【同性愛者は地獄へ行く】キリスト教徒の発言が日本で炎上

 

宗教に熱心過ぎる人は一般社会の空気が分からなくなって、時に感覚のズレが生まれる。
知人のニューヨーク出身のアメリカ人はまえに、キリスト教を盲目的に信じていて、こんなことを言っちゃうアメリカ人と出会った。

「恐竜なんて存在しない。あんなものはウソ。なぜなら聖書にそんな記述はないから」

こうなるともう「触るな危険」の劇物あつかいで、否定はもちろん刺激しないように「そうだね」とニッコリ笑ってその場をやり過ごしたとか。
この人は例外的としても、科学より聖書(キリスト教)を信じているアメリカ人はいるから、宗教の話は、相手を見てからでないと絶対にしないというのが知人のキホン。

一対一の状況で、聖書にもとづいて「恐竜なんてフェイク」と言うことぐらいならまだいいし、個人がそれをSNSで発信することも勝手にすればいい。
でも宗教的な信念から、社会的に影響力のある人が一方的に人権を否定する発言をすると一発アウトだ。
ただ困ったことに、信心深い人はそれを人権侵害だとは気づいていない。
そういう内側にしまっておくべき信仰を、ツイッターで発信し大失敗してしまった野球選手がいた。

 

個人名は出さないが、そのアメリカ人選手が所属する西武はツイッターでの選手の表現についてこう謝罪。

「当球団選手の個人ツイッターにおいて、不適切な表現がございました」
「本件に関連し、多くの皆さまに大変ご不快の念をおかけいたしましたことを、心よりお詫び申しあげます」

このアメリカ人が聖書の一節を引用して、6月26日にしたツイートがこれ。

「同性愛者は神の国を受け継ぐことはありません。彼らは地獄に行くのです。これは私の意見ではありません。真実なのです。第一コリント6章9節を読んでください。私たち全員が自分の心を吟味し、イエスに許しを請い、すべての罪を悔い改めることができますように。キリスト・イエスにあって、皆さんを愛しています」

本人のツイッターをのぞいたら、「Follower of Jesus Christ」(イエス・キリストの信奉者)と自己紹介しているから、まぁ”熱心な人”らしい。
神の名を出してすべての人を愛していると言うのだから、愛情にあふれた人なんだろうけど、日本の価値観と合わないことを言えば炎上は必至。
ピッチャーなら炎上は試合だけに抑えるべきで、プライベートでそれをするから球団が頭を下げないといけなくなる。

これに日本のネット民の声は?

・どれだけ謝罪しようが本心は最初に言ったことだからな
・防御率5点越えてる外国人の方が確実に地獄に落ちるわ
・すごいどストレートで言ってるところが
・別に個人の意見としていいのでは?
・思ってても言ってはあかんやつやん。

 

「同性愛者は神の国を受け継ぐことはありません。彼らは地獄に行くのです」という言葉の“根拠”となった「コリント人への第一の手紙」の6章9節にはこう書いてある。

「それとも、正しくない者が神の国をつぐことはないのを、知らないのか。まちがってはいけない。不品行な者、偶像を礼拝する者、姦淫をする者、男娼となる者、男色をする者、盗む者」

これだと仏像を礼拝する人間ももれなく地獄行きだ。

10節を飛ばして11節にはこうある。

「あなたがたの中には、以前はそんな人もいた。しかし、あなたがたは、主イエス・キリストの名によって、またわたしたちの神の霊によって、洗われ、きよめられ、義とされたのである。」

だから同性愛者もそれを”悔い”て、生まれ変わることをこの選手は言いたかったのだろう。
このメッセージは善意の気持ちからうまれたもので、聖書にそう書いてあるのだから本人はこれが不適切発言とは1ミリも思っていないはず。
マスコミ報道を見ると、このアメリカ人は「適切ではない表現であったと反省したそう」と球団が発表しただけで、本人のツイッターに謝罪の言葉はない。
悪いことをしたという自覚がないから選手は謝罪を拒否。でもそれでは社会的には済まされないから、球団がこう言ったのだろう。

「恐竜なんてウソだ」ならセーフの気がするけど、いまの日本でこの発言は許されない。
最近、宇多田ヒカルさんが自身の性を、男性でも女性でもない「ノンバイナリー」と発言して話題になった。こういう時代に「地獄行き」は完全に空気を読み誤っている。

 

注意一秒、ケガ一生。
ということで先日、ツール・ド・フランスで祖父母に向けて、テレビカメラに「ALLEZ OPI-OMI」というプラカードを見せた、後方不注意の女性が起こした歴史に残るアクシデントを紹介しよう。
*これは「おじいちゃん、おばあちゃん、がんばってれ」といった意味らしい。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。