決断を先送りにしたり立場をあいまいにする、「決められない政治」は日本政治あるあるのひとつ。
民主党政権時代も安倍政権だったころも、いまの菅政権でもこの批判があるから、これはもう日本政治の体質で国民にとっては運命だ。
新疆ウイグル自治区での人権侵害に対し、G7(主要7か国)では日本以外のフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダが中国に制裁を発動すると発表。
日本では茂木外務大臣が「わが国としても、人権状況については真剣に懸念しており」、「日本として今後、どう対応していくかについては、さらに検討を深めていきたい」と述べるにとどまり、具体的にどうするかは明らかにせず。
NHKニュース(2021年3月23日)
ウイグルの人権問題で欧米が制裁 中国は反発 日本の対応は
中国の反発を恐れていると今度は欧米の反感を買うし、日本はどうしたらいいのか悩み中。
いま個人的には、ミャンマーの人たちが日本政府の「きめられない政治」にイラ立っているのをよく見る。
ことし2月に国軍によるクーデターが起きてから、ミャンマーでは抗議デモの参加者や関係ない市民も巻き添えになり死者は500人を超えた。
市民が生きたまま焼かれたという報道もある。
米英は国軍への制裁をすでに決定した一方、日本は具体的な方針を発表していない。
それどころか軍政が外相に認めた人物を、ミャンマーの日本大使がそのまま「外相」と呼んだことで、ミャンマー国民から「彼はわれわれの外相ではない!」と猛批判をくらった。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の会合で、「外相」の呼称を使わなかったインドネシアとシンガポールとは対照的だ。
ドイツの印刷企業はミャンマーでの出来事に懸念と悲しみを表明し、国営企業との取引を中止すると発表した。
これによってミャンマーの紙幣発行が困難になるのは確実で、相当な経済的打撃になるのでは?
でも抜け道はある。
これはどこまで正確な情報かわからないが、ミャンマー国軍がお寺の飾りになっている金や宝石を取っていると写真付きで告発するミャンマー人もいた。
これを金に交換する人間はいくらでもいるはず。
ドイツ企業の判断で、国民はよけい苦しむことになるかもしれない。
わが日本では、ミャンマーへの対応について問われた政府はこう回答する。
「制裁を含む今後の対応については事態の推移や関係国の対応を注視し、何が効果的かという観点から検討する」
「事態の推移や関係国の対応を注視し、何が効果的かという観点から検討する」
「事態の推移を注視し、検討する」
「さまざまな主体とやりとり、働きかけをしてきているが、具体的な内容は今後の対応や関係者の安全に影響を与えうるため、答えを差し控える」
このことばを聞いた、聞かされたミャンマー人の反応が毎日新聞の記事にある。(2021/4/3)
「(回答は)全部、検討するとなっているが、いつまで検討するのか」と詰め寄った。別のミャンマー人女性は「残念ながら曖昧な言葉でとても絶望している。具体的な行動をして、国軍に圧力をかけてください」と訴えた。
「制裁、今後検討」日本政府の回答に在日ミャンマー人「絶望」
実は日本に住む知り合いのミャンマー人からも、「日本政府はいま何をしているのか?」と文句を聞かされて答えに困った。
日本が中露のように国軍の味方をしていることはなく、日本とミャンマー国民の最善を考えているはずだ。
日本人は正しさや正確性にこだわるから、どうしても決断が遅くなる。結果、絶望される。
新型コロナ対策でも同じだ。
これまでの政府対応を見て、首相の「早め早めの対応」や「必要であればちゅうちょなく行う」を信じる国民はもうほとんどいないのでは?
緊急事態宣言の発令や解除のタイミングについても、「一体いつまで検討するのか」とイラ立った人は多いはず。
きょうのニュースによるとワクチン接種をめぐって、日本が他の先進国に比べて遅れていることに7割の人が不満を感じている。
本気で五輪を開催したいと思っているわりにはやることが遅い。
「事態の推移を注視し、検討する」の繰り返しに象徴される、日本の「きめられない政治」には内外で批判や不満がある。
これまでもあったし今後もきっとある。
でも、口で言うだけで行動が遅い、または動かない日本企業をNATO(No Action, Talk Only)とやゆする外国人もいる。
失敗を恐れるし責任を取ろうとしない、確実性を重視するから決断が遅れる。
これはもう日本人の国民性だ。
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そうですねぇ。個人的な思いはあっても、それを表していいかどうかTPOを考えている人ばかりでは、なかなか物事は決まらないでしょうね。
指導力を発揮すれば今度は独断専行だのヒトラーだのナチスだのと大騒ぎする連中が多いし。、首相の権限はそこまで強くないので。