在日アメリカ人の嘆き:米国社会の欠点・日本の良いところ

 

アメリカのトランプ氏は大統領だったころ、「コロナは大したことない」、99%は「完全に無害」と新型コロナを軽視する発言を繰り返していた。
でも自分が感染してから考え方が変わったらしい。

いまではワクチンが「世界を救っている」と言うとか、ワクチン支持の立場を明確にしている。
これには、本来は“敵”であるバイデン政権の幹部も「素晴らしいことだ」とトランプ氏をたたえる異例っぷり。
でも多くの支持者にとってこれは、許せない「手のひら返し」に見えた。

日刊スポーツの記事(8/24)

トランプ米前大統領、集会で支持者にワクチン接種推奨してブーイング

アラバマ州で集会を開いたトランプさん、大勢の支持者に向かって、アフガニスタンからの米軍撤退をめぐるバイデン大統領の対応を「アメリカの外交史上、最大の恥」と批判したときには会場から拍手と歓声を受けてて、ワクチン接種を呼びかけるとブーイングを浴びたという。

これに日本のネットは、

・親分からハシゴ外されたか
・自分を正当化できると思ってたら掌返されてブーイングとか見てて気持ちいいw
・こんなんが支持者のトランプに同情するわw
・ワクチンに関してだけはトランプは至極真面目で、支持者から批判されてるという奇妙な構図だなw
・煽動に引っかかる奴らを狙い打ちして支持者増やしたら、バカすぎてコントロールできなくなったんだろ

としょせんは他人顔。
でも、こういうアメリカ社会を見てはため息をつき、日本をうらやましく思う人もいる。

 

まえに歴史に興味のあるアメリカ人と伊豆の修善寺に行ったとき、日枝神社でこんな案内文を発見。

 

 

「鬼門」とは、ヒトに不幸や禍をもたらす鬼が入ってくる不吉な入り口のこと。
そんな鬼門にお寺や神社を建てて、神や仏のホーリーパワーで邪悪な存在の侵入を防ぐという発想が昔の日本人にあった。
くわしいことはこの記事を。

「京都の鬼門をどうする?」→比叡山延暦寺で鬼封じだっ。

アメリカにもこんな鬼門のような発想があるのだろうか?
と思って聞いたら、「あると思うか?」と一蹴された。
ですよねー。

でもちょっと考えてから彼は、「方角じゃないけど、トランプはアメリカの”鬼門”だ」と言う。
ヒスパニック系で白人から何度も差別を受けた経験のあるこのアメリカ人は、白人優位の考え方を助長したり、人種差別をあおるような言動をしてきたトランプ前大統領を蛇蝎のように嫌っている。
トランプ氏が新型コロナを軽視する発言を何度もしたことで、共和党支持者の多い州ではいまでもマスクする人は少ないし、ワクチン接種率も低いという。

*この指摘は正解。
先ほどの記事でも、アラバマ州など共和党の影響が強い地域ではワクチン接種率が低いし、トランプ支持者の多くは反マスク派であると書いてある。
アラバマ州のワクチン接種率は全米で最低の36%という。

熱心なキリスト教信者の多い共和党の支持者に迎合して、トランプ氏はキリスト教の価値観や考え方を強く推して、結果的に科学を軽視・無視する風潮を生み出した。
こう考えている彼からすると、アメリカ社会に様々な混乱や害悪をもたらしたトランプ氏こそが鬼門になる。

 

日本に10年以上住んでいて日本語ペラペラの彼から見ると、日米の社会の大きな違いがこんなところ。
日本ではワクチン接種率・マスクの非着用率と政党はまったく関係なく、どんな政党の支持者でもワクチンやマスクをしている。
だからアメリカのように地域によって、この“率”が大きくバラつくこともない。
都道府県によって違いが生まれるのは政治とは別の原因だ。

日本ではマスク・ワクチンについては社会常識として国民みんなが同意し、そのうえで政策の違いなどで支持政党を選んでいる。
(政治的な動機から、「ワクチン陰謀論」のデマを流す人もいるだろうけど)
アメリカもこうなってほしいけど、宗教と政治が深く結びついていることもあってなかなか難しい。
日米の社会ではそれぞれの長所・欠点があるのは当たり前として、ワクチン接種を推奨すると、特定の政党支持者からブーイングがこないところは確かに日本の良いところだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。