イタリア人が驚いた「盗まなれない日本」とその逆

 

10月7日はトーとナンで「盗難防止の日」。
「盗」という漢字は成り立ちがなかなか面白い。
お皿に盛った食べ物を見て、「欲しい…」と思って人がよだれをたらす様子を表した字らしい。
「羨(うらや)む」の下の部分と同じだから、気持ちで共通するものがある。
*「盗」という字はもとは「盜」だったのだ。

さてサッカーメディアの「Goal」に、2014年のブラジル・ワールドカップで日本代表の監督をしていたイタリア人、ザッケローニ氏から見た日本人の印象が載っている。(2018年8月07日)

ザックが語る日本人「他のアジア人とは一線を画す。マリーシアはDNAにない」

 

ザッケローニ氏が驚いたのは、日本は盗難の危険性を考える必要がないほどの安全大国だったこと。
ブラジルW杯へ出発する直前に開かれた壮行会で、日本代表の選手たちは更衣室で着替えを終えると、テーブルの上に時計や財布など貴重品を置いたまま出て行った。
最後に残ったザッケローニ氏は『ここを閉めるのは誰だ?』と思ったけど、閉める者はだれもいないしカギすらなかった。

こんな光景を目にしたら、イタリア人だけでなくほとんどの外国人が盗難を心配するはずだけど、日本人は違った。

ロッカールームの数メートル先には、数百人もの人がいたにも関わらずだ。彼らには思い浮かびすらしない推測、懸念だったのだ。私は東洋をかなり旅したが、このような性格を持っているのは日本人だけだと言える。他のすべてのアジア人とは一線を画している

 

モノを盗むなんてことは、彼らには思いもしないことだったし、現実に貴重品は何ひとつなくなっていなかった。
「このような性格を持っているのは日本人だけだ」というイタリア人の意見は大事で、こういう他人への無条件の信頼は国内限定にしたほうがいい。
海外へ行ったら身を守るために、真逆の性格にならないといけない。

 

ちょうどきのうイタリアに30年ほど住んでいた日本人がSNSで、イタリアの治安について日本人に注意をよびかけていた。
イタリアでは本当によくモノが盗まれるらしい。
街を歩くときはスリに、家を空けるときは泥棒を想定してそれなりの備えをする必要がある。
でないとこんな目にあうから。

知り合いで家の盗難にあった人も結構多く、家に帰ったら頑丈なドアが倒れていたとか、1年に3、4回も空き巣に入られた、と言う知り合いもいます。

イタリアの鍵重い!

 

それでもこの知り合いの日本人も海外に住んでいたのだから、そんな話は事前に聞いていて、それなりの注意はしていたはずだ。
それでも激しく運が悪かったのか、イタリアの泥棒からしたら平和ボケの甘い用心だったせいか、1年で数回も被害にあった日本人がいる。

この投稿を見て「うちも!」というイタリア在住の日本人がいて、テラスに置いていた自転車が盗まれたとか、アパートに泥棒が入ったときには、特別がんじょうなドアだったイタリア人と大きな犬を飼っていた自分の部屋だけは無事だったというコメントがあった。
イタリア全土かそこだけか知らないけど、アパートのドアを見て「これでは甘い!」と思ったら、自分で別のドアを取り付けることができるらしい。

「頑丈そうに見えたイタリアのドア🚪 全然頑丈では無かったと泥棒に入られて気づいた。」というコメントもあった。
泥棒は泥棒で、事前にアパートの下調べをすませた上で、夏休みを狙って“仕事”をするというから、「泥棒は必ずくる」と考えてこれぐらいの自衛はしないといけないのだろう。

海外に行ったら「人を見たら泥棒と思え」という心がまえは標準装備にすべし。
少なくとも「盗」という字を思い出して、自分のモノを見て、「欲しいなあ…」と思う人がいることは想定して備えをするべき。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。