戦国時代にやってきた宣教師のフランシスコ・ザビエルは、当時の日本人を見てこう思った。
They are of a kindly disposition, not at all given to cheating, wonderfully desirous of honour and rank. Honour with them is placed above everything else.
彼らはやさしい性格で不正行為は一切せず、名誉や地位を熱望した。
彼らにとっては名誉が何よりも優先されるのだ。
ザビエルは日本人の”名誉心”を特筆する。
そんな日本人の価値観は江戸時代もつづき、特に上流階級の人間にとっては、恥をかいて名誉を失うことは死よりも辛い場合があった。
だから女性が人前でオナラをするのはもってのほか。
でも、人間がこの生理現象を完全にコントロール下に置くのは無理で、思わずしてしまうこともある。
そんな大ピンチを救って恥を引き受けてくれたヒーロー、いやヒロインが「屁負比丘尼(へおいびくに)」と呼ばれた女性。
辞書にはこんな説明がある。
屁負比丘尼
良家の妻女や娘などにつき添って、放屁などの過失の責めを代わりに負った比丘尼。
精選版 日本国語大辞典の解説
良家の妻女や娘がやらかしたとき、屁負比丘尼は「いまのは私がしました」と言ってその恥を自分のものにした。
もちろんこれが彼女たちの専門職ではない。
屁負比丘尼はふだんは、身分の高い女性のまわりでいろいろなお世話をしていて、粗相があったときに、代わりその”罪”を負っていた。
そんなちょっとしたイエス=キリスト。
海外でこんな職業の人は聞いたことがないし、いまネットで調べてみても見当たらない。
屁負比丘尼は日本だけにいたプロフェッショナルだろう。
日本の歴史や文化に興味のある外国人に、屁負比丘尼についての感想をきいてみた。
・To have a job is better as no Job.
無職よりはマシ。
・I love this
大好き。
・American women in the 1700-1900 said, I’ve having the vapors and then starting fanning their face with their handkerchief.
1700年から1900年のアメリカ人女性は、「蒸気があるの」と言ってハンカチで顔を扇(あお)ぎ始めました。
・😊really ?
It was a job when many needed work.
However silly we might find this today, a need was filled and happiness was found for both ladies.
本当?
それは、多くの人が仕事を必要としていた時代の仕事だった。
現代の私たちにとっては馬鹿げていることかもしれないけど、必要性は満たされて、2人の女性にとっては幸せだった。
・interesting so farting is bad but burping is actually good right? I like that about Japanese culture…..
面白い。おならはダメだけど、げっぷはいいの?
日本文化のそういうところが好き。
・Perhaps you have uncovered the ‘origin story’ of the noise machines installed in toilets that are to mask the sound of actually going to the toilet!
日本のトイレに設置されている、音を消すための装置の「起源」がわかったかも!
ある韓国人はこれに似た職業が昔の韓国にあって、お金をもらって罪人の代わりに殴られる人がいたと言う。
世界には本当にいろんな仕事がある。
大抵どれもないよりはマシだ。
おまけ
オナラを恥ずかしいものとは思わず、反対にその臭いや勢いをユーモアに描いた日本の絵巻物で放屁合戦というものがある。
すさまじく下品だけど、わかりやすくて面白い。
こちらの記事もいかがですか?
反論できる?「日本人が、外国人の日本料理をインチキと言うな!」
> ある韓国人はこれに似た職業が昔の韓国にあって、お金をもらって罪人の代わりに殴られる人がいたと言う。
その韓国人は、何を考えているのか分かりませんね。
放屁したことをかばって(しかも周囲の他の人はその比丘尼が実際には放屁してないと分かっている)他人の矢面に形式的に立つだけのことと、罪人の代わりに実際に暴力を受けることと、どこが似た職業ですか?