インドと日本の違いをアレコレ比較|紋章・生活・デリバリー・スポーツ

「日本の常識は世界の非常識」と日本人はよく言う。日本の「普通」が本当に通じない国の1つがインドだ。
インドでビジネスをすると、役人が当然のようにワイロを要求し、税理士は脱税の技術を当たり前のように教えてくれるという。
ネットを見ていたら、日本の常識と逆転している社会を生きるには、大胆な行動力とずる賢さが必要になるという記事を見かけた。

インドで日本のような「透明性」や「清潔さ」を求めても無意味。「郷に入っては郷に従え」で、インドのやり方に合わせるしかない。
前回、インド人留学生のソーマが指摘した「クレバー(ずる賢さ)」が、インドでビジネスをする人には必須の能力だろう。

【日本とインド】留学生と語る共通文化、言葉と国民性、懐かしさ

今回はその続きで、ソーマから聞いた話を紹介していこう。

 

寺の中にあった徳川家の荷物入れ(たぶん)

目次

【文化】日本の「家紋」とインドの「紋章」

ーーなぁソーマ、このデザインの意味を知ってる?

ソ:知ってます! 『家康くん』のマークですね。

ーーそれは間違いではないけれど、正解でもない。これは彼をふくめた徳川家の家紋で「三つ葉葵」という。「カモン」ってわかる? 「こっち来い」という意味じゃない。

ソ:バカにしてますね。

ーーすまん。昔、日本人がそんなミスをしたのを思い出したんだよ。明治時代、西洋人がペットの犬に向かって、「Come here!」と呼んでいたから、日本人はそれを聞いて「犬(西洋犬)を英語で“カメ”と言うのか」と誤解した。

英語の聞き間違え:明治の日本人が犬を「カメ」と呼んだ理由

それはいいとして、日本の家紋という文化を知ってる?

ソ:前にそれを知って、調べたことがあるんです。家紋は「Coat of Arms(コートオブアームズ)」のことですね。

※家紋を表す英語には、他にも「family crest」や「family insignia」などがある。

ーーイグザクトリー。紋章(コートオブアームズ)の文化があるのは、世界でヨーロッパと日本だけなんだって。日本では家紋は当たり前だったから、むしろ他の国で、貴族がこれを必要としなかった理由がよくわからない。

ソ:そうなんですか、博識ですね!って言いたいのですが、インドのマハラジャ(王)も「コートオブアームズ」を持っていたんです。

ーーそうなの? じゃこれからは、外国人に「紋章マウント」は取れなくなるな。

ソ:といっても、それはインドがイギリスの植民地になってからですけどね。イギリスの王族や貴族が使っていたから、インドの王族も紋章を使うようになったんです。

ーーそれはインドの歴史ではあっても、伝統じゃないじゃん。それにしても、イギリスがインド社会に与えた影響は本当に大きいんだな。当時のイギリスはインドにとって「抑圧者」だったのに。

ソ:「植民地支配はすべて悪だった」というわけではありませんからね。イギリスは良いこともしました。

※ 英語版ウィキペディアには、ヨーロッパ以外で「類似の伝統」を持つ国として日本が紹介されている(Coat of arms)。ヨーロッパにルーツも持つ北米は別として、やっぱり、伝統的に紋章があるのは「ヨーロッパと日本だけ」と考えてよさそうだ。

【インド生活】驚異の「超高速デリバリー」

ーーソーマから見て、インドの生活で日本より「すぐれている」ところって、どんなものがある?

ソ:それは「高速配達」ですね。日本に比べると、インドのデリバリーは本当に速くて、ネットで注文すると5分か10分後にドアのチャイムが鳴ります。

ーー5分って、そんなアホな…と思ったけど、ネットで調べてみたら、インドに住んでる日本人も同じことを言ってる。食事中に調味料がなくなったことに気づいて、デリバリーを頼んだら、「食事中に持ってきてくれた!」と驚いている。これはスゴいな。

ソ:そのスピード感がインドです。

ーー韓国も日本よりデリバリーが発達していると聞いたけど、インドとどっちが上なんだろう?

【日本の生活】圧倒的な安全感


ーー逆に、日本の生活で良いところは?

安全なところです。それについて日本は世界トップレベルにいて、インドは比較対象になりません。

ーー治安か。日本に来て、それを称賛しないインド人と会ったことがない。

ソ:治安もそうですけど、日本人はちゃんとルールを守るので、交通の面でも安全なんです。今、私は自転車で大学へ通っているので、それをすっごく実感しています。インドで自転車通学は危険すぎるので、私なら絶対にしません。

ーーインドのドライバーって、臨機応変にその場でルールを自由に変更するからね。

ソ:前に日本人の友だちと街を歩いていたら、バイクに乗っている暴走族を見たんです。友だちは「目を合わせるな」ってビビっていました。でも、赤信号で止まって、ちゃんとヘルメットをかぶっていたので、「彼らはリッパだな」って私は感心しましたよ。

ーー東京の飲食店でアルバイトをしていた韓国人女性も、そんなことを言ってた。「最近、新人でヤンキーが入ってきて怖かったんですけど、ちゃんと敬語を使うし、態度も礼儀正しくてビックリしました」みたいなことを。

ソ:そうなんです! 日本
では「底辺」でも質が高いんです。

ーーおい。

 

インドを旅行していて、街なかでクリケットをしているのを何度か見かけた。(今は分からない)。

【スポーツ】「クリケット一強」がもたらす問題

ーー今、ミラノで冬季五輪がおこなわれていて、日本選手の活躍に、日本中が歓喜と涙に包まれているわけだ。インドでも盛り上がってる?

ソ:ウィンタースポーツを好きな人が楽しんでいるだけで、「国民的な祭典」にはホド遠いですね。私は選手を1人も知りませんし、ほとんどの国民も同じだと思います。

ーーインドで一番人気のあるスポーツは…。

ソ:それはクリケットです。もう断トツですね。

ーー日本では野球の人気が高くて、クリケットは「知る人ぞ知る」的なニッチなスポーツになっている。

ソ:インドは逆です。野球はほとんど知られていません。私は『ドラえもん』を見て、初めて野球を知りました。

ーーインドでクリケットは人気爆発だよね〜。インドを旅行中、路上でクリケットをしているのを何度も見た。

ソ:インド人はクリケットを好きすぎるから、私はそれが問題だと思っているんです。

ーーソーマは運動が苦手で、学校ではまったく輝けなかったからといって、嫉妬するのはどうかと思う。

ソ:なんで運動オンチ前提なんですか。クリケットはすごく儲かるんです。年収で1億円超えのプレーヤーはたくさんいます。クリケットに注目や人気が集中するから、インドではほかのスポーツが育たないんですよ。

ーー言われてみれば、世界一の人口のわりには、オリンピックであまり活躍してない気がする。

ソ:この前のパリ五輪(2024年)では、6個しかメダルをとれませんでした。しかも金メダルはゼロです。中国はメダルを91個もとったのに。

ーー日本のサイトを見ても、インドは「スポーツ小国」とか「スポーツなぜ弱い」とか、けっこうディスってるな。

ソ:その理由の一つが、「クリケットの人気高すぎ」問題なんです。

ーークリケットに「全振り」していると。

ソ:それは言い過ぎ。そこまでではない。でも、私はクリケットを好きですし、2028年のロサンゼルス五輪ではクリケットが採用されたので、今からワクワクしてます!

 

本日のまとめ

歴史の違い:インドは外国に支配されたが、日本は一度もその経験がない。
価値観の違い:インド人はスピード重視で、日本人は安全ファースト。
スポーツ事情の違い:インドでは「クリケット一強」。日本では野球やサッカー、さらにウィンタースポーツと裾野が広い。

 

 

インド 目次 ②

インド 目次 ③

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

【インド人の話】日本での生活・衝撃の文化・イギリス支配など

日本の夏の”異常な”暑さに、外国人観光客の反応は?アジア人編

イギリスの植民地支配、インド人が話す「闇=光」のワケ

インド人とスパイス 料理好きのインド人女性が日本で感じた最大の不満

インド人から見た日本と韓国 「住みにくいナ」と感じる2つの理由

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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