きのう6月16日は陰暦(江戸時代まで使っていた暦)なら、和菓子を食べる「嘉祥(かじょう」の日だった。
16個の菓子やお餅を神に供えたあと、みんなで食べることで「神聖なパワー」をいただき、疫病を払う行事を嘉祥という。
伝統的に日本でこんな優雅なことをできるのは上級国民だけ。
平安時代の宮中で貴族が行っていたイベントが起源といわれ、しだいに下へおりてきて江戸時代には徳川の恒例行事となった。
徳川幕府では、この日御目見え以上の諸士に、大広間でお菓子を賜る例で、これを嘉祥頂戴と言った。菓子の種類は七種、のちに八種に定められたが、白木の片木の上に青杉の葉を敷いて、この上に積んであり、一人一個ずつを取らせた。
さて日本のお菓子の特徴って何だろう?
それを言い出したらキリがないけど、日本の自然と結びつけて言うのなら季節感があることだ。
もちろん春夏秋冬の季節はいろんな国でもあるけど、桜・新緑・紅葉・雪といった目に見えるほどハッキリした四季のある国はそう多くない。
雪と新緑はおいといて、全国的に桜と紅葉を楽しめる国は何といっても日本だ。
四季の移ろいが日本人の感性に影響をあたえないわけがなく、その美しさはそのまま和菓子づくりにも反映されている。
和菓子の大きな特徴は四季とのマリアージュ(結婚、良い組み合わせ)だ。
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和菓子の中には特定の季節に限定して売り出されるものがあり、また特に上生菓子では、菓子自体によって季節の風物が表現され、それぞれの菓子に見合った銘がつけられている。
この人物はギリシャ生まれのイギリス人で小説家・日本研究家・日本民俗学者だったラフカディオ・ハーン。
耳なし芳一、むじな、ろくろ首などいまでも日本で有名な怪談を書いたのはこの人。
1896年(明治29年)に日本国籍を取得して「小泉八雲」と名乗ったハーンは、ひょっとしたら初めて帰化した西洋人かもしれない。
日本の人と自然を愛したハーンはこう言う。
いったい、日本の国では、どうしてこんなに樹木が美しいのだろう。西洋では、梅が咲いても、桜がほころんでも、かくべつ、なんら目を驚かすこともないのに、それが日本の国だと、まるで美の奇跡になる。
「日本賛辞の至言33撰 (ごま書房)波田野 毅」
日本人がつくる和菓子にもこの「美の奇跡」が表現されている。
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