日韓関係が悪化する理由、『韓国は底なし沼』と中国メディア

 

ハンギョレ新聞が書くようにいまの日韓関係が、未来の見えない厳冬期に突入したのは明らかだ。(2020-11-23)

冷え切った韓日関係は、このまま冬を迎える見込みだ。

ギクシャクし続ける韓日関係…出口が見えない

 

これ以上ないほど悪化していたのに、ドイツの首都ベルリンに「平和の少女像」が建てられたことで像の撤去を求める日本と、それに反発する韓国で対立が深まり、韓日は出口の見えない暗黒空間に入ってしまった。

この像は、「芸術作品または戦時の性暴力被害者一般に対する表現ではなく、日本のみを標的とし、日本の尊厳性を一方的に傷つけている」と主張する日本に対して、韓国外交部(外務省)は「日本軍慰安婦被害者問題の解決に役立たない」と反論したと記事に書いてあって、歩み寄りはもはや不可能らしい。

でもいま関係改善を強く求めているのは韓国側。
年内にソウルで韓中日首脳会談を開きたいと考えているムン政権にとっては、それができなくなるとメンツが傷つくことになる。
そのためには当然、菅首相の訪韓が不可欠になるけど、韓国側が元徴用問題で現実的な解決策を提示しない限り、首相が韓国に行くことはないという。
他にも北朝鮮との関係改善のために、来年の東京五輪を有効利用したいと韓国政府は考えているから、その意味でも日本の協力は必要になる。

だから韓日の最悪関係を少しでも改善して「プチ最悪」ぐらいにしようと、先月、韓国から2人の要人(パク・チウォン国家情報院長とキム・ジンピョ韓日議員連盟会長)が相次いで日本へやって来て、菅首相を表敬訪問して韓国側の考えを説明した。
ハンギョレ新聞の報道からはムン政権のあせりが伝わってくる。

両国が強制徴用被害者の賠償問題をめぐる隔たりを埋められない状況で、来年7月の東京五輪の開催の成功を媒介に協力の糸口をつかみたい構えだ。

 

しかしここでも日本は、まず韓国政府が解決策を出すよう要求したから「冷え切った韓日関係は、このまま冬を迎える見込みだ」となる。

 

ではここで視点を変えてみよう。
「出口が見えない」日韓関係について中国メディアがどう伝えたか?

中国のポータルサイト・百度に最近、「日本がかつて韓国に支払った賠償金は、現在の価値に直せば天文学的な数字だった」という記事が掲載された。

これは1965年の日韓請求権協定のことだけど、日本は韓国に「賠償金」を支払った事実はない。
というのは当時、日本による朝鮮統治を合法と主張する日本と、それを違法とする韓国の間でもめにもめて結局、それは棚上げにして合意を急いだ背景があったから、日本は韓国に天文学的な「経済支援金」をわたしたというのが事実。

このとき韓国側が支援金を受け取ったことで、日本との間では元徴用工問題は解決済み。にもかかわらず、ムン政権の韓国はいまになってこの合意をひっくり返して日本企業に賠償を命じたから、いまの最悪関係がある。

サーチナの記事(2020-12-02)によると、これについての中国メディアの分析はこうだ。

「日本が韓国に与えた傷は非常に深く、当時の賠償金は一部に過ぎない。日本は引き続き賠償を支払うべきだ」と韓国側が主張するようになったとした。そして、「韓国の姿勢は明らかに『底なし沼』であり、それゆえに両者は対立を続けているのだ」と評している。

かつて日本は韓国に対し、ものすごい額の賠償を支払っていた=中国メディア

 

イグザクトリー。
関係悪化については「出口がない」のではなく、「韓国の姿勢は明らかに『底なし沼』であり」という中国メディアの指摘が正しい。
日韓が話し合って合意してゴールしても、あとになって韓国はそれを白紙にして新しい要求をするから、「両者は対立を続けているのだ」。
なんで韓国がそんなことをするかというと、できるかというと、日本が韓国に与えた傷は非常に深いと自分を被害者にして、加害者である日本に対しては当然のことと考えるから。
でも日本はそれを認めず、あくまで約束を守ることを要求するから、改善の光は見えないまま年を越すことになる。

それにしても中国メディアの分析が客観的、さらに的確で正直驚いた。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。