英語では「devil’s tongue(悪魔の舌)」で、漢字では「蒟蒻」になる食べ物がコンニャク。
このサトイモ科の植物は1000年以上もまえに中国から伝わって日本に定着し、鎌倉時代のころには精進料理の食材として使われた。
日本と違っていまの中国でコンニャクは全国区の食べ物ではなくて、南部で食べる地域があるぐらい。だから、「コンニャクってなに?」という人も多いとか。
理由はわからんが「蒟蒻」は中国語だけど、いまの中国では「魔芋」と書く。
英語圏の「悪魔の舌」と似ている。
とにかく日本人は、蒟蒻という古い中国のことばをいまでも使いつづけている。
世界的にコンニャクは日本の食べ物と認識されていて、英語はそのまま「Konjac」でウィキペディアには項目が作られている。
The food made from the corm of this plant is widely known in English by its Japanese name, konnyaku (yam cake), being cooked and consumed primarily in Japan and Korea.
外国人にはその見た目から食べ物というよりスライムのように思われて、「何かきもっ」と敬遠されることもあるらしい。
でも最近では世界的な和食ブームの影響もあって、低カロリーで健康に良いというところが高く評価され徐々に海外でも人気を集めている。
グルテンフリーのすぐれたダイエット食だし、肉や乳製品を食べないヴィーガンの人たちでも食べられるから、コンニャクのターゲットはかなり広い。
外国ではコンニャクから作られる白滝が特に人気で、アメリカには「白滝ミラクルヌードル(Miracle Noodle)」商品がある。
学校給食のメニューで、コンニャクを使った食べ物が出てくることもあるらしい。
ウィキペディアには「Shirataki noodles」で一つの項目が作られていて、糸こんにゃくは主に関西での言い方で、関東では白滝と呼ばれているという細かい情報もある。
欧米人なら平べったいコンニャクより、パスタの感覚で扱える白滝のほうが使い勝手がいいのだろう。
それは分かるとしても、「Konjac can also be used for facial massage accessories」という文章には「えっ?」ってなった。
コンニャクで顔をこする、マッサージ道具のように使うらしい。
コンニャクは悪魔の舌から、本当に奇跡の食べ物になった。
では最後に、以前日本の学校で英語を教えていて、いまはカリブ海に浮かぶ国トリニダード・トバゴにいる外国人にコンニャクについて聞いてみたから、その返事をのせとこう。
Yes, I am familiar with konnyaku because I ate it a lot during my time in Japan.
Especially Shiritak noodles. I am prediabetic. So I have to watch my blood sugar levels
Konjac is one of those vegetables that does not affect blood sugar, so it is very good for my diet.
Unfortunately, Trinidad does not have this vegetable and most Caribbean people are not aware of it.
日本にいたころよく食べていたから、コンニャクには馴染みがある。
特に白滝。
私は糖尿病予備軍だから、血糖値に気をつけている。
コンニャクは血糖値に影響を与えない野菜のひとつだから、ダイエットにとてもいい。
でも残念ながらトリニダードにはこの野菜がなく、ほとんどのカリブ人はこの野菜のことを知らない。
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> 理由はわからんが「蒟蒻」は中国語だけど、いまの中国では「魔芋」と書く。
> 英語圏の「悪魔の舌」と似ている。
もしかすると、英語圏での呼び方が中国へ伝わったのかもしれませんね。
それと、英語で「悪魔の舌」と表現される理由についてですが。
昔「こんにゃくゼリー」という弾力性の強いゼリー状の菓子が日本で開発されて、国内で「ダイエット食品」として広まり、やがては海外にも輸出され始めた頃のこと。その「こんにゃくゼリー」を喉に詰まらせて窒息死する事故が子供を中心に続発しました。そのため海外から「危険な食品」として槍玉に挙げられ、挙句は日本国内でもメーカーに圧力がかかって生産中止に追い込まれました。(現在の製品は改良が進んで、そのような事故を起こしにくいものとなっているようですが。)
さらに昔、ヒットしたTVドラマ「木枯し紋次郎」のエピソードの一つ。主人公の紋次郎がコンニャクを嫌いな理由が、「自分の生まれた村では食糧が不足すると、人減らしのため、小さな子供の喉にコンニャクを詰まらせて窒息死させたのでござんすよ」と述懐するシーンが印象に残りました。
そういった「人を殺すこともある」食べ物だったことが、もしかすると、「悪魔」と呼ばれるようになった理由の一つかもしれません。