そうか。
アレからもう1年が過ぎたのか。
中央日報の記事(2020.06.27)
日本が昨年7月に韓国を「ホワイト国」(貿易管理上の優遇国)から除外したことで始まった日本製品不買運動が1年を迎えた。一部の品目では販売が回復しているが、「メードインジャパン」の購入を避ける人が多く、反日感情も相変わらずだ。
ビール販売88%減、自動車も半減…ボイコットジャパン1年過ぎても「現在進行形」=韓国
日本がきょねんのこの時期に韓国への優遇をやめて、中国やタイと同じく「普通」にすると発表すると韓国側は激怒した。
国民感情に火を点けたのは韓国の政治家やメディアで、文大統領は「(日本には)二度と負けない」、「加害者である日本が、盗人猛々(たけだけ)しい」と日本を非難し、メディアも「日本の経済侵略」ととんでもない報道をして国民の反日感情をあおりにあおった。
韓国では「反日愛国」が一種の社会的正義として認識されているから、国家がこういうムードを形成したら、国民の愛国心や正義感もそれに呼応する。
こうなったら、日本製品の不買運動が始まって過激化するのはもはや必然。
市民団体が日本企業のロゴが描かれた段ボールを一斉に踏みつぶしたり、日本のビールをぶちまけるパフォーマンスをし、その様子が個人のSNSやテレビ報道によって全国に伝えられて韓国社会が反日の空気で包み込まれる。
ソウル地下鉄では当時、車内にこんな「ボイコット・ジャパン」ステッカーが貼られた。
画像:Ho Yuchih
韓国に反日があれば、日本には嫌韓がある。
でも東京の地下鉄車両に「嫌韓ステッカー」が堂々と貼られて、「臥薪嘗胆」的に市民に毎日それを確認させて怒りをあおることはない。
日本でも対抗して韓国製品の不買運動を呼びかける声があったけど、ボクはネットの書き込み以外で見たことはない。
こうして公的機関が「ノーノーコリア」の先頭に立つことはあり得ない。
韓国の反日と日本の嫌韓ではレベルが違うのだ。
政治問題は政治家が解決すべきことで、大統領や政権が相手国を敵視して、市民・国民を「先兵」として圧力を加えようとする手法は間違っている。
…という理屈が通じていたら、こんなふうに盛り上がって、いまだに反日感情が続くこともないのだけど。
「日本製品ボイコット運動」についてくわしいことはここをクリック。
これも「愛国正義」の延長だけど、韓国のノージャパン運動が数か月後に少し変質している。
ボイコットジャパン運動を観察していた日本人記者は、不買運動は路上のゴミを拾ったり、電車でお年寄りに席をゆずるような「小さな善行」とみなされるようになったと指摘して、その背後にある韓国社会の「ゆがみ」を指摘した。
産経新聞(2019.9.29)
韓国で続く日本製品の不買運動は「親日は絶対悪だ」と教え、日本擁護への後ろめたさを植え付ける一方、「反親日」的行為を手放しで評価する韓国ナショナリズムのひずみを端的に示しているといえそうだ。
韓国で反日は「ちょっといいこと」 不買運動が続く本当の理由
悪をこらしめるのは正義。
自分が正義の側に立つ、正しい行為をしているという実感はすごく気持ちがいい。
日本製品不買運動が1年以上も続ていることにはそれなりのワケがあって、日本に対する怒りだけだったら、きっとここまで長引くことはない。
さて、「反日感情も相変わらずだ」と書いた中央日報は最後に、「一部の日本ブランド撤退は不買運動の結果のためだけではないが、安倍政権が続く限り日本製品不買運動のモメンタムは維持されるだろう」という専門家(ソ・ヨング淑明女子大経営専門大学院長)の見方を紹介する。
これは本当に韓国的な結論で、結局最後は「アベが悪い」。
自分たちは反日感情に基づく不買運動を1年以上もしておいて、その責任は日本に押し付ける。
そんなことをしているうちは、「未来志向の韓日関係」なんて無理無理。
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支援が私怨に? 無条件の日本支援を“許さない”韓国の対日世論
>安倍政権が続く限り日本製品不買運動のモメンタムは維持されるだろう」という専門家
もう既にこの見解がウソですね。で、この専門家もおそらく自分の嘘を自覚しつつ、言い訳のためにその見解を提示しているに過ぎない。そんなことが(日本国民に対する)言い訳になると考える、その思考が愚かだ。
安倍政権が終了して以降も、きっと、この風潮は韓国で続くことでしょう。
なぜなら、
>韓国で反日は「ちょっといいこと」 不買運動が続く本当の理由
こそが正しい分析だからです。
ま、勝手にやればいいんじゃないですか。