ほんじつ7月9日はパラオの憲法記念日。
「ケンポウ」は知らんけど、日本語の「センキョ」ならいまのパラオ人も使っている。
アメリカ統治下にあったパラオが1980年のこの日、住民投票によって憲法が採択されたのだ。
ということでこれから、パラオについて書いていこうと思う。
この国の「親日っぷり」にはきっと日本人もおどろく。
でも日本でパラオといえば、知名度ではグリコのパピコに圧倒的に負けているマイナーな国だから、まずは基本情報を確認しておこう。
パラオは日本のずっと下、フィリピンの東にある島国だ。
*国名はマレー語で「島」の意味の「Pulau」に由来する。
東京23区より小さい。
これがパラオ共和国
1 面積:488平方キロメートル(屋久島とほぼ同じ)
2 人口:21,291人(2015年)
3 首都:マルキョク(2006年10月まではコロール)
4 民族:ミクロネシア系
5 言語:パラオ語、英語
6 宗教:キリスト教
外務省ホームページ「パラオ共和国(Republic of Palau)基礎データ」から
では、パラオの人たちは日本をどう思っているのか?
「nippon.com」に、2018年に来日したレメンゲサウ大統領のインタビュー記事(2018.02.09)が載っているからそれを紹介しよう。
自身のおばあさんの父親が日本人だったという大統領は、パラオと日本との関係は「兄弟」と表現してこう話す。
われわれからすれば日本は兄です。パラオの国旗は海の青色の下地に黄色い月で、日本の国旗は白地に赤い太陽。月と太陽が共存しているようなイメージです。(中略)太平洋戦争の前も後も、互いにを尊重し、理解に努める先人たちの功績がありました。
レメンゲサウ大統領単独インタビュー:「日本とパラオは兄弟関係、私には日本人の血が流れている」
兄の旗
弟の旗
日本とパラオの「兄弟」の関係は、第一次世界大戦のあとに開かれたパリ講和会議にさかのぼる。
ドイツの植民地だったパラオは、この会議によって日本の委任統治領になることが国際的に承認され、日本統治がスタートし、学校や病院、道路など各種インフラストラクチャーの整備が進んでいった。
これはドイツ統治下ではほとんど見られなかったことだ。
くわしいことはここをどうぞ。
これにより1920年代頃になるとコロールは近代的な町並みへとその姿を変貌させた。多くの日本人が住み着き、彼らはパラオ人に対して極力差別がない扱いに努めた。
日本統治下の中心都市コロール
2006年まではここがパラオの首都だった。
同時にパラオの人たちへの日本語教育も行われたことで、いまでも現地では多くの日本語が使われている。
先ほどのレメンゲサウ大統領によると、日常生活では「しつけ」「しょうがない」「直らない」「おいしい」「疲れた」など、政府関係でも「電話」「選挙」「大統領」といった言葉がよく使われるとか。
パラオ語には日本語に由来する言葉が3000以上ものが残っているという。
「選挙」もパラオの言葉になっている。
日本人の名前も残っていて、レメンゲサウ大統領はもともとクニオ・ナカムラ(中村 國雄)第5代大統領の副大統領だったし、2000年の大統領選挙ではピーター・スギヤマ氏と戦かった。
クニオ元大統領はパラオ人女性と三重県出身の船大工・中村善七との間に、日本統治下のコロールで生まれた。
くわしくはクニオ・ナカムラをクリックですよ。
日本統治時代の建物はいまでも現役で、パラオの最高裁判所や議会として使われている。
このへんの事情は韓国とはちがって台湾とそっくり。
レメンゲサウ大統領
「三重県知事の中村國雄氏」と言われたら信じてしまいそうな、クニオ・ナカムラ元パラオ大統領。
彼は日本を何度も訪れた親日家で、2009年には所さんの「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」に主演した。
「われわれからすれば日本は兄です」と大統領が語った背景には、戦前・戦中の日本統治があった。
「日本のしたことは全部正しかった!」なんてことはないけど、パラオの人たちはこの時代について偏見なく評価していまに伝え、価値あるものは現在でも使っているし、良いものに対しては感謝の気持ちを表す。
2015年に天皇・皇后両陛下が訪問したときはこんな様子だった。
街中のいたるところに日の丸が掲揚され、インタビューに対し「日本人が大好き、日本が大好き」、「みんな日本が大好きです」と回答している様子が報道されている。
ご先祖が築いたこういう財産や縁は、これからも大事にしていきたいですね。
パピコもいいけど、たまにはパラオも思い出してあげてください。
日本・パラオ友好橋の下にある公園では、大きなイベントが時々行われます。
本日、同公園のコロール側で開催されたローカルファーマーズ・フードフェアでは、地元産のヤサイ(パラオ語)、果物、豚肉、魚介類などが販売され、多くの市民でにぎわいました pic.twitter.com/ZjY5sVNIwO— 在パラオ日本国大使館(Embassy of Japan in Palau) (@OfPalau) July 8, 2020
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そうですね。パラオのことを言われると、「日本・パラオの友好の橋」のことを考えざるを得ないですね。
そして、その橋を架け直す直前に、どこかの国の建設会社が稚拙な技術で同じ場所に橋をかけ、完成したものの短期間で崩落してしまったこと、そのことを記した橋の袂の石造の碑文から国名がいつの間にか消されてしまっていたこととかね。
何たる無責任。恥を知れ。