値観を押し付けて、ときには軍事力で他国を屈服させる。そういうところが大嫌いだと話す。
調べてみたら、たしかにアメリカとカナダにはそんな違いがある。
カナダはベトナム戦争、キューバとの関係、イラク戦争、ミサイル防衛構想、および対テロ戦争に関するアメリカの政策には同意しなかった。
アメリカは銃社会だけど、カナダは違う。
アメリカ人は靴を履いたまま家に上がるけど、カナダ人は違う。
彼はそんなアメリカがもともと好きではなかったし、イラク戦争が決定打となって完全に心が離れてしまった。
でも海外に行くと「君はアメリカ人?」と聞かれることが多くて、それがストレスになったから、いまではこうして不愉快なかん違いをさせないようにしている。
イラク戦争のあともアメリカは中東で戦闘を行ってたくさんのイスラーム教徒を殺害しているから、イスラーム教徒の対米感情は一般的にかなり悪い。
それで海外でアメリカ人と思われると冷たい態度をされたり、投石などの嫌がらせもあるらしい。
だからバッグのメープルは、そうした危険から身を守るためのお守りでもある。
その意味では「徳島県内在住者です」と同じ。
ちなみにイギリス人と間違えられるのは、カナダ人的にはかまわないらしい。
外国人から「ニーハオ」とか「アニョハセヨ」と声をかけられて不快に思う日本人もいるし(その逆も)、こういうことは海外あるあるのひとつ。
でも、バックパックやスーツケースに国旗を付けたカナダ人にはこのあとも数人会った。
こういうアピールをするのはカナダ人しか知らない。
こちらもどうぞ。
「世界ベストツーリスト」の日本人が、外国でしてはいけないこと。
ナポリで野宿して、一日に1ユーロのピツェッタ(ピッツァの小さいやつ)を1枚だけで過ごして(水は公園や道端で水が出っぱなしになってたりする)…そんな放浪を数日した後、農家に拾われ、ひと月ほど住み込みでりんごを摘んでたことがあります。
市街地ではジャポネーゼって理解してもらえるけど、少し街を外れると、それはもうチネーゼ(チャイニーズ)としか言われなくなります。
ある日入った売店では、店主にチネーゼかと聞かれたので、ノー、ジャポネーゼだって言って…支払いをした時に10円玉が転がり出たんですね。そしたら店主が、オー!チネーゼのコインだ♪って。いや、だから…笑
イタリア人にとってはジャポネーゼもコリアも一括りに、東洋人とゆう意味合いでチネーゼと言ってるように思います。
今度行くことがあれば、リュックサックに旭日旗でも貼ろうかしら…
>ちなみにイギリス人と間違えられるのは、カナダ人的にはかまわないらしい。
まあ、いちおう、現在でもカナダはイギリス連邦の一つであり、カナダの国家元首、兼(名目上の)カナダ軍最高司令官は、イギリス国王(もしくは女王)ですからね。かまわないというか、ある程度は当然の扱いというか。
>「もちろんカナダは好きだけど、アメリカ人に間違われたくないんだ」と言う。
実は私は米国(の地方都市)に半年、カナダのトロント(つまり大都市圏)に半年住んだ経験があるので、この辺の事情もよく分かるのですが・・・。ま、なかなかややこしい複雑な感情ですよね。大雑把で傲慢な米国人からカナダ人が常に受けている扱い(まるで米国の準州であるかのような)を考えると、ナイーブなカナダ人がそのように主張する気持ちが、分からんでもないです。概して自己主張まで優しいのが、カナダ人のいいところ。
でもねぇ、現実世界においては、経済的にも政治的にもカナダは「米国の準州(みたいなもの)」であるという見方は、まあ、否定できないでしょうね。しかも北米でありながら、自国内を英語とキリスト教でまとめることさえできない、ダメな(=弱い)国。あ、これは米国人の見方ですからね。
そもそも自国の事物について、彼ら自身が Canadian と言ったり、ついうっかり American と言ったりしてるし・・・。そんなことだから舐められるんだよ!(チョット厳しすぎるかな?)
日本・中国・韓国人は世界から見たら区別がつかないでしょうね。
わたしもよく中国人と間違われましたよ。
いまはコロナのせいで中国人への風当たりが厳しくなったことから、「わたしは台湾人」といったTシャツがあると聞きました。
スーツケースやバックパックに日の丸が必要な時代かもしれません。
まあ日本でも「私は徳島県在住」といったステッカーがありますから。
私のまわりでは銃や戦争なんかでアメリカが嫌いなアメリカ人がけっこういて、カナダ人の気持ちはよく分かると理解を示していました。
日本にいるカナダ人でカナダアピールをする人には会ったことがないですね。
日本では必要ないのかも。
>・・・アメリカ人がけっこういて、カナダ人の気持ちはよく分かると理解を示していました。
おそらく、ブログ主さん自身の性格・人徳によるものでしょう。人は自然と同じ考えのもとに集まるものです。たとえ外国人であっても。
私の知っている(知っていた)アメリカ人は、もうちょっと「典型的な」アメリカ人の方が多かったですね。男でも、女でも、そのどちらか判断しかねる人でも。
>市街地ではジャポネーゼって理解してもらえるけど、少し街を外れると、それはもうチネーゼ(チャイニーズ)としか言われなくなります。
ヨーロッパ、特に地中海諸国での「東洋人=中国人」的な捉え方もかなりのものですが、南米はもっとすごいですよ。どこへ行っても「チノ、チノ」ってからかわれます。で、その感覚がどうも「この中国人野郎が」っていう罵りの感情を伴っている場合がすごく多い。最近は以前よりもその傾向が多少は和らいでいたかもしれないが、どうも聞くところによると、今回のコロナ騒ぎで、また昔の偏見的見方が南米社会に蔓延しつつあるらしいです。
トランプ大統領の「発生源は中国武漢ウィルス研究所」説は、米国自身もさることながら、中南米諸国の民衆に大きな影響を及ぼしているような感じがします。
私が知っているのは日本にいるアメリカ人で、彼らはほとんどみんなトランプ大統領が嫌いですね。
だから一部のアメリカ人です。
今回のコロナ騒動で中国への風当たりは強くなっていますが、政治家がそう仕向けている面もあるでしょう。
私も同じ理由でアメリカ人嫌いだわ。
正論言われると途端に弱腰でママ~って大勢呼ぶスネ夫体質も嫌い。
このロシアとウクライナの件だってそう、油を注ぎまくっている。
日本もカナダと共にNOと言って欲しい。