「外国人なんて、この刀で片づけてやるっ」とか言ってた攘夷志士もすっかり片づけられて、日本が外国人を受け入れはじめた明治時代、モースと申すアメリカ人がやって来た。
エドワード・S・モース(1838年 – 1925年)
東京大学の教授をしていたモースは、大森貝塚を発掘したことでも有名。
ほぼ紙と木でできていた当時の日本家屋にとって、大敵は何と言っても火事だった。
あるときモースは、大火事があった直後の日本人の様子を友人のスコットからこう聞いた。
大火事がまだ蔓延している最中に、焼けた跡に板でかこいをし、看板を出し、燃えさしを掃除している人々を見たといった。
「日本その日その日 (モース エドワード・シルヴェスター)」
悲しいことやツライことがあっても、それを抱えたまま日本人はすぐに前を向いて動き出す。
こうした日本人の「復旧力」に、モースもスコットも驚き感銘を受けたらしい。
さてきのう2万2千人を超える死傷者をだした、東日本大震災からちょうど10年を迎えた。
まだ心の傷は癒えていないけれど、人びとの生活はかなり改善された。
上は津波に押し流されて、太平洋を漂っている家
下は全壊した福島県のJR新地駅
きのうは外国人も、これに関連した投稿をSNSにいくつもしていた。
・Today in Japan 🇯🇵 is a sad 10 anniversary of the earthquake and tsunami 🌊 2011 March 11 Rest In Peace all people died that day
・Rest in Peace
・RIP to all the victims 🙏🙏🙏
「RIP」(Rest in Peace:安らかにお眠りください)と、死者の魂に手を合わせる人が多い。
この価値観や態度は日本人とまったく同じ。
でも、ちょっと違うなと思ったのは、「God bless(神の恵み)」という単語を使う人がたくさんいたことだ。
・Oh my god, pray for japanese peoples,god bless us
・I love Japan…
God bless Japan.
・Pray For Japan and ‘ GOD ” Bless them always
・So sad, god blessed u Japan 🙏
もちろんキリスト教徒やイスラーム教徒の日本人なら、同じように「神」に言及するだろう。
こんな哀悼の意とは別に、この未曾有の大災害をうけたときの「日本人の復旧力」に驚き賞賛する外国人も目についた。
「なあ、知ってるか?」とある外国人が3月11日の当日、ここまで破壊された高速道路(常磐道)の写真をアップする。
でも3月17日には、車両が通行できるまで復旧した。
画像はネクスコ東日本のホームページから
このビフォーアフターを見て「フォトショップだろ?」と疑う人がいれば、「日本についてこの手のことではもう驚かない」と達観する人もアリ。
一番多かったのはこんな感想だ。
「That is amazing, in the UK it would have taken 3 weeks to decide which maintenance team was going to do an initial inspection before writing a report detailing what needs to be done. Hats off to the Japanese efficency at its best」
すごいね。
イギリスだったら、復旧工事に関する書類を作成する前に、まずどのメンテナンスチームが点検するかをきめるまでに3週間はかかっていただろうね。
日本の効率の良さには脱帽するよ。
外国人の反応をみると、「ウチの国でも1週間以内にここまで復旧する」という声は皆無。
数か月から数年はかかるという人が多くて、なかには「絶対にいまでも工事中だよ」と言う人もいた。
明治も令和の日本人も外国人からすると、驚異的な復旧力を持っているのだ。
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