きっと日本人には分からない、中国語の「毛病」の意味

 

同じだけど違うのが日本と中国の漢字。

たとえば中国語で「愛人」とは不倫や浮気相手ではなくて、夫や妻を意味する健全な言葉。
また「老婆」とはおばあさんではなくて、妻や新妻を指す。
だから木村拓哉さんと工藤静香さんが結婚したとき、台湾メディアの「木村拓哉老婆工藤靜香」という見出しを見て、現地の日本人が驚いたという話を聞いたことある。

そんなことから、日本語と中国語の漢字の違いなんかに興味をもっていたわけですよ。
そして最近、出会ったのが「毛病」って言葉。
これを見て髪の毛が抜けてしまう病気とか、変色する病気なんかを連想したのだけど、実際の意味はまったく違った。
中国語でこれは「スマホが毛病した」、「時間に遅れるのがあなたの毛病だ」といった具合に使われるという。
「毛病」とは、物に対しては「故障や欠陥」、人には「悪いクセや欠点」という意味があるのだ。

そんな話を中国人から聞いたとき、「病」は何となくわかるとして、機械の故障や人の悪習をなんで「毛」と表現するのかが気になった。
「そこまで考えことはなかった!」と中国人はその場で調べてくれた。

 

彼がネットで調べたところ、この「毛」は人間のものではなくて、馬の毛だったことが判明。
むかしの中国人は良い馬か悪い馬かを見分けるとき、その毛の状態に注目したという。
日本人的にも、動物の良し悪しを毛並みで判断する考え方は理解できると思う。

いまネットでみてみたら、毛が5回巻いているのは良い馬で、14回巻いているのは悪い馬らしい。
ということでむかしの中国人は、問題のある馬や悪馬のことを「毛病」と表現していた。その意味が拡大して、故障や欠点、悪癖を指すようになったようだ。

さて、わが身を振り返って毛病があったら、毛並みを整えようか。

 

 

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2 件のコメント

  • そう言えば、「三国志」で、劉備の乗っていた馬が「的盧(=額に白斑のある馬)」であるため不吉であると忠告されたが、劉備自身はその話を一蹴して馬を可愛がっていたところ、後年、その馬によって劉備の命が救われることになるというエピソードがありましたね。馬の恩返し?
    中国では伝統的に、馬の毛並みを非常に重視するのでしょうか。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。