【初伏のポシンタン】韓国の犬肉食は、いまどんな状態?

 

日本では初夏になると、これからやってくる大敵、猛暑に負けないためのパワーを手に入れるためウナギを食す。

 

 

そもそも土用の丑の日ってなに?
なんでのその日はウナギなの?
と思った人はこの記事をどうぞ。

土用の丑の日はなぜウナギ?中国の五行と平賀源内の発想

 

韓国にも土用の丑の日と似た日があって、それを初伏(しょふく)という。
中国思想の陰陽五行説に基づく日で、夏の間の3回の庚(かのえ)の日をそれぞれ初伏・中伏(ちゅうふく)・末伏(まっぷく)とし、その総称が三伏だ。

日本でもこんな感じで使われる。

三伏の時期は、7月中旬から8月上旬と、ちょうど酷暑の頃なので、「三伏の候」「三伏の猛暑」と手紙の前文に書くなど、酷暑の頃を表す言葉として現在も用いられている。

三伏 

 

夏バテ防止のために、日本ではウナギを食べるけど、韓国では犬肉を食べる文化がある。

「ポシンタン」という犬肉スープはこの時期に人気で、日本人を対象にした韓国の旅行サイト「コネスト」でも、韓国グルメのひとつとしてフツーに紹介されている。

意外にクセなく食べられる味ですが、独特の匂いを和らげるためエゴマの実(トントゥルケ)が使われます。漢字で「補身湯:身を補う湯」と書かれるように、スタミナ料理の代表格とされています。

ポシンタン

ではいまから、この画像が出てくるのでお覚悟を。

 

 

 

ポンシンタン

 

でも時代は国際化。
前々から犬肉食が「野蛮」だと欧米から批判されていたし、犬を家族のように考える韓国人が増えてきたことから、この食習慣は韓国社会から消えつつあるのが現状。
初夏になって初伏(しょふく)の日が近づくと、韓国では毎年この議論が始まる。

中央日報(2020.07.06)

毎年夏が近づくと浮上する犬肉論争は2016年に入ってさらに激しくなった。動物保護団体の会員が犬肉食堂が集まる大邱や釜山(プサン)など国内の有名な伝統市場を回りながらデモをするからだ。

夏になると再燃する「犬肉」論争…動物団体「店を閉鎖すべき」=韓国

 

さくねん2019年には動物愛護団体が犬肉食反対のデモをする一方で、「維持派」が犬肉を食べて対抗デモを行った。

AFPの記事(2019年7月13日)

参加者たちは、「闘え! 団結せよ!」とのスローガンが記された鉢巻きを着用し、犬肉の切り身を辛口のタレに付けて食べて気勢を上げた。

韓国の養犬業者ら、犬肉食べて気勢上げる 動物愛護団体のデモに対抗

韓国の夏の風物詩のひとつ。

 

ソウルにも犬の食肉処理場があったけど、首都には犬肉反対派が特に多くいるから、きょねんこの処理場が閉鎖されて、ソウル市は「犬の食肉処理ゼロ都市」を宣言した。

国内の犬市場も次つぎと消えていき、いま韓国の伝統市場の中で犬肉食堂が残っているのは、大邱(テグ)市のチルソン市場だけ。
この市場には犬肉食堂が集まる「犬通り」があって、店先には犬肉がぶら下がっているらしい。

日本の韓国関連の雑誌やインターネットサイトに、こんな情報が載っているのだろうか?
若い日本人女性が知らずに足を踏み入れてこれを目撃したら、しばらくは消えないトラウマになりそうだけど、これも韓国の伝統文化、韓流グルメのひとつだ。

 

でも、他国の食文化に口出しするつもりはないし、韓国のことは韓国人が決めたらいいですよ。

日本では、夏と言えばウナギかカレーで本当によかった。
徳川綱吉に感謝しないとですね。

【食文化の脱・東アジア】日本人が犬肉を食べなくなった理由

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。