異世界の島・北センチネル島で米国人が殺害。島民vsインド警察

 

アンダマン・ニコバル諸島にある北センチネル島で、アメリカ人が殺害された!
といっても「アメリカ以外の片仮名が分からんのだが?」という人も多いと思うから、まずは位地を確認しておこう。

右下の赤いところが「アンダマン・ニコバル諸島」になる。

北側がアンダマン諸島で、南側がニコバル諸島。
2つ合わせてアンダマン・ニコバル諸島のできあがり。

 

そこにある北センチネル島
面積は72㎢で、新宿区のおよそ3倍

 

この島には先住民のセンチネル族が150人ほど住んでいるとみられる。
彼らは外部の人間との関わりを一切拒否。
アンダマン諸島の人とも交流はしない。
ということで数千年もの間、彼らは独自の生活を維持してきた。
ここは壮大な「引きこもり島」だ。

アンダマン・ニコバル諸島自治政府もセンチネル族にはタッチしない。
北センチネル島は時代や国際社会と完全に切り離されて存在している。
*ほんの一時期、外部と交流を持ちかけたことはあるらしい。

この島には科学技術も電気もない。
「オラこんな島いやだ~」と言っても、島からは出られないだろう。

 

北センチネル島はインドに属しているから、2004年にスマトラ島沖地震が起きたとき、救援物資輸送のヘリコプターがやって来たことがある。
でも、島に着地することはなかった。
ヘリコプターを敵と見なしたセンチネル族が矢を放って威嚇してきたから。
その様子を視認して、そのままヘリコプターは引き返していった。

 

2006年には、この島に漂着した2人のインド人が矢で殺害される事件が起きた。
インド政府は遺体を回収しようとヘリコプターを向かわせたのだけど、またしても矢の攻撃を仕かけられて島には上陸できず。

本来であればこれは殺人事件だから、法律にもとづいて島民は逮捕されるはずなんだけど、インドはこの島を「現代社会の一部ではない」ということで関与してしない。
日本からするとインド自体がすでに不思議の国なんだけど、北センチネル島はインドから見ても異世界すぎた。
日本人が理解できる島ではない。

 

 

最近この島で、「ジョン・アレン・チャウ」というアメリカ人が殺害されて世界的な注目を浴びた。
北センチネル島に入ることは法律で禁止されているから、チャウさんは違法行為をしたことになる。
この冒険の代償は高くついた。

当初「旅行者」と報道されたこのアメリカ人は後にキリスト教の宣教師と判明。
島民にキリスト教を伝えるために上陸を試みたという。
フレンドリーに接しようと、チャウさんは魚やサッカーボールを贈り物として持って行く。

AFPの記事(2018年11月22日)から。

チャウさんは、「私の名前はジョンです。私は皆さんを愛しています、イエス(Jesus)も皆さんを愛しています…魚を持ってきました!」と声を掛けていたという。

先住民が弓矢で殺害の米国人、訪問目的は「キリスト教の布教」

 

このあとチャウさんは島民による矢の洗礼を浴びる。
彼を連れて来た地元の漁師たちは、島民がチャウさんの首に縄を巻き付けて体を引きずるのを見たという。

 

 

このアメリカ人殺害事件は終わっていない。
インド政府からしたら外国のようなものだけど、一応インド国内の出来事だ。
チャウさんの遺体を回収しようと警察がボートで島に向かったのだけど、そこには矢で武装した島民が待ちかまえていた。
にらみ合った末、警察は上陸を断念する。

この島は現代の人類が触れていいところではないのだ。
だからAFPの記事(2018/11/25)で、インド警察は苦労している。

外部者に閉ざされた島で、先住民たちの新石器時代以前の暮らしを妨げずにチャウさんの遺体を捜索するため、警察は苦心に苦心を重ねている。

弓矢で宣教師射殺、先住民と遺体捜索の警察がにらみ合い インド

 

新石器時代以前の人たちに、21世紀の法を適用するのは無理だろう。
このアメリカ人の遺体が魔界島から出ることはきっとない。

 

これが彼らの映像

出典:GEOBROTHER の SENTINELESE – World’s Most Isolated Tribe

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。