米さえ否定した「慰安婦＝奴隷制」を韓国裁判所が公式認定

たび重なる韓国の「約束破り」によって、もともと危なかった日韓関係はもはやひん死状態だ。

1965年の日韓請求権協定や2015年の日韓合意という、国家間の２つの約束をひっくり返して、韓国の裁判所が日本政府に元慰安婦への賠償を命じる判決を出して、新年早々、いま両国が大騒ぎになっている。

個人が国家を訴えて、それが認められるのたのだから、韓国を世界の常識で理解することはもはや不可能。

といってもこの結果は韓国政府の想像さえ超えていた。
それでいま、あちらはどうやって収拾をつけたらいいのか頭を悩ませているらしい。
朝鮮日報の記事（2021/01/09）

外交部は内部的に「訴訟却下」の可能性に重点を置いていたが、予想外の判決に困惑しているという。

韓日関係改善を試みていた文政権に…慰安婦判決が予期しない変数に

それはこっちのセリフじゃ。

ある日本政府関係者は、「判決は国際慣習法に先行するというのはあり得ない。都合のいいように判決が変わる国だということだ」とあきれ返る。
「世界のルール＜国内ルール」ということであれば、何でもやり放題になってしまう。

今回の判決が破滅的で衝撃的なのは、当時の慰安婦が国際法に反する「奴隷」だったと裁判所が判断したこと。

中央日報の記事（2021.01.10）

１審裁判所も奴隷制を強行規範の例示として挙げたが、「慰安婦＝現代版奴隷制」という認識で見れば強行規範を破った日本に対する裁判も可能という判断だ。
普遍的人権とは強行規範が主権免除という国際慣習法の上位にあるという点を明確にしたのだ。

韓国裁判所「慰安婦＝現代版奴隷制」…日本の資産差し押さえ時は波紋大きく

慰安婦には多くの日本人や台湾人もいたけれど、現在問題にしているのは韓国だけ。

「国際慣習法に先行するというのはあり得ない」というのが日本の（世界の）見方なわけだが、慰安婦を「現代版奴隷制」の被害者とみた韓国の裁判所はそれを現実のものにした。

だがしかし、この点について答えはすでに出ているのだ。
慰安婦問題について日本政府が調べた結果、女性を日本軍が強制連行したとか、性奴隷にしたという根拠は何も見つからず、この説は否定されている。
韓国政府でさえ、その根拠を見つけていない。

アメリカ政府が850万ページもの公式文書を調査したところ（ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班（ＩＷＧ）米国議会あて最終報告）、慰安婦問題について日本の戦争犯罪は何も見つからなかったと」結論づけた。
これに調査担当者はなぜかガッカリ。

産経新聞の記事（2014.11.27）

報告の序文でＩＷＧ委員長代行のスティーブン・ガーフィンケル氏は、慰安婦問題で戦争犯罪の裏づけがなかったことを「失望」と表明。調査を促した在米中国系組織「世界抗日戦争史実維護連合会」の名をあげ「こうした結果になったことは残念だ」と記した。

米政府の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず…日本側の主張の強力な後押しに

偏見や変な期待をもって調査をするから、現実に裏切られてしまう。
でも、事実は事実として受け入れたのは立派。
戦争犯罪の裏づけが何もないにもかかわらず、韓国の裁判所は「慰安婦＝現代版奴隷制」と認定して日本に賠償を命じたのだから。
これで日本の資産が差し押さえられる事態になったら、両国関係はもう破滅だろう。
まぁそれで韓国政府もあせっているのだが。
「都合のいいように判決が変わる国」との関係は、ことし一年で大きく動きそう。

かつて日本が統治していた台湾と韓国では、現在の見方が恐ろしいほど違う。