【ドイツの抗議を一蹴】ユダヤ人を助けた樋口季一郎と東条英機

 

日々のできごとや個人的な思いを記した日記はむかしからたくさんあるけど、人類の歴史と記憶に残る日記となるとその数はかなり限られる。
第二次世界大戦中のヨーロッパにいて、ナチス=ドイツの迫害を受けていたユダヤ人の少女アンネ・フランクが書いた日記はそのひとつで、いまでは人類の宝になっている。

隠れ家に身を潜めていて、ナチスによる「ユダヤ人狩り」の様子を見たアンネは日記にこう書いた。

たくさんのユダヤ人のお友達が、いっぺんに十人、十五人と検束されています。この人たちは、ナチス秘密警察(ゲシュタポ)からこれっぽちの人間らしい扱いも受けず、家畜を運ぶトラックに詰めこまれて収容所に送られていった。

「アンネの日記 完全版 (文春文庫)」

 

家畜のように収容所に運ばれたあとは、処刑されるか死ぬまで強制労働をさせられるかの二択で、この当時のユダヤ人がナチスに捕まったら殺されるしかなかった。

 

アンネも収容所に送られて15歳で亡くなった。

 

そんなユダヤ人を救った日本人が杉原千畝(ちうね)で、約6000人のユダヤ難民に「命のビザ」を書いたことで世界的に高く評価されている。
と書きたいところだけど、実際のところ、杉原千畝がいたリトアニアでもほとんど知られていないのが現状だ。

杉原の功績についてはこの記事をどうぞ。

【日本人の誇り】アメリカ社会は杉原千畝をどう見てる?

 

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杉原千畝

 

日本では杉原より無名な偉人が、旧日本陸軍の中将だった樋口季一郎(ひぐち きいちろう:1888年 – 1970年)。
昭和13年(1938年)に樋口が中国東北部(満州)にいたころ、ナチスの迫害を受けていた多くのユダヤ難民を満州国に受け入れて保護した。
日本軍の植田謙吉大将や東条英機中将、それと南満州鉄道(満鉄)総裁だった松岡洋右などの協力を得て、このとき樋口が救出したユダヤ人の人数は正確には分からないけれど、2万人とも言われている。

英語版ウィキペディアには樋口季一郎の項目が作られているのだから、日本人なら常識として知っておきたいところですね。

ユダヤ人を満州に迎え入れてたあと樋口の部下は彼らに食べ物を提供して、ハルビンや上海に定住させたり出国ビザの手配をしたりした。
ユダヤ人に対するドイツの政策は深刻な人道問題であると東条英機は認識し、樋口の考えに理解をしめして積極的に支援した。

Higuchi’s subordinates were responsible for feeding the refugees, settling them in Harbin or Shanghai, and arranging for exit visas. General Hideki Tojo, then Chief of staff of the Kwantung Army, assented to Higuchi’s view that the German policy against the Jews was a serious humanitarian concern.

Kiichiro Higuchi

 

当時の日本がしていたことは、ユダヤ人を絶滅させようとしていたドイツの真逆。
それでドイツからは何度も抗議がきたけど、東条英機は「当然なる人道上の配慮によって行ったものだ」と一蹴した。

 

樋口季一郎

 

ユダヤ人を救った点では同じながら、杉原千畝に比べて樋口季一郎は日本であまりに知られていない。
*聞いた話だと、アメリカのユダヤ人社会ではわりと有名らしい。

これは、当時の日本軍の「善行」など認められないという思想的なことがおもな原因だろうけど、日本人がこの偉人を忘れていいわけはなく、その功績を伝えるための記念館(偉大なる人道主義者 樋口季一郎記念館)が北海道にオープンした。

産経新聞の記事(9/15)

戦後75年を経て足跡を知る人が少なくなっており、運営法人の三上武樹理事長(57)は「功績を世界に発信したい。記念館があること自体が発信になる」と話している。

「もう一人の杉原」樋口季一郎中将の記念館開館 北海道・石狩

 

これに日本のネットの声は?

・彼こそが真の英雄。
格が違う
・イスラエルと合作で映画化してほしい
・樋口季一郎はもっと評価されていい
・そんな人がいたのか
今度見学に行こう
・これを映画化して欲しいわ。
・北海道中の学校でこの方のこと教えるべきだわ

杉原・東条・樋口の影響下にいたら、アンネも15歳で殺されることはなかったはずだ。

 

樋口季一郎の功績を記念して、駐日イスラエル大使が寄贈したオリーブの樹

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。