きのう1月17日は、1995年のこの日に阪神・淡路大震災が発生したことから「防災とボランティアの日」になっている。
同時に、このときボランティアの炊き出しで被災者が励まされたことから、「おむすびの日」という記念日でもあるらしい。
「乗っかった感」がないわけでもないが、みずみずしい稲穂がたくさん実る「瑞穂の国」と呼ばれる日本らしい記念日だからまぁいいか。
6月18日は「おにぎりの日」だからこれで公平感もある。
ということで今回のテーマはおにぎり。
この食べ物と日本人の付き合いは長くて深い。
おにぎりについての最古の記録は奈良時代の地誌『常陸国風土記』の中にあって、いまの日本で見られる握り飯(おにぎり)の原型は平安時代の「屯食」(とんじき)という食べ物だといわれる。
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いまでは日本の国民食として、揺るがない地位を誇るおにぎり。
ネットを見ると関東では「おにぎり」、関西では「おむすび」と言われることが多いなんて書いてあるけど、実際には地域差は関係ないようだ。
景色の良いところに座って、持ってきたおにぎりを食べる人たち。
これは江戸時代もいまの日本人も変わらない。
この日本人のソウルフードについて、在日外国人はどんなことを思うのか?
いままで彼らから聞いてきた感想を思い出しながら、以下に書いていこう。
香港人いわく、
「香港・中国・台湾の中国文化圏では冷たいお米は嫌われるから、おにぎりのような食べ物はない。自分も、はじめはおにぎりを食べなかった。でも日本のお米は冷たくてもおいしいから、いまではよく食べている。日本の影響から、最近では香港や中国のコンビニでもおにぎりが登場した。」
日本に15年以上いるアメリカ人
「和食に対しては日本人にもいろんな好みがあって、納豆やとろろでは好き嫌いが分かれるし、寿司やてんぷら、ラーメンを苦手とする人もいた。でもおにぎりは違う。「おにぎりが嫌い。食べられない」と言う日本人には会ったことがない。あれは無敵だね。」
ヴェジタリアンのインド人とイギリス人
「日本人はお肉が大好きだから、ヴェジタリアンにとっては日本で生活するのがむずかしい。レストランで「野菜カレー」や「野菜サンドウィッチ」と書いてあるのに、肉が入っていたこともある。海外だったら訴訟もの。でもおにぎりなら、ヴェジタリアンでも安心して食べられるものがあるからいい。」
イスラーム教徒のインドネシア人
「イスラーム教ではアルコールや豚肉など、口に入れるのを禁止されている飲食物がある。これは神との契約だから必ず守らないといけない。酢やしょうゆにもアルコールがふくまれたものがあるから、日本では気を付けないとけない。でも、おにぎりはハラール(宗教的に許されたもの)が多いし、いろんな味があるから好き。」
アニメ大好きのトルコ人
「いろんなアニメでおいしそうにおにぎりを食べるシーンを見たから、あの味がずっと気になっていた。トルコでは海草を食べないから、ノリにはちょっと抵抗があったけどすぐに慣れた。いまではおにぎりを気に入っている。いろんな味があるから、日本人の発想力はすごいと思う。」
母親が日本人で日本文化を知っているイギリス人
「イギリスで日本のアニメを見ていたら、登場人物が食べているおにぎりが吹き替えでは「ドーナツ」になっていた。あれ?って違和感を感じたけど、おにぎりはイギリスでいうドーナツみたいな食べ物で、朝食によく食べるものだと理解した。でも日本に来てみたら、日本人はいつでもこれを食べているから、サンドウィッチに近いと思う。」
ということで、日本米とバラエティーあふれる具が組み合わさったおにぎりはまさにオールマイティー。
人種や国境、宗教や個人の信条を越えて、どの外国人にも受け入れられ、愛される一品だった。
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旅㉖日本人として、アメリカ人に「米とおにぎり」について話す。
>でも日本のお米は冷たくてもおいしいから、
おそらく、これが決め手でしょうね。
さすがに、タイ米やインド米ではおにぎりにしてもちょっとなぁ。
>日本人はお肉が大好きだから、ヴェジタリアンにとっては日本で生活するのがむずかしい。レストランで「野菜カレー」や「野菜サンドウィッチ」と書いてあるのに、肉が入っていたこともある。
へーぇ、そんな考え方もあるとは意外でした。なるほどなぁ。要するにヴェジタリアンにとっては、肉のほんの小さな切れ端でも許しがたいということですね。
まあでも、「野菜サンドウィッチ」というのは「野菜を主に挟んだサンドウィッチ」のことであって、「純野菜サンドウィッチ」とか「野菜のみサンドウィッチ」とはどこにも書いてないですから、その要求はちょっと無理な話じゃないですかね。
日本ならOKでも、海外では通用しないでしょうね。