いまの韓国の日常:日本旅行で「売国奴」、演奏会では差別用語

 

3月1日は韓国国民にとって特別な日。

1919年3月1日、日本に統治されていた朝鮮半島で独立運動(三・一運動)が起きたことで、この日はいまでも、韓国で「反日愛国」のムードが最高レベルで高まる日になっている。

この独立運動は憲法でも触れられているから、これはもう建国精神や国民性の一部とみていい。

悠久な歴史と伝統に輝く我々大韓国民は、3・1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4・19民主理念を継承し

大韓民国憲法前文

 

ことし2019年は「三・一運動」からちょうど100周年に当たる。
特別な年で、特に配慮しないといけないはずなのに、その前日の2月28日に、韓国人女性ユーチューバーが日本旅行の動画を公開したことで批判が殺到して大炎上した。
25万人以上の登録者を誇る人気ユーチューバーで、「여락이들_(青春ヨラク)」というチャンネル名で活動しているらしい。

鳥取県を旅行したときの動画というから、ほのぼのテイストの内容だと思うけど、公開するタイミングが悪すぎた。
「売国奴め」「ふざけるな」といった非難が韓国のネットユーザーから殺到したことで、すぐに投稿は削除された。
このユーチューバーは「時差で独立運動記念日と分からなかった」と泣きながら釈明したけど、韓国人のことは韓国人がよく知っている。
こんな見え透いた言い訳が通じるはずもない。
それで今度は「この動画の収益は慰安婦団体へ寄付する」と言ったら、さらに炎上してしまった。
この国では、謝罪すると炎上することがたびたびある。

そういえば1998年に、よりにもよって3月1日にサッカーの日韓戦が行われて、韓国が1 – 2で負けてしまった。
このとき韓国のネットは大爆発した。

 

韓国社会には常に反日感情があるけど、それがいつも同じレベルであらわれるワケではない。
3月1日や8月15日などの特定な日や日韓でいざこざがあると、反日気分が一気に高まる。
でもいまは、毎日が反日デーらしい。

きっかけは日本による対韓輸出の管理強化だ。
これは安全保障上の措置なのだけど、韓国では「経済侵略」と国民的な憎悪の対象となっている。

若い人たちのインスタグラムでは「独立運動ができなくても不買運動はする」 という言葉が流行しているし、「#ノーノージャパン」「#日本不買運動」「#日本旅行キャンセル」「#boycottjapan」といったハッシュタグもつくられた。

社会がこんな空気につつまれているから、日本旅行の予約は激減している。
「青春ヨラク」のチャンネルは無事だろうか?

韓国社会を15年以上見てきたから、ここまでならボクもおどろかない。
実際、これぐらいなら韓国人の反発も起きていない。

でも、韓国人すら「一線を越えている」と問題視したのは、レコードチャイナの記事(2019年7月24日)にある内容だ。

SNS上に日本旅行の感想をネット上に公開している人を見つけ出し、フォローして恥をかかせるという「日本旅行をした売国奴をフォローするアカウント」が登場して物議を呼んでいる

ソウル公演で日本人演奏者に「チョッパリ!」のやじ、韓国ネットからも批判殺到

 

さすがにこれには「行き過ぎ」という批判はあるけど、同時にいまの韓国社会には、日本を旅行したら「売国奴」とみなされる空気もある。
「青春ヨラク」はもうダメだろう。

ただ、上の記事で問題視しているのはソウルで行われたコンサートだ。
日本人のヴァイオリニストが曲の説明をしているとき、とつぜん観客が立ち上がって「チョッパリ!」と大声で叫んだ。

チョッパリというのは日本人を侮辱・差別する韓国の言葉のこと。

国立国語院標準国語大辞典には「日本人が足の親指と残りの指を分ける下駄を履くことから来た言葉」とある。

チョッパリ

「会場の雰囲気は一瞬にして凍りついた」とある。

 

近ごろ日本でも「嫌韓が度を超えている」と非難の声が上がることもあるけど、「韓国旅行をした売国奴をフォローするアカウント」が登場したり、東京で開かれたクラシックコンサートで韓国人奏者に向かって「チョウセンジン!」と叫ぶことはない。

いままでなら、ここらへんで韓国のマスコミや政治家が「気持ちは分かるが冷静になるべき」と国民に訴えて事態は(少しは)沈静化に向かうのだけど、いまの韓国はいつもの韓国ではない。
ニューズウィーク誌がこう表現するような大統領がトップなのだから。(2019年7月23日)

韓国「反日大統領」文在寅、成功体験を重ねた自信家の経歴

異常が日常になってしまった。

 

 

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韓国 「目次」 ③

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

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4 件のコメント

  • 「日本人が足の親指と残りの指を分ける下駄を履くことから来た言葉」だけでは説明が不十分で、なぜこれが侮蔑語になるのか分からないですよね。「チョッパリ」というのは、「2つに割れた蹄(ヒヅメ)」という意味、つまり鼻緒を挟んでいる足の指が豚の足の蹄のようだという意味の侮蔑語です。(ここのところ、Wikipedeiaもごまかして記述がしてあります。)
    したがって「チョッパリ!」という侮蔑語を和訳すれば、「豚足野郎!」というのが近いと思いますね。
    この説明を初めて聞いた時、ははは、なかなかうまいことを言うと思いました。

  • ご指摘どおり説明不足なのですが、「豚の足の蹄」の根拠を見つけられませんでした。
    もしご存知でしたら、ぜひ教えてください。
    それとポリティカル・コレクトネスの厳しいいまですので、コメントは一部変えさせてもらいました。

  • 私~GHQから日本がいつ解放されたのか勉強していると思いますが覚えていません。
    日本で現在反米運動や活動しているの見たことないです。沖縄ではたまにありますが。
    アメリカから輸入規制をかけられたとニュースで見たこともあります。 でも不買運動や反米運動見たことないです(抗議のデモはありますが) 私の叔母は被爆者ですがだからといって反米ではないです。
    日本人てアメリカにかなり洗脳教育受けているんだなぁと韓国のこういうの見て思います。
    WTOが開かれて韓国と日本がそれぞれ各国に説明する時に北朝鮮がミサイルを発射しました。
    北朝鮮は日本の味方なのでしょうか? ロシアと中国も合同演習名目で中国製ないしロシア製を買えと脅しをかけたんじゃないでしょうか?
    米中ロ同胞北朝鮮と四面楚歌? 韓国は韓国である意味大変なんだろうな。
    反日やってる場合じゃないと国民に言えないのは自分たちの教育なんだから仕方ない。

  • 「水に流す」という言葉があるように、日本人は区切りをつけたら過去のことは持ち出さないのでしょう。
    原爆や東京大空襲のようなことがありましたが、アメリカを恨んでいる人は聞いたことがありません。
    韓国はいま大変ですよ。でも自ら招いた面もありますし、仕方ないですね。がんばってほしいです。

    なお、ここに載せられるようコメントは一部変えさせてもらいました。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。