【日本人の迷信】男女の双子を「不吉」と忌み嫌ったワケ

 

この2人は東京五輪のアーティスティックスイミングで、みごと銅メダルを獲得したウクライナの選手。
「うわ、瓜二つ!」と思った人は大正解。
このマリナ・アレクシワさんとウラジスラワ・アレクシワさんは双子だから、素の顔もそっくりなのだ。

 

 

双子ならそう珍しくないけど、銅メダリストとなると話は別。
これは激レアだから、いまの日本のマスコミなら「ウクライナの美人双子姉妹が~」とか記事にしそう。
双子は昔も誕生することがあって、江戸時代の日本人も女性同士、男性同士の双子なら特に問題視することはなかった。が、男女の双子が生まれると「不吉」と忌み嫌われることがあったのだ。

 

話はガラリと変わって、古代中国のことですよ。
最近、山西省の大同市で北魏時代のお墓が発掘され、中から男女2体の遺骨が見つかった。中国や海外の注目を集めたのはその姿だった。
中国メディア「新華社」の記事(2021/08/17)

1600年前の墓から抱き合う男女の遺骨が出土 山西省大同市

男性は両腕で女性を抱きかかえるように手を広げて、左手の薬指に銀の指輪をしていた女性は男性の肩に頭を乗せるように、2人は抱き合う姿で埋葬されていたという。
中国の専門家の分析によると、この2人は「自殺した可能性が高い」。
くわしい事情は歴史の闇の中にあるとして、2人が生きて抱き合ったままお墓の中に入れられたのではなく、何かの方法で心中を図り、それをあわれんだ人たちが2人をこの姿で棺に入れたのだろう。
韓国人ならこの遺骨だけで、あとは想像力をフル稼働させて全80話ぐらいの壮大な歴史ドラマが作れそう。

このロマンチックで悲しい写真をここに載せたいところなんだが、著作権パンチで殴られてしまうので上の記事で検索してくれ。

 

1600年前というと、日本だと絶賛ヤマト王権が支配する時代ですね。
この古墳時代(およそ3世紀~7世紀)からは多くの前方後円墳が見つかっているけど、こういう遺体は聞いたことない。
古代の日本人が心中した男女の”その後”をどう考えていたのか?

江戸時代の日本には、そんな男女は来世で双子になって生まれ変わるという考え方があった。
(この考え方がいつごろ生まれたかは不明)
でも男女一人ずつの双子は、「前世で心中した者の生まれかわりとして忌み嫌われた」(大辞泉)と辞書にあるように、不吉な存在として疎まれることが多かった。
それでこうした男女の双子や、一度に2人・3人も産むのは「犬猫の仲間」として「畜生腹」と、現代の価値化からするとかなり差別的な呼び方をされた。
もちろん日本のすべてでこうだったワケではないが、それだけ忌み嫌う人が多くいたのは事実。

この「畜生腹」の迷信は戦後もつづいた地域があって、どちらかを殺して警察沙汰になることがあったし、「黄身が2つある卵を食べると双子が生まれる」(=だからそんな卵は食べるな!)と言われることもあった。
こうした双子に関する日本人の偏見がなくなっていったのは、昭和30年代ごろからと言われる。
だから歴史的にみるとかなり長い間、「畜生腹」の迷信は存在していたことになる。

ということは、男女が抱き合う形で埋葬された古代中国には、こういう考え方はなかったのか。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。