アメリカの国際政治学者サミエル・ハンチントンは著書「文明の衝突」の中で世界を中華、日本、ヒンドゥー、イスラム、西洋、ロシア正教、ラテンアメリカ、アフリカの8つの文明にわけ、日本文明についてこう書いた。
「世界のすべての主要な文明には、二カ国ないしそれ以上の国々が含まれている。日本がユニークなのは、日本国と日本文明が合致しているからである」
国がそのまま文明になっているのは世界で日本だけだから、その意味で日本はとても特殊な国。
日本文明
ハンチントンの見解では、日本は2世紀~5世紀に中華文明から独立して成立した文明圏。
では、そんな日本は誰がどうやって造ったのか?というのが今回のテーマですよ。
日本神話によるとむかしむかし、まだ日本列島も存在していなかった太古のむかし、そこにはただ海が広がっていたころ、空には高天原(たかまのはら)という神の住む世界があった。
あるとき神々は下界に新しい国を造ることをきめ、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)という二柱の神に国造りを命じて、天の沼矛(あめのぬぼこ)という矛をあたえた。
イザナギとイザナミが空の上からその矛を海の中に入れて、かき回したあとに矛を引き上げると、矛の先から滴(したたり)り落ちるものが積もり重なって、於能凝呂島(おのごろじま)という島ができた。
イザナギとイザナミはその島に降りて(天下り)、次々と島を造っていき、いまの日本列島が出来上がったという神話がある。
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矛を持って日本を造っているイザナギ
きょう9月23日は「国生みの日」という記念日。
イザナギとイザナミが生み出した最初の島・於能凝呂島(おのごろじま)は淡路島という説があることから、淡路市の「くにうみ神話のまちづくり実行委員会」が、923を「くにうみ」(国生み)と読んでこの日を「国生みの日」にした。
これが正しければ、日本は淡路島からはじまったことになる。
要するに日本神話を利用した町おこしだけど、一年に一度ぐらい、日本がどのように誕生したのか振り返る日があってもいい。
もし日本が中国大陸とくっついていたら、いまごろ「中華文明」のひとつとしてハンチントンにカウントされていて、「日本文明」は存在していなかっただろうから、イザナギ・イザナミの二神が日本を島国として造ってくれて本当によかった。
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