ほんじつ4月8日はシャカの誕生日で、日本では『花まつり』として知られている。
約2500年前、インド(現在はネパール)のルンビニというところで、後に仏教という新宗教をはじめるシャカが爆誕。
偉大な人物は誕生の瞬間もミラクルだ。
シャカは母親・マーヤー(摩耶夫人:まやふじん)の右脇から現れて、生まれ出たと思ったら7歩あるいて、右手を上に、左手を下に向けて『天上天下唯我独尊』(てんじょうてんげゆいがどくそん)と言ったという。
『おぎゃー!』ではなくて、この世で初めて発したセリフが『天上天下唯我独尊』というところがもう、ただ者ではない。
このことばの意味は、辞書では「我は世界のうちで最もすぐれた者である(大辞泉)」とあるが、仏教関係者は「自分は世界たった一人の、誰とも代わることのできない人間である。だからそれぞれの命はとても尊い」といった解釈をよくする。
真意はシャカにしかわからない。
むかし見た暴走族の特攻服に『天上天下唯我独尊』と書かれていたから、ヤンキーが魅かれる何かがあるのかも。
4月8日のあたりになると日本のお寺で、シャカの誕生を祝う灌仏会(かんぶつえ)という仏教行事が行われる。
下の写真のように、キレイな草花で飾った花御堂(はなみどう)に生まれた瞬間のシャカの像があって、参拝者がそれに甘茶をかける。
これはシャカが生まれたとき、9つの竜が空に現れて産湯として清浄の水を注いだという伝説に由来する。
このとき甘茶をごちそうしてくれるナイスなお寺もあり。
ところで4月8日のシャカの誕生日を、なんで日本では『花まつり』と呼ぶのか?
この背景が本当に日本的で、このころに桜が満開になるところが多いことから、明治時代に浄土真宗のお坊さんが『花まつり』の呼び方を使って以来、いまでは灌仏会を表すことばになっている。
人々の関心や人気を集めるためにはネーミングはとっても大事。
一般の日本人なら灌仏会(かんぶつえ)より花まつりのほうが、イメージがわきやすいし親しみも持ちやすい。
にもかかわらず、イエス=キリストの誕生日であるクリスマスに比べると、比較にならないほどシャカの誕生日は日本で知られていない。
クリスマスは祝うのに花まつりをスルーする日本人の様子を見て、日本に住んでいたインド人がこんなことを言う。
「これでは浮気相手の誕生日を祝うのに、妻や恋人の誕生日は忘れているようなものです」
まぁ間違ってはいない。
仏教徒ならもうすこし、こっちに関心をもったほうがいいとオラも思う。
日本仏教会のホームページに「花まつり・春のイベント 2021」があるので、興味か信心があったらイベントに参加してみよう。
2500年前に生まれて仏教をはじめた人のこと、時々でいいから…… 思い出してください。
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