ほんじつ7月20日は「ハンバーガーの日」。
1971年(昭和46年)のこの日、銀座で日本マクドナルドの1号店がオープンし、1万人以上の客が押し寄せたとか。
マックの店舗に1万人以上とか、いまなら事件ですね。
「いま日本人に人気のハンバーガーって何だろう?」と思って、ネットを見てみたら「LINEリサーチ」が全国を対象におこなったアンケートを発見。
好きなハンバーガーについてたずねたところ、30代以外のすべての年代で「チーズバーガー」が1位となったという。
30代の1位が「テリヤキバーガー」だった理由はよくわからず。
マクドナルドに限っては、日本で最も人気のあるハンバーガーはチーズバーガーなわけだけど、不幸なことに、イスラエルに住んでいるユダヤ教徒はこれを食べらることができない。
この宗教についてくわしいことはここをクリック。
ユダヤ教のシンボル・ダビデの星
2年前に京都旅行に行ったとき、ゲストハウスでイスラエルから来た2人のユダヤ教徒(女性)と同室になった。
「これも何かの縁だ」という仏教的な発想から(ユダヤ教的にはたぶん神の意思)、彼女たちを先斗町に案内することになる。
そのときのことはこの記事を。
先斗町を歩いていて「ここで何か食べたいです。おススメはありますか?」と聞かれたときには深夜0時を過ぎていて、開いている店も少なく選択肢がほとんどない。
一応リクエストを聞いたら、「日本の食べ物がいいけど何でもいい。でもチーズバーガーはダメ」と言う。
そう言われて思い出した!
ユダヤ教徒の人たちは食べていい物は宗教によって決められていて、チーズバーガーはNGなのだ。
ユダヤ教の聖書の『レビ記』に「4つ足の獣のうち蹄が全く分かれ、反芻をするものは食べてもよい」と書いてあるから、牛を食べてもいいけど豚はダメ。
また「海や川・湖に住む生き物で、ヒレと鱗のあるものは食べてもよい」と書いてあるから、マグロや鮭はいいけどエビやタコはダメ。
こうしたユダヤ教徒が食べていいものは「カシュルート」と呼ばれている。
ユダヤ教徒がチーズバーガーを食べられない理由もこれで、このハンバーガーはカシュルートではないから。
聖書の『出エジプト記』の中に「母の乳の中で子ヤギを煮てはならない」と書いてある。
この記述に基づいて、ミルクと肉を混ぜた物は禁じられているからチーズバーガーはユダヤ教徒にとってNGフードになる。
でもこの聖書の記述に反しない物ならOKだから、牛肉やチーズを食べることはできる。
それとこのふたつを別々に調理したら、チーズバーガーも「可」になるのだ。
それでユダヤ教の教えに沿ったチーズバーガーがイスラエルに登場したのだけど、これは前代未聞の事態だったから大論争となる。
世界的な無宗教国の日本ではこんな騒ぎはあり得ない。
でもそんな議論を乗り越えて、いまイスラエルのマクドナルドではカシュルートに沿った店とそうではない店の両方がある。
これ以上の情報を知りたい人は下をクリックするといいですよ。
こんな理由で、京都で出会ったユダヤ教徒もチーズバーガーがダメだったのだ。
それでこのときは結局、先斗町にあったお好み焼き屋に入って、ナンチャラ焼きを食べていろいろと話しているうちに、ガイドブックに「日本では親子丼にも注意しないといけない」と書いてあると言う。
そうそう。ユダヤ教徒に親子丼はタブーだよね。ってマジで?
この話は初耳だでおどろいたけど、でも考えてみればチーズバーガーと同じで親子丼も「母の乳の中で子ヤギを煮てはならない」という聖書の記述に反している。
カシュルートに沿って調理された親子丼を出す店なんて日本にないだろう。
宗教の縛りがない日本人に生まれてよかった。
翌日、2人を鞍馬寺に案内した。
こちらの記事もどうぞ。
>「母の乳の中で子ヤギを煮てはならない」と書いてある。
>この記述に基づいて、ミルクと肉を混ぜた物は禁じられているからチーズバーガーはユダヤ教徒にとってNGフードになる。
最初、全然意味が分かりませんでした。もしかすると、「母ヤギの乳の中で子ヤギの肉を煮てはならない」という記述なのでしょうか? だとしたら、その翻訳は、ちょっと省略しすぎですよ。まあおそらく日本語版の正規の聖書にそういう文法無視の記述があるのだろうけど。現在の英語の試験だったら不合格ですね。
まあでも、チーズバーガーだって、別に乳製品であるチーズの中に牛肉があるわけじゃなくて、チーズの隣に牛肉が挟まっているだけのことなんですが。
親子丼だって、別に親鳥の乳の中にヒナの肉が煮込んである訳じゃないんですけど。
そもそも両方ともヤギじゃないし。
まあ、そんな風に聖書を拡大解釈していけば、何でも不可になってしまいますよ。
キリスト教もイスラム教も含めてね。
ああそうそう、もう一つ大事なことを忘れてました。
最近、そのユダヤ教のシンボル(六芒星のマーク)はあまり表に出すべきではないと考える人達がいるらしいのですが、大丈夫ですか? それを堂々とブログに出しているのは民族差別的であると捉えられないですか?
それは具体的にどんな人たちですか?
私にもよくわからないのですが、例の「文化盗用」と同じような話で、「ユダヤ人でもない外国人が勝手に六芒星のシンボルマークを特に理由もなく乱用するのは許しがたい。そもそも他人に向かってあえてユダヤ人であることを六芒星のマークで示したりするから、ネオナチからの攻撃対象にされるのだ」とでもいうような主張(?)らしいですよ。
ユダヤ教の説明をするのに六芒星を使うのはまったく問題ないですね。
どこの世界にもおかしなクレーマーがいるのはしかたないですけど。