きょう12月25日はクリスマスの日。なんだが、1926年のこの日に大正時代が終わって、昭和が始まったことから「昭和改元の日」となっている。
大正15年がそのまま昭和元年となった。
ちなみにこのとき東京日日新聞(毎日新聞)が「元号は『光文』に決定」と報じたあとに、政府が「昭和」と発表したため大誤報となり、編輯主幹は責任をとって辞任。
とにかくこうして、「百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す」(国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う)という意味の昭和はスタートした。
元号についてくわしい情報はここでゲット。
元号制度が安定的にみられるのは文武天皇5年(701年)に「大宝」と建元してからで、以降、独自の元号制度が展開されている。
世界では一般的に西暦が使われている。
時代に名前を付ける元号制度は古代中国で始まったものの、1911年の辛亥革命によって清王朝が滅亡し皇帝がいなくなったことで元号も廃止された。
この制度は中国からベトナムや朝鮮半島にも伝わり、それぞれで使われていたけどいまはもうない。
ということで、元号を使っているのはいま世界で日本だけ。
それである中国人の日本語ガイドは、「この文化はもう中国にはありません。だから、日本に残っていて良かったです。個人的には親しみを感じます」と話していた。
ただボクが直接聞いた限り、元号という日本文化を好意的に評価してくれた外国人は中国人だけ。
それも元号を中国文化の延長とみている人だけで、「自分には関係ないから特に何とも」という中国人のほうが多かった。
それ以外の外国人となると話は別だ。
大正・昭和・平成・令和といった元号についてきくと、苦労した思い出を話す人がたまにいる。
たとえばあるイギリス人がオーストラリアへ旅行に行ったとき、現地で身分証明書の提示を求められたから、日本の運転免許証を見せたところ、生年月日が昭和で書いてあって双方の目が点になったという。
「え~っと、この数字は?」というオーストラリア人に元号について説明し、そのあとスマホで調べて西暦を相手に伝えて一件落着。
ただただ面倒くさかったらしい。
日本の大学で学んでいたインドネシア人が遭遇したケースはこれより大変だ。
日本に2年以上住んでいた彼は、インドネシア人の新入生の世話をするよう頼まれて、銀行口座を作ろうと12人の留学生を銀行へ連れて行った。
口座を開くためには書類に記入しなければならず、その書類は元号で書かないといけなかった。西暦はダメ。
それを知って、彼は気を失いそうになったとか。
でも正気を取り直して、これも日本で生活するために必要な知識だからと、12人に元号という日本独自の制度を説明して、全員の生まれた年をきいてスマホで元号に変換していった。
全員の口座を作るのに、なんだかんだで1時間半ほどかかって本当にウンザリしたらしい。
でもまぁイギリス人のケースはまれ。
日本で生活している外国人に元号についてきくと、書類を記入するときに平成(令和)を西暦にしないといけないのが面倒くさい、という不満がほとんど。
でも日本の役所は対応が丁寧だし仕事が早いし、賄賂を要求されることもない。だから、母国と比べれば全体的には快適だと言う外国人が多い。
「いまならスマホですぐ西暦が分かるじゃん!インターネットがなかった地獄のような時代に比べれば、本当に楽になったよ。これぐらいで文句言うな」と話すのは、20年ほど前の日本に住んでいたアメリカ人。
それにいまでは西暦で記入できる書類も多くなった。
では元号をなくしたほうがいいかたずねると、「そうするべき」と答えた外国人は一人もいない。
ふだんの生活で元号を意識することはないし、どういうときに困るか分かっているから、実際に困ることはない。
それにこれは日本のことだから、日本人が決めるべきで自分たちには関係ない。
そう言う外国人ばかりで、元号については支持も否定もしないニュートラルな立場という人ばかり。
日本人が仏暦やイスラーム暦を使う国で生活すれば、同じことを思うだろう。
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元号が続いているということは、天皇制が続いているということでもあります。良いことなのではないですか。
もちろん元号制度は文化ですし、日本と切り離すことはできません。
世論調査でも元号廃止を望む声は少ないです。