日本と外国の考え方や社会の違い:安全重視か?自己責任か?

 

前回、「ナチス・ドイツの遺産」として有名なドイツのスピード無制限の高速道路「アウトバーン」について書いた。
高校世界史的にはこうならう。

アウトバーン(Autobahn)

ナチス政権下、公共事業として1933年から建設が開始されたドイツの高速道路。失業対策として宣伝されたが、計画はヴァイマル共和国期にすでにあった。

(世界史用語集 山川出版)

 

ここに書いてあるとおり、アウトバーンの建設工事を始めたのはナチス政権だけど、この計画自体はその前のヴァイマル共和国の時代からあった。

アウトバーンはナチス・ドイツの発想ではない。

 

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これはバンコク(タイ)の高速道路からの風景。

看板がデカい!
これは「背後にあるスラムを、外国人には見せないため」という役割があるとタイ人のガイドから聞いた。

 

日本では「飲み放題」や「食べ放題」の店ならいくらでもあるけど、「スピード出し放題」という高速道路はあり得ない。
自足200キロでも300キロでも、自己責任でOK。

といってもそれは「基本的」に。
スピード制限のある区間もある。

 

この記事を書いていてつくづく感じたことは、日本人と外国人とでは、安全や自己責任についての考え方が大きく違うだな~、ということ。

アウトバーンと同じような高速道路を造る技術力なら、きっと日本にもあるはず。
でも日本でこんな道路がないのは、「スピード無制限の道路を造る」という発想がないからだろう。

日本は、安全というものをとても重視するから。
安全に対する考え方や価値観が、日本と欧米とでは大きく違うのだと思う。

 

日本のクルマは安全重視。

そのためにリミッターが取り付けられているけど、海外のクルマはリミッターを解除することができる。

だから、日本では不可能な「凄いスピードを出すことが可能」になる。
当然そのぶん危険になる。
けど、「それは自分の責任でどうぞ」ということなんだろう。

高速道路や車の製造だけではなく、日本の社会では、細かいところにまで安全に気を配っている。

 

それを「やり過ぎ」と感じる外国人もいた。

確かアメリカ人だと思うけど、「電車が来るときのアナウンスが好きじゃない」ということを言っていた外国人がいた。
「『危険ですから、白線の内側までお下がりください』って、言われなくても分かるだろう?子ども扱いされているようで、良い気分はしないね」

そんなことを感じるらしい。

 

一方、海外では「どこまでの危険をとるかは、あなたが選ぶこと」という自己責任の幅が広い。
安全を軽視しているというのではなくて、自己責任をより重視しているのだと思う。

20年ぐらい前に、アメリカのグランドキャニオンに行ったという日本人と会ってことがある。

その人が驚いたのは、アメリカの安全対策のなさ。
グランドキャニオンは断崖絶壁だから、落ちたら間違いなく死んでしまう。
でも、安全のための柵(さく)がなかったという。

 

その代わり、「どこまで崖の先に進むかは、あなたが決めること」といった警告文があっただけ。
行政が、安全対策を「ほったらかし」にしているように感じたらしい。
似たようなものは、ドイツのノイシュバンシュタイン城にもある。

ドイツのノイシュバインシュタイン城の横の崖がめちゃくちゃ険しく、雪で滑って本当に怖かったのですが、”Walk at your risk.”(自分の責任で歩け)という看板がありました。

東尋坊での事故

 

ノイシュバンシュタイン城といえば、ディズニーランドのシンデレラ城のモデルとなったと言われるお城。

美しいお城だけど、ドイツの自己責任の考え方は厳しいようだ。

 

ノイシュバンシュタイン城

 

・safeと安

これはおまけ。

興味があって、英語の「safe」と安全の「安」という字の語源を調べてみた。

「safe」の語源をたどると、「お金や貴重品を奪われないための箱(金庫)」になるらしい。
たしかに金庫には安全というイメージがある。

くわしいことはここをどうぞ。

名詞の”safe”

 

これに対して、「安」という漢字は「ウ冠+女」で「家の中に女性がいる」ということをあらわしている。

「安」

女の人が座っている姿です。お母さんがうちにいて、お父さんは外で仕事ができて、子どもも安心して学校へ行けるのです。女の人が家の中にいて家を守れば、家庭はやすらかで安心できるというわけです

(図説 漢字の成り立ち事典 教育出版)

001126

おばあちゃんと孫(ベトナム)。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。