【ドイツ人の国民性】不正をさせない、ビールグラスの“線”

 

3月8日は「ビールサーバーの日」。
3と8で「サー・バー」と強引に読むことで、この記念日が成立したらしい。
ビールといえばやっぱり、「オクトーバーフェスト」という世界的な大ビール祭りのあるドイツを無視しするわけにいかぬ。

日本とドイツといえばともに第二次世界大戦の敗戦国で、そこから戦後、世界有数の経済・技術大国に成長した。
それで日本人とドイツ人には勤勉性とルールの順守という共通点がある、といわれることもある。
でもこのまえドイツ人の友人と話をしていて、「ソレはない。気分がなくなるわ」と思ったことがあった。

それがドイツのビールグラス。
彼が言うには、これにドイツ人の“らしさ”がよく表れている。

 

ドイツのビールグラスの写真が見つからなかったから、この写真はチェコのもの。

 

ドイツ人は基本ビール好きで、ドイツ在住の日本人が「彼らは冬でも外で立ったままビールを飲んでいる!」と驚くほど。
そんな国で店がビールの量を誤魔化して、客をだますことは絶対に許されない。
だから店が不正をしていないことを証明するため、グラスには線(Fill line)があり、必ずそれ以上注がないといけないようになっている。

グラスにこの線があるのはドイツだけではないけれど、英語版ウィキペディアをみるとやっぱりドイツに特徴的らしい。

The technical specifications are written towards ensuring consumer protection. The fill line must be horizontal and at least 10 mm long

Fill line・Germany

 

それも泡を抜きにして、ビールの液体部分がこの線を超えないといけないと、ドイツの法律できめられている。
友人のドイツ人は、ワインはふつうボトルで頼むからワイングラスにこの線はないと言っていたけど、ネットを見ていたらで、同じように「不正防止線」のあるワイングラスもあった。
ちなみに彼は、ドイツに来たアメリカ人から「この線はなんだ?」と質問されたことがあるという。

 

ドイツのワイングラス

 

ルールを分かりやすく明示して、みんながそれをしっかり守る。
もちろんパーフェクトではないとしても、ドイツ社会ではいろんな面でこの態度がみられるから、友人はそれをドイツ人の国民性と考えていた。Fill lineはその象徴。
店のサービスや商品に文句を言うドイツ人客も多いから、事前に自分で確認させてそれを封じる意味もあるらしい。

ドイツ在住の日本人の中にも、グラスの「線」にドイツ人の“らしさ”を感じる人がいた。
その人いわく、イタリアやフランスのレストランやデパートの派手でオシャレな飾りに比べて、ドイツでは地味なショーウィンドウや店が多い。
ドイツ人は見た目よりも中身を重視するから、店の雰囲気より料理の質にこだわるのだろうとその日本人は話していた。

 

ドイツのスーパーのソーセージ売り場

 

「ビールの量で店が不正をするのは許されない」という考え方は日本でも同じだとしても、客がチェックできるようグラスに目盛りを付けることまで要求する人はいない。
いてもきっとレアで、社会的な常識にはならない。
個人的にはこれだと、「見ろ?誤魔化してないだろ」と店が主張しているようで、それになんか理科の実験器具のように見えてしまい、楽しく飲む雰囲気が薄れてしまう。
日本ではそこら中に、無人販売所があることに驚く外国人はよくいる。
店や他人の「誠実さ」を信用するのが日本人の国民性か。

 

 

日本 「目次」

ドイツ人が感じた日本の街や人:無人販売所・盗み・創造力

カリブ人から見た日本「自転車が盗まれないってウソだろ?」

外国人が驚く日本社会の2面性「なんでカードが使えない?」

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

 

3 件のコメント

  • 対照的な例で言うと、日本酒の「もっきり」ですかねー。
    元々、量り売りで提供するのに、ないなみを通り越して表面張力分以上、更には溢れるまで注ぐ為に升で受けて、とサービス精神が正に溢れてます。
    サービスにしても品質にしても、過剰を良しとするのが日本人の良いところであり、悪い所でもあるような気もします。

  • > 「ビールの量で店が不正をするのは許されない」という考え方は日本でも同じだとしても、客がチェックできるようグラスに目盛りを付ける

    まあ、店側の「不正防止」という意味もあるのでしょうが。
    日本でこれが流行らない理由として、「日本人のウェイターはビールをグラスへ注ぐのが他国よりも正確で上手である」ということもありますよね。外国では、このような線が入ったグラスでないと、液体の量も、泡の量も、全体の量もそれこそばらばらまちまちになってしまうのですよ。アメリカのビアホールとかで注文するとよく分かります。(って言うか、オレが日本人だから馬鹿にされただけなのかな???)
    日本だったらそんな下手くそな生ビールの注ぎ方のウェイターなんて、許されるもんじゃありません。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。