外国旅行で見た日本ブランドの力 in ミャンマー・中国・台湾

 

最近のできごと

中国の人民服のモデルは、日本の学生服だったらしい。

人民服も学生服も知っていたけど、学生服が人民服のルーツだったなんてまったく気がつかなかった。

11月30日の産経新聞の記事から。

日本の学生服が「人民服」のモデルだった… 北京でファッションショー

ところで中国の人民服ってやつを知ってますか?
こんな服のこと。

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人民服(ウィキペディア)

 

人民服は北朝鮮でも使われている。

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人民服を着用する金正日(ウィキペディア)

 

で、これが上の記事の内容。

「中国革命の父」孫文の生誕150年を記念し、日中間のファッション交流をテーマにしたフォーラムが30日、北京で開かれた。

孫文が正装として導入した「中山服」(人民服)が日本の学生服を基にデザインされたとされることにちなむイベントで、コシノジュンコさんら日中の著名デザイナーが現代風にデザインした人民服のショーも開かれた。

モデルが人民服を着て歩くファッションショーというのも新鮮。

 

ただウィキペディアを見ると、「人民服は学生服から」という説を否定している。

この服装の原形は、孫文(孫中山)が日本留学中に日本の学生服や日本陸軍の軍服をモデルにデザインした中山服であるとする説があるが、実際には孫文の軍事顧問だった日本陸軍軍人佐々木到一が考案したものである。

(ウィキペディア)

どちみち、日本人が人民服を考案したことは変わらない。
でも、ウィキペディアの情報よりは、産経新聞の方が信用できる。

 

それより、中国人民の「聖地」である天安門広場の毛沢東は、この人民服を着ているぞ。

もともとは日本人が考案した服だけど、これはいいのかな?

 

Mao Zedong Portraet am Eingang zur Verbotenen Stadt

天安門広場に飾られる毛沢東の肖像画(ウィキペディア)

 

前回、ハーゲンダッツの命名の理由について書いた。

ハーゲンダッツはアメリカのアイスクリームメーカーだけど、英語ではなくヨーロッパ風の名前をつけている。

おいしいミルクのイメージがあり、“外国の上質なアイス”の雰囲気と高級感を感じることができるように工夫をしたそうだ。

名前の由来は?25周年“ハーゲンダッツ”の秘密

 

アメリカでは、母国語の英語よりもヨーロッパの言葉の方が高級感が出るらしい。
実際に、アメリカ人もそう言っていた。

でも、東南アジアや中国を旅行していたときにも、同じような発想をよく見かけた。

 

この写真は、ミャンマーのアイスクリーム屋。

なんで、ミャンマーのアイスクリーム屋に「FUJI(富士山)」という日本の名前をつけるのか?

アイスクリームは、日本生まれでも日本の文化でもない。
抹茶アイスクリームなら、日本風アイスクリームになるけれど。

 

これは、先ほどの「ハーゲンダッツ」と同じ発想。

ミャンマーでは、「日本=高級・高品質」という印象が広くある。
だから店のイメージアップのために、日本っぽい名前をつけたという。

 

ミャンマーを旅行した人なら知っていると思うけれど、ミャンマーでは日本の中古車がたくさん走っている。

それはいいんだけど、ビックリしたのは、その車にある日本語を消さずにそのまま残していること。

これも、日本ブランドを利用したイメージアップだという。
日本語が書いてあると日本車だということ分かるから、その方がイメージが良くてミャンマー人も安心するらしい。

 

これは、ミャンマーの蚊取り線香。

もちろん、ふつうのミャンマー人は「かとりせんこう」なんて平仮名を読めないし、意味も分からない。

でも、「日本っぽい」から信頼を得やすいという。

 

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イギリスの「サツマ」というみかん。
これは、「日本っぽさ」は関係ない。

 

イギリスでは、昔からみかんは「サツマ」と呼ばれている。

なんでイギリス人はみかんを「サツマ」と呼ぶの?②薩摩藩と英の「薩英戦争」

 

さて、下の写真を見てほしい。

これは中国の空港で見つけたお店なんだけど、なぜか看板に「の」という日本語を使っている。

最初これを見たときには、この「の」の意味が分からなかった。

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でも、ここまでこの記事を読んでくればもう分かったと思う。

「ハーゲンダッツ」や「FUJI」と同じ発想だ。

中国でも、「日本製=高品質」というイメージが広くある。
中国に住んでいる友人に、この「の」のワケを聞いたら、これも店のイメージアップのためだという。

店名に「の」という日本語を入れることで、中国人のお客さんに「日本の店」とか「日本と関係がある店」と思わせるねらいがあるという。

ふつうの中国の店よりも、日本をにおわせた方が高級感が出たりワンランク上の店に見えたりするらしい。

 

この考え方は台湾でも通じる。

だから台湾製の物に「の」の平仮名をつけることで、日本製に見せかけようとしたりイメージアップをはかったりすることがある。

台湾で日本語の「の」が乱用されている?=「おれは『の』の字を見たら絶対に買わない」「日本人が漢字を乱用していることの方が問題」―中国ネット

記事によると、台湾人のほとんどが日本語を話せるわけではないのに、商品や看板などにやたらと「の」が使用されていると指摘。例えばヨーグルトの商品名が「植物の優」であったり、ペットボトルの緑茶の商品名が「超の油切」などがあると紹介した。

 

台湾で日本語の「の」が使われていることについて、中国人はこんな反応をしている。

「長く植民地だったからな。親日にもなるさ」

「おれは『の』の字を見たら絶対に買わない」

「西洋を崇拝し日本にこびている。でも中国でも『の』を使うのが好きな人は多いよ」

台湾で日本語の「の」が乱用されている?=「おれは『の』の字を見たら絶対に買わない」「日本人が漢字を乱用していることの方が問題」―中国ネット

でも、「の」の乱用が台湾で問題になることもあるけどね。

外国(台湾とアラブ)で大活躍!日本語の平仮名とカタカナ。

 

 

ミャンマー、中国、台湾で日本語が使われていることは、「日本のパクリ」ではないからいいんだろう。

でも、日本製に見せかけても中身は外国製なんだから、質は良くないと思う。
「日本製は、こんなものか」と思われるのは、日本人にとっては気持ちの良いことではないな。

でも、外国で日本のブランドイメージが高く評価されている、という証拠でもある。

それにしても、中国のいろいろなところで日本語が使われているのを見ると、あの反日暴動はなんだったのか?と思ってしまう。

 

これは、中国で見つけたカイロ。

これなんかは、本当に日本製かと思ってしまう。
「オアイリマーヤス」ってなんやねん。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。