【文政権の韓国】ソウル市の『外国人差別』に内外から批判殺到

 

先週、ソウルの小学校で英語を教えているアメリカ人とスカイプで話をしたときに、「最近なにか変わったことはあった?」ときくと、「人種差別があった!」と即答。やや興奮気味に言う。
落ち着け、話を聞かれてほしい。

すこしまえにソウル市が、市内に住むすべての外国人”だけ”に新型コロナの検査を行うと発表した。
これは外国人の義務で拒否した人には、最高で約19万円の罰金を科せられる。
21世紀とは思えない、あまりのあり得なさにアメリカ人は最初、これを冗談と思ったらしい。
でも事実とわかって韓国中の外国人が騒ぎ出す。
特に”狙い撃ち”にされたソウル在住の外国人は激怒して、みんながネットで怒りをぶちまけた。

イギリス(駐韓英大使)はすぐに、「こうした措置は公平性を欠く上、効果もないと思われる」という反対の声を上げて韓国政府に抗議。
カナダ大使もその声明をリツイートし、ほかの大使もイギリス支持を表明する。
この間、日本は何をしていたのか?

海外メディアも排外主義的で差別的な政策だとソウル市を批判した。

ソウル市の対応にビックリした韓国人も多く、中央日報日本語版は社説でこうあきれた。(2021.03.20)

世界経済10位圏の自由民主主義国家で起きたこととは考えにくい。仮に欧州と米国・日本などで韓国人にこうした命令が下されたとすれば、どうだろうか。単に外国人という理由で国民と差別するのは明白な人権侵害だ。

浅薄な人権意識を見せた外国人コロナ検査騒動=韓国

「後進的な人権意識をさらけ出した。差別との批判は避けられない」と全国紙のハンギョレ新聞も怒る。

 

『人権弁護士』のムン・ジェイン氏が大統領となり、民主化運動に取り組んでいた人たちと一緒に政権運営を行うことになったとき、韓国では「人権増進に対する期待はいつよりも高かった」(中央日報)という。
でも政府はすぐにそれを失望や絶望に変えた。
ここ10年で国連が韓国政府に提起した人権問題のうち、「半分以上の18件が文在寅政権に入ってからのことだ」と記事にある。

ムン大統領は昨年の演説で「すべての国民が人間として尊厳と価値を持つようにするのがわが政府の目標」と強調したのに、最近起きた殺人事件では、犯人を特定するために韓国警察は約100人の遺伝子を検査したという。
いつもながら何という二重基準。
厚顔無恥な文政権に中央日報は、「市民の自由を抑圧する公権力の不当な行使と公然と加えられる差別と統制から速やかに是正することを望む」と注文をつける。

 

人権が最も価値あるように語る政府と現実とのギャップを、知人のアメリカ人はここ数年で何度も感じた。
今回のソウル市の”強制検査”に対しては、韓国人教員も「これは明らかな外国人差別。理解できないし本当に恥ずかしい。こんなことをやったら、韓国に対する国際社会の評判が下がってしまう」と怒っていたとか。

こうした内外からの「人種差別的」という猛批判を受けて、ソウル市は強制から”検査を強くすすめる”と態度を変えた。

 

それにしても一体なんで、世界経済10位圏の自由民主主義国家が「後進的な人権意識」をさらけ出して、外国人差別としか思えないことをやろうとしたのか?
アメリカ人が韓国人の同僚や友人にきくと、来週4月7日に行われるソウル市長選挙で、与党候補者が有利になるようこんなバカげた発表をしたのだという。
これに反対した人はもちろん多かった。
でも実は、こういう対応を隠れて支持する差別主義者も多くいて、そういう人間の票を集めようとしたのではないか?というのがまわりの韓国人の意見。

もしそうだとしたら、今回の『差別事件』はソウル市の暴走ではなくて、もっと根深い問題になる。

 

 

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2 件のコメント

  • > 人権が最も価値あるように語る(韓国の)政府と現実とのギャップを、知人のアメリカ人はここ数年で何度も感じた。

    ははははは、さすがは「ワロタフ」の本家ですねぇ。はいはい、ワロタフワロタフ。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。