このまえ知人のイスラエル人(ユダヤ人)がSNSにこんなメッセージを書いていた。
Today is Memorial Day for the fallen in Israel’s wars.
きょうはイスラエルの戦争で亡くなった人たちのメモリアルデー。
何のことかと思ったら2021年の4月15日はイスラエルの独立記念日で、このメッセージはそのためのものだった。
*この祝日はユダヤ暦のため毎年かわる。
約2000年前に現在のイスラエルの地から追い出され、世界各地へ散らばったユダヤ民族。(ディアスポラ)
この『国のない民』はヨーロッパで大虐殺(ホロコースト)を経験するなど、大きな苦難を乗り越えてまたこの地に集まった。
1948年5月14日(西洋暦)、イギリス統治の最終日にユダヤ人指導者ベン=グリオンが読み上げた独立宣言を聞いて彼らは涙を流す。
「エレツ・イスラエル(イスラエルの地)はユダヤ人誕生の地である」という書き出しから始まるこの宣言が読み上げられた後、ユダヤ人国家「イスラエル」の独立が宣言された。
イスラエルは2.2万平方キロメートル(日本ならほぼ四国)の小さな国で、約923万人が住んでいる。
ユダヤ人(約74%)、アラブ人(約21%)その他(約5%)という構成で首都はエルサレムだ。
ただこのへんはイスラエルの主張なので、くわしいことは外務省ホームページの「イスラエル国(State of Israel)基礎データ」で確認のこと。
独立宣言が書かれた紙にサインするベン=グリオン
アメリカや日本、国連など世界中がこの新国家誕生を認めたものの、アラブ諸国は断固拒否。
それでイスラエルは独立宣言の年から1973年まで、4度の戦争(中東戦争)を経験することになる。
「絶対に負けられない戦い」とはこの戦争のことで、もしイスラエルが一度でもアラブ側に敗北したらユダヤ人はまた『国なき民』に逆戻りするしかない。
その全ての戦いを勝ち抜いたから、イスラエルは現在まで独立を保つことができている。
でそのイスラエルは現在、パレスチナ人に何をしているのか?
というツッコミは当然あるけどそれはまた別の話だから、興味のある人はパレスチナ問題を見てくれ。
知人は国のために亡くなった犠牲者についてこう書く。
Today is a day to remember.
To shed a tear for the thousands whose story has ended when it barely had time to begin. So young and full of potential. Potential that will never be realized. Like a rose that hasn’t opened, and never will.😢
今日は忘れないための日。
人生という物語が始まった途端に終わってしまった、何千人もの人たちのために涙を流す日。
とても若くて可能性に満ちていたのに、それが実現することはもうない。
開いていないバラのように、その可能性が開かれることは決してない。
ええっと、なんかロマンティック。
この人がこんな詩人だったというのは知らなかった。
でも、国を滅ぼされてから約2000年もの間、海外で『いそうろう』のように肩身の狭い思いをしてきて、虐殺や追放といった迫害を受けたことを思えば、ユダヤ人がイスラエル建国の日に涙を流すのはきっと自然で当然だ。
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軍隊が守るのは人民(国民)ではなく土地(国土)を最も理解しているのがこの国だと思う。
そうですね。
その意識が強いから、まわりの反発を買います。
ですが、それぐらいじゃないと守り切れないという思いなのでしょう。