最近ロシアが、日本の歴史問題を持ち出してきて困ります。
毎日新聞の記事(2021/9/12)
731部隊や関東軍の文書公開 ロシアが歴史問題で日本けん制か
読売新聞の記事(2021/09/14 09:44)
日本が「細菌兵器も検討」と証拠文書、歴史認識に神経質なロシアの思惑
細菌兵器の研究を行ったといわれる「七三一部隊」の関係者に、「戦犯」として強制労働するよう判決を下した1949年の「ハバロフスク裁判」を取り上げて、ソ連は日本による細菌戦から世界を救ったなどと会議で主張した。
といってもロシアは、日本に反省や謝罪、賠償を要求しているワケじゃない。
これには次の2つの目的があるという。
・日本を「悪者」とすることで、ソ連が1945年に日ソ中立条約を破って参戦したことを正当化する。
同時に、ソ連(ロシア)による北方領土の不法占拠を訴える日本をけんした。
・日本を批判することが中国へのアピールになり、中国の協力を得ようとした。
ロシアはいまEUと歴史認識で対立している最中だ。
ヨーロッパではナチス=ドイツだけでなく、ソ連に対しても第2次世界大戦ぼっ発の責任があるという批判がある。
欧州議会が2019年にナチス=ドイツとソ連を批判する決議を行うと、プーチン大統領はこれに猛反発し、「ソ連はナチスから欧州を解放した」とする持論を展開。
ロシア国内ではことし7月から本やネット投稿などで、ナチスとソ連を同列視することを禁じる法律が施行された。
最近の欧州の動きに神経質になったロシアは、対米欧で中国と共闘したいと考えている。
だからロシアが日本の「戦争犯罪」を持ち出したといっても、それは日本に直接どうこうするのではなく、ヨーロッパや中国を意識した面が大きそうだ。
毎日新聞の記事には、今回公開された文書の内容はすでに知られているもので新鮮味はゼロ、日本の新しい「戦争犯罪」を追及する資料ではなかったとある。
日露関係への影響についても、「それほど深刻にはならない」というモスクワ国際関係大教授の見解を紹介している。
日本の「戦争犯罪」を主張するロシアなんだが、日本軍人の抑留をきめたハバロフスク裁判が国際法に違反していたというオチ。
産経新聞の記事(2021/09/07)
日本軍人らの長期抑留自体が国際法(ジュネーブ条約)やポツダム宣言に違反するものだった上、取り調べや審理の内実も西側とは大きくかけ離れたものだった。
露、日本の「戦争犯罪」喧伝 歴史戦で攻勢
ロシアの言っていることには1ミリも賛成できない。
でも国益を最優先に考えて、自分たちに都合のいい歴史を大声で主張する、そんな大胆不敵な態度は日本も少しは見習ったほうがいい。
慰安婦が「性奴隷」だったといった根拠のない主張に対して、国際社会で反論する日本政府の声は小さすぎて困る。
そうした歴史わい曲をけん制する、先制的な対応がたまにはあってもいい。
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