日本なら神仏混交:タイ仏教に深く関わるインドの神インドラ

 

「微笑みの国」といわれる南国タイランドでよく分からん事件が発生。

FLASHの記事(4/21)

僧侶が自作のギロチンで首を切断「高い次元に生まれ変わりたい!」

タイ北東部にあるお寺で、首のない男性の遺体が発見された。
すぐにそれは、この寺院の仏教僧タルマコン・ワンプレチャさんと判明。
この件でコナン君の出番は必要なく、これはワンプレチャさんが以前、弟子と一緒に作った「ギロチン」を使ったものだった。
この僧はギロチンの大きな刃物の下に横たわり、自分でロープを切り離して自らの首を切断したという。
動機はこの人なりの仏教思想に基づくもので、ワンプレチャさんをよく知る人が記事でこう話す。

「おじさんは、自分のクビを切り落とすことがブッダに対する “信仰心の表明” だと話していました。かれこれ5年ほど前から計画していたようで、首の切断により、死後、現世より高い次元に生まれ変われると考えていたんです」

 

いやいや、これにはブッダもドン引きだって。
でもこの僧の“信仰心の表明”は本気でギロチンと遺体の近くには、ヒンドゥー教の神インドラが自分の生首を神に捧げている像があった。
ワンプレチャさんはこのインドラ神と自分を重ねてロープを切ったはず。
そこでもう一度考えればワンチャンあったかも、というのは不謹慎か。

今回の出来事でタイの国家仏教事務所は、これをマネする信者がでてくることを警戒しているらしいんだが、お坊さんのセルフギロチンなんてタイの歴史でも今回が初めてだろうし、これを模倣する人なんて、…なかにはいるのか?
日本では即身仏なら聞いたことがあるけど、それとこれは根本的にいろいろ違う。

この事件に日本のネットの声は、他人事だった。

・自殺したから地獄行きね
・ロープ切った瞬間「あ、ガスコンロ点けっぱなしだった」と気づいてももう手遅れ
・ここまでやっちゃうと、仏教もかなり狂信的な宗教なんだなって引いちゃうよ。
・>4月の上旬に弟子たちと作ったお手製の「ギロチン」によるものだ。
なんか楽しそうだなw
・俺は二次元に生まれ変わりたいわ

 

今回の事件に大きく関係しているのが下の白いゾウに乗った赤い神、インド神話にでてくるインドラ神だ。

 

 

インドラは雷神や軍神で、ヒンドゥー教の前身であるバラモン教では最高神だった。
巨大なヘビの化け物「ヴリトラ」を倒し、魔族のアスラ(阿修羅)と戦ったインドラは無類の強さを誇り、神々の頂点に立つ存在。

この神が仏教に帰依して帝釈天となる。
弁才天や吉祥天など、「~天」というのはもともとはインドの神さま。

 

アンコールワットの壁画に描かれたアスラ

インドラについてはこの記事をどうぞ。

ヒンドゥー教の軍神インドラ:インド人と日本人の見方

 

外国人を日本のお寺や神社に連れて行って感想をきくと、「仏教と神道、お寺と神社の違いがよくわからん」という反応がよく返ってくる。
仏教はインドでうまれた世界宗教で、神道は日本オリジナルの宗教ということは頭ではわかるけど、日本で生活していると両者がごちゃ混ぜになるらしい。
まえに2人のタイ人と話をしているときにもそんな話を聞いた。
するともうひとりのタイ人が「でも、タイの仏教もそれと似ています。タイではヒンドゥー教の神が仏教に取り入れられていて、大きく見たら一体化してますから」と言う。
タイ人は仏像だけではなくて、インドラなどのヒンドゥー教の神々にもよくお供え物をして手を合わせる。
日本でいう神仏混交が、タイだと仏教とヒンドゥー教(バラモン教)になるらしい。

 

その融合の具体例として、タイ人はインドラを挙げる。
タイの首都バンコクの正式名称は、実は世界で最も長い。
「クルンテープマハーナコーン~」のつづきはネットで検索してもらうとして、そのタイ人はこの首都の名前のなかにインドラ神が3回も出てくると指摘。
バンコクを作ったのはそもそもインドラだという。(インドラがヴィシュヌカルマ神に建設を命じた)

 

高級ホテルのインドラ・リージェントや宝石店のインドラ・ジュエリーなど、いまのタイ社会のなかでインドラの名が付けられたものはよくある。
ネットでは「インドラ工業団地」というものを見た。
ということでタイの仏教や国民と、インドの神インドラは深く結びついているのだ。
でも普通はそこでギロチンは出てこない。

 

どうやらこの像がそのインドラで、事件のあと白い布で覆われたらしい。

เลื่อนทุบรูปปั้นเทพถวายหัว รอทำพิธีก่อน
.
จากกรณีอดีตพระธรรมกร อายุ 68 ปี เจ้าอาวาสที่พักสงฆ์ภูหินกอง อ.หนองบัวลำภู…

เรื่องเล่าเช้านี้さんの投稿 2021年4月21日水曜日

 

 

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1 個のコメント

  • > 「おじさんは、自分のクビを切り落とすことがブッダに対する “信仰心の表明” だと話していました。
    > いやいや、これにはブッダもドン引きだって。

    そうかなぁ? 仏教の教えにも、捨身飼虎(トラの餌になった釈迦) なんてありますけどね。
    どのような行動が「狂信的」とみなされるかは、その時代の社会的慣習によるものだと思いますよ。
    捕鯨船の基地を求めて江戸末期に日本へやって来た米国が、今では捕鯨に猛反対とかね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。